神はサイコロを振らないが語る、ふるさとの思い出

吉田喜一(Gt.)僕、山口県の宇部市っていうところなんですけど。マジでなんもなさすぎるところで、ライブハウスが、自分が住んでいた隣町にしかなくて。宇部の端っこのところに住んでいたんで、学生の時は、チャリンコで、2時間弱かけて、ライブハウスに行ってましたね。
高校生の時に、地元で好きなバンドがいて、けっこう観に行ってたんですけど、その人、今、YOASOBIのAyaseさんなんですよね。

吉田だから、東京でAyaseさんと会って遊んだりすると、懐かしいし、不思議な気持ちになりますね。まあとりあえず、山口県、何もないんで、チャリで縦横無尽に、めちゃめちゃ走り回ってた思い出があります。あと、何もないけど、音楽人がいっぱい……ハルカミライの（橋本）学さんとか、ユアネスの黒川（侑司）さんとか、生まれてる街なんで。ぜひ遊びに来てほしいです。何もないですけど。

吉田工場はたくさんあります。あと、コンビニがムダに多いです（笑）。

柳田周作(Vo)僕は宮崎市出身で、宮崎の中ではシティボーイやったというか、都心部だったので。宮崎って、都心部から離れると、海がめっちゃきれいで。有名人がお忍びでサーフィンしに来るくらい、波もいいらしくて。
高校を卒業して免許を取るじゃないですか。親友がいて、ふたりでよく弾き語りで歌を歌ったりしていて。女子も誘って、夜な夜な、親の軽のクルマを借りて、2月3月のクソ寒い時に海まで行って、夜の海を見ながら、星を見ながら、朝までしゃべって、たまに歌って、朝帰る、みたいな。それがすごい青春やったというか。
その子と付き合うか付き合わないかぐらいの時に、一回ふたりで海に行ったんですよ。で、「歌って」とせがまれて、歌いながら朝まですごしてたんですけど。付き合う前なんで、オナラ、恥ずかしいじゃないですか。歌ってる時に、僕、すごいスカしっ屁したんですよ、クルマの中で。

柳田うわ、これ、聞こえとったらどうしよう」ってすごいあせったんですけど、でも僕、そのあと告白して、ちゃんと付き合って。っていう、青春が（笑）。
でもほんと、海がきれいで、星がきれいで。青島っていう島があるんですけど、島の中に神社があったりして、宮崎県民は毎年そこに行くんですけど。そこまで行く途中のドライブも、またいいんですよね。

黒川亮介(Dr.)自分は福岡県の北九州市で、住んでたのは八幡っていうとこなんですけど。皿倉山っていう山が、めちゃめちゃきれいで。その山頂から見える景色は、自称「100億ドルの夜景」って言ってて。八幡の人はそこに行く、っていうのは、けっこうあって。中学生の時とかも、初日の出を見に、友達と3時間ぐらいかけて歩いて登ったりとか。っていう、富士山的なスポットがあるんです。
で、やっぱり、免許を取ると、そこにみんなドライブで行くんですよ。でも北九州、ヤンキー多くて、友達と、その友達が狙ってる仲いい女の子と、自分と仲いい女の子と、4人で皿倉山にドライブに行った時に、ヤンキーの集団に遭遇しちゃって、クルマで追いかけ回されるっていう（笑）。
向こうはセダン系のかっこいいクルマで、こっちは祖父ちゃんに借りた（三菱）トッポ、ボコボコの軽で。頂上の近くまでクルマで行けるんですけど、そこから山のいちばん下まで、めっちゃ煽られながら逃げる、っていう、エピソードはありましたね（笑）。

桐木岳貢(Ba.)自分は島根県の浜田市っていうとこなんですけど。島根、ほんとなんもないんで、自分も、大学で福岡に出るまで、あたりまえのことを全然知らなかったりとか。スタバとかも知らなかったし、浜田に松屋ができた時に、めずらしいからみんな行って、渋滞になったんですよ（笑）。スタバは最近できたらしいんですけど、鳥取と島根だけない、という時代が長かったです。
で、髭男（Official髭男dism）のメンバーが、島根出身と鳥取出身、っていうので、奪い合いになってるらしくて（笑）。「うちの出身のバンドだ！」っていう醜い争いが。