自分でもうまくつかめない心の在処を確認する手だてが、人それぞれにある。菊池桃子の場合、それはピアノで音を探すことだ。
「わたしは小さい頃から鍵盤を叩くと気持ちが落ち着くというところがありまして、何かの曲を弾くということだけではなく、今日はうれしいことがあったなあと思うとピアノで明るい音を鳴らして気分が良くなるという。逆に、切ない気持ちの日にはマイナー・コードからポロポロと弾いていって、その響きに浸る、というようなことが子どもの頃から今も変わらず大好きなんです」
音楽は、彼女にとって無くてはならないものなのだろう。そんな彼女が、1984年のレコード・デビューから今年30年の節目を迎えた。自身の音楽活動を振り返る時、彼女のなかには印象深いあるシーンがよみがえる。
「初めてのレコーディングのとき、当時の音楽スタッフがわたしの声を聴いて、喜んでくれたんです。とても珍しい声だから、と言って、レコーディング・スタジオで、スタッフがみんなで、今で言うハイタッチのようなことをしてくれたんですよ」
以来、彼女は“自分の声を大切にしよう”と心がけてきたという。だから、ほぼ26年ぶりになる今回のライブも、彼女のなかではあらためて自分の声と向き合う作業として意識されている。
「不思議だなあと思うんですが、歌おうとすると、ナレーションやラジオの仕事では絶対に使わない声が出てくるんです。今回は、その部分の声と久しぶりに向き合うということになるんですよね」
彼女自身は「“もうそういう機会はないんじゃないかなあ”と思っていた」から、最初にスタッフからライブの話を聞かされたときにはずいぶん驚いたそうだが、しかしいまでは10代の頃とは違うやり方で自分の声を扱い、ファンに届けられるのではないかという予感がある。
「1stアルバムを作ったときに、スタッフから『自分の声をひとつの楽器だと思いなさい。こんなオリジナルな楽器はあなたしか持っていないんだから、それが曲のなかでどんなふうに使われるかということを意識して歌っていきなさい』ということを言われて、16歳だったそのときのわたしはあまり意味がわかっていなかったと思うんですが、でもその後、歌うこと以外の声のお仕事もいろいろ経験して、今あらためて“わたしの声って、こういう声なんだな”ということを自覚しながら歌うと、“面白い声ももっと出るなあ”ということを感じながら今回はライブができるなと思っています」
だから、本番当日のことを想像すると、すごく気持ちがわきたつ。
「うれしくてうれしくて仕方ない、という感じでステージに立つことになると思います。サプライズもいくつか用意していますよ。ひとつ自分のなかで心配があるとすれば、あまりのうれしさに泣いてしまうのではないかということだけですね(笑)。しっかり準備をして、いいコンサートにしたいと思っています」
2014年5月24日(土) | ステラボール(品川) | 18:00 開場 / 19:00 開演 | 全席指定 ¥10,000(税抜) | ※プレミアムグッズ付き(グッズは当日会場にてお渡しとなります) |
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2014年5月25日(日) | ステラボール(品川) | 17:00 開場 / 18:00 開演 | 全席指定 ¥10,000(税抜) | ※プレミアムグッズ付き(グッズは当日会場にてお渡しとなります) |
受付期間:3月15日(土) 21:00~3月26日(水) 23:00 |
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菊池桃子(2014.3月号掲載 DI:GA interview)