角松敏生が3月19日にリリースしたアルバム「THE MOMENT」は、トラック数5曲に対してトータルタイム51分57秒。その理由は、21分50秒にも及ぶ「The Moment of 4.6 Billion Years 〜46億年の刹那〜」と、15分38秒という「Get Back to the Love」が収録されているからだ。昨今のポップスというジャンルにおいては、かなりの冒険心がなければ作れない今作。この後にはアルバムを引っさげたツアーも予定されているが、角松氏にはどんな意図があったのだろうか?
——「THE MOMENT」はとても壮大な作品ですね。21分にも及ぶ「The Moment of 4.6 Billion Years 〜46億年の刹那〜」は、去年のライヴですでに演奏されてますよね。
「うん。6月にやったビルボードライヴとその後の中野サンプラザでお披露目したんです。何も言わずいきなり、『THE MOMENT』みたいな作品が出たら、さすがにお客さんがかわいそうだから、なるべくショックを和らげたいと思ってね。中野サンプラザでも言ったんですけど、“今はこの曲についてわからなくても、とにかくCDを聞いてから答えを出してほしい”って思ったんですね。わかりやすく言うと、知らない曲ばかりのライヴは長く感じるでしょ?」
——はい。
「でも、知ってる曲ばかりのライヴに行くとあっという間なんです。ライヴって情報量がすごく多くて、その全部を感じようとしているから、実は音楽だけに集中していないんですよね。そういう状況で聞いたこともない20分の曲をやられても長いとしか感じられない。でも知ってる曲だと参加意識が高まるから、あっという間なんです。でも、後でその長い曲をCDで聞いたら、“あれ?こんなに短かったっけ?”って思うはずなんです。結局それって、CDがあるからライヴが楽しいっていうことなんですね。我々がコツコツと作ったCDを聞いて、自分が知覚してるからライヴが楽しい。最近はそれが本末転倒になってると思うんですね。このアルバムでは、ライヴで聞いたときにはわからなかったけど、CDで細部まで聞き込んだらやっと答えがわかって、またライヴで聞きたくなるっていうストーリーを作ったんです。こういうことをしたら、お客さんがどう感じ、どういう反応をするだろうって」
——なるほど。次のツアーは、アルバムの曲をライヴで最初に聴いた人にとっては、CDを聴いて答え合わせをした後の楽しみ方が出来ますし、CDしか聴いてない人は音源が目の前で再現される感動を味わえて、それぞれの楽しみ方が出来そうですね。
「うん。アルバムを引っさげてのツアーっていうのは、アルバムの曲を全部やるっていうのがモットーなんですけど、この作品、一曲は長いけど、全体では50分しかないから、今回は、もう一つ試みがあって。演奏する曲をファン投票で募集したんですよ。30周年の横浜アリーナ以降、昔の曲をリメイクしてライヴでやるっていうコーナーをやってるんだけど、今までもう割と色んな曲のリメイクをしたので、今度はお客さんに曲を決めてもらおうかと。二つの構成で僕の音楽を新旧取り混ぜた形で同時に見られるライヴになる予定だから、お客さんも喜んで観てもらえるものになると思う。来れなかった人は、“行っておけば良かった”ってなるかもしれないね」
2014年5月18日(日) | さいたま市文化センター | 17:15 開場 / 18:00 開演 | 全席指定 ¥8,300(税込) |
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2014年6月6日(金) | 渋谷公会堂 | 17:45 開場 / 18:30 開演 | 全席指定 ¥8,300(税込) |
2014年6月7日(土)[SOLD OUT] | 渋谷公会堂 | 16:15 開場 / 17:00 開演 | 全席指定 ¥8,300(税込) |
2014年7月5日(土) | ハーモニーホール座間 | 17:00 開場 / 17:30 開演 | 全席指定 ¥8,300(税込) |
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【受付公演】 7月5日(土)ハーモニーホール座間 【受付期間】 5月6日(火・祝)21:00〜5月15日(木) 23:00 |
NEW ALBUM「THE MOMENT」
(Ariola Japan)
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角松敏生(2014.5月号掲載 DI:GA interview)