ROTTENGRAFFTY、紆余曲折を経て結成19年目にして到達した初の日本武道館公演をレポート

ライブレポート | 2018.10.20 17:00

撮影/HayachiN

以前、取材時にメンバー本人の口から“日本武道館でライヴをやる”と聞いた時は心底驚いた。それと同時に、“何が何でもその瞬間を自分の目と心に焼き付けたい”と心の中で思った。

10月3日、ROTTENGRAFFTY(以下、ロットン)の最新アルバム『PLAY』に伴ったツアーのファイナル「ROTTENGRAFFTY PLAY ALL AROUND JAPAN TOUR 2018 in 日本武道館」がついにやって来た。18時35分、“ROTTENGRAFFTY 日本武道館”の文字がスクリーンに映されただけで、すでに熱いものが込み上げてくる。

撮影/かわどう

N∀OKI(Vo)、NOBUYA(Vo)、KAZUOMI(Gu&Programming)、侑威地(Ba)、HIROSHI(Dr)のメンバー5人がゆっくりと登場し、KAZUOMIの切ないリフが日本武道館の空気を切り裂くと、「寂寞 -sekibaku-」で本編スタート。前述した新作の冒頭を飾る曲ではあるが、こうした哀切極まりない音色でライヴの火蓋を切るのも実にロットンらしい。それから90'Sラウド/ミクスチャー・ロックに対する彼らなりのオマージュをたっぷり詰め込んだ「PLAYBACK」へ。スクリーンに《ハジケロ》(麻波25)、《Life goes on》(Dragon Ash)、《神 KAMI-UTA 歌》(THE MAD CAPSULE MARKETS)などの言葉が流れる演出に加え、ヘビーなグルーブ渦巻く攻めっぷりに早くも圧倒される。間髪入れずにスラッシーなリフを用いた「SHRED」、疾走感抜群の「夕映え雨アガレ」と続き、会場のテンションは上がる一方だ。その膨れ上がる熱気を「銀色スターリー」が追い打ちをかけ、“目の前の壁を壊せ!”とN∀OKIが歌詞にはないフレーズを瞬時に織り込んでいく。その短い言葉にもロットンの生き様が凝縮されている気さえした。

撮影/HayachiN

撮影/Yukihide “JON…” Takimoto

目くるめく展開で壮大なスケールを描く「So…Start」、火柱が上がる中で「世界の終わり」が披露されると、スクリーンには廃墟と化した街並やマグマが噴火する映像が流れ、曲調の雰囲気を一段と盛り立てる。「毒学PO.P革新犯」を挟んだ後、次は新作の中でも異色だった「夏休み」をここで披露。《RUN・・・・・》とリフレインするコーラスを観客も歌い上げ、見事に会場をひとつに束ねていた。それから「THIS WORLD」を演り終えた後、“俺らが武道館とか嘘やろ? おかしいやん”とN∀OKIが話すと、“「寂寞 -sekibaku-」が始まった瞬間、ステージが落ちるんちゃうかなって。ドッキリじゃなくて良かった!”とNOBUYAが返す場面もあった。苦節19年目にして辿り着いた日本武道館という舞台に、メンバー自身がどこかまだ信じられないという気持ちが心の片隅にあるのかもしれない。中盤には「Just One More…」「「70cm四方の窓辺」」「暴イズDE∀D」、熱いコール&レスポンスで沸かせた「響く都」と個性豊かな曲調を次々と連打。それからサイレン音が鳴り響き、赤い照明が照らされる中で「STAY REAL」からスクリーンに零戦のイラストを配した「零戦SOUNDSYSTEM」とつなぐ流れは凄まじく、狂気に満ちたとんでもない爆発力で観客を制圧した。

撮影/Yukihide “JON…” Takimoto

“「暴イズDEAD」のMVはふたり(NOBUYA、N∀OKI)短パン履いてた。あの時は武道館なんて考えてもなかった”とNOBUYAが回想すると、“19年間、紆余曲折あったけど、ここにいるのが現実。叩き上げでここまで来た!”とN∀OKIが力強く言うと、会場からは熱い拍手が起きた。さらに他のメンバーもその発言に続き、“19年間、笑ったりミーティングしたりして、この5人で立つことができた”とHIROSHIが述べると、侑威地は“ここに立てるなんて夢にも思ってなかった”と涙を浮かべて話し、最後はKAZUOMIが“『PLAY』を作る時も大変で、完成できないんじゃないかと思ったけど、こんな1日があるなら苦しみなんて屁じゃない”と熱く語った。そして、癌と闘い続けているレーベル社長・松原氏のことを思って書いたという「アイオイ」をプレイ。N∀OKIのラップとNOBUYAの歌メロが交差し、螺旋階段を駆け上がるようなドラマ性に長けた曲調に胸を激しく突かれ、心の奥底から感動せずにはいられなかった。

撮影/Yukihide “JON…” Takimoto

撮影/かわどう

後半に入り、「悪巧み~Merry Christmas Mr.Lawrence」「D.A.N.C.E.」「金色グラフティー」と強力ナンバーを畳み掛け、本編ラストは「Error...」で堂々と締め括った。さらにアンコールに応え、“俺らはこの曲に出会って救われた!”(N∀OKI)と「マンダーラ」を披露。エモーションの全てを吐き出す全身全霊のパフォーマンスで日本武道館を焦がすと、最終曲「切り札」でとどめを刺す怒濤の攻めを観せつけ、2時間強に及ぶライヴは幕を閉じた。

撮影/Yukihide “JON…” Takimoto

この日のライヴ中に“もう一度武道館でやりたい、その時はよろしくな”とNOBUYAが言っていたけれど、“夢物語”だった武道館公演がこの日を以って“通過点”になっていた。その事実をいちファンとして噛みしめつつ、5年後、10年後でも構わない、もう一度ここでロットンの勇姿を観たい。そういう想いに駆られたのは僕だけではないだろう。彼らにとって初の日本武道館公演は、N∀OKIの言葉を借りるならば、間違いなくバンドにとって“歴史的記念日”となった。

撮影/Yukihide “JON…” Takimoto

セットリスト

SE.hereafter
1. 寂寞 -sekibaku-
2. PLAYBACK
3. SHRED
4. 夕映え雨アガレ
5. 銀色スターリー
6. So...Start
7. 世界の終わり
8. 毒学PO.P革新犯
9. 夏休み
10. THIS WORLD
11. Just One More…
12. 「70cm四方の窓辺」
13. P.I.L
14. 暴イズDE∀D
15. 響く都
16. STAY REAL
17. 零戦SOUNDSYSTEM
18. アイオイ
19. 悪巧み~Merry Christmas Mr.Lawrence
20. D.A.N.C.E.
21. 金色グラフティー
22. Rainy
23. Error...
<ENCORE>
1. マンダーラ
2. 切り札

公演情報

ディスクガレージ公演

ポルノ超特急2018 -5TH ANNIVERSARY-

2018年12月22日(土)23日(日) 京都パルスプラザ

<出演>
韻シスト / ENTH / オメでたい頭でなにより / Survive Said The Prophet / The BONEZ / THE ORAL CIGARETTES / SHIMA / SUPER BEAVER / 10-FEET / Northern19 / ハルカミライ / HAWAIIAN6 / ヤバイTシャツ屋さん / ROTTENGRAFFTY and more
※ROTTENGRAFFTYは両日出演

チケット一般発売日:2018年11月24日(土)

  • 取材

    荒金良介

  • 撮影

    かわどう

  • 撮影

    HayachiN

  • 撮影

    Yukihide “JON…” Takimoto

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