約4年ぶりのオリジナル・アルバム『Beauty is yours』をリリースする森大輔。優れたソング・ライティングのセンス、クオリティの高いサウンド、全ての人を魅了する甘い歌声の持ち主として高い評価を受け、さらに数多くのアーティストへの楽曲提供でも知られる。そんな彼が中断を経てソロ活動再開に至るまでには、さまざまな想いがあった。
「今までは頑張ってベストを尽くして、すべてやり切る美学で突っ走ってきました。でも、のらない時はやらなくていいかなみたいな、自分に無理のないペースでやっていこうと思ったんです。自分と対話するっていうのかな、本来持っている感じを取り戻したような。特にこの2年間、シンガー・ソングライターとしての活動を中断して、他人の楽曲提供に専念していたんですけど、それが自分を見直す期間になりました。この先も音楽を続けたいからこその必然的な期間でした。自分がいいコンディションでいられること、その結果いい作品ができればいいなと思っていますし、今後もそれぐらいの気楽さは持とうと思っています」
そんなフラットな気持ちで制作に臨んだこともあり、『Beauty is yours』はまるでベストアルバムと思えるような完成度の高い楽曲がずらりと並んでいる。
「本当にフラットな気持ちになれました。シングルありきという作り方ではなく、曲に対してフェアな選び方をしているので、ベストな10曲という形に近いですね。これまでは僕にできることを全部出し切ろうというアルバムでしたけど、今回は僕がやるからこそ意味があること、僕にしかできないことをやろうと。完成図を考えずに欲張らず、かき集めるのではなく、選び取る形で作ったアルバムです」
タイトルとなった『Beauty is yours』とは、人それぞれが持つ価値観についての彼の考えを象徴したタイトル。今後の音楽活動の在り方に繋がる、重要なキーワードとなりそうだ。
「花を見て美しいと思った時、本当に大切なのはその花が美しいということより、その花を見て美しいと思える気持ちだと思うんです。その人にしかない見方や感性でいろんな世界を感じること。他人に合わせていい悪いという答えを出すのではなく、正直な気持ちを持つことが素敵だなと思うんです。そんな僕自身の考えがこの言葉に凝縮されています」
大きな手ごたえのアルバムを作り上げたあとだけに、9月に行われるライブが楽しみだ。
「特に今回はライブを想定して作った曲も多いので、会場に来たお客さんが、驚きもありつつ、でも聴きたいものが聴けたと思っていただければ嬉しいですね。ライブでは誰かに向けて曲を歌うようにしようと思っているんです。友人、家族、あるいは会場で目が合った人。あの人に向けて、と勝手に心に決めて歌うこともあります(笑)。そういう意識を持って歌う時は受け止めてもらえている実感があってリアクションもいいんです。ライブでは自分の音楽を自分の中だけで完結させてしまうのはおしいので、誰かに伝えられるよう心がけて歌っていきたいですね」
2013年9月23日(月・祝) | 代官山LOOP | 16:30 開場 / 17:00 開演 | 全自由:4,000円(税込) |
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New Album「Beauty is yours」
(アイビーレコード)
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森大輔(2013.8月号掲載 DI:GA interview)