——前作『レキミ』から1年半ぶり4枚目のアルバム『レシキ』が完成しましたが、またもや名作の誕生ですね。
「ありがとうございます!」
——珍しく素直に受け入れますね(笑)。
「最近ね、あんまり茶化すなって言われてて。『そんなこと言うなんて、どうかしてるよ!』って言い過ぎるのはよくないなって。だから、はい、ありがとうございますって言うことにしたの」
——(笑)どんなアルバムにしたいって考えてました?
「4枚目のアルバムって、路頭に迷いがちじゃないですか。アーティストの過渡期っていうイメージがあるから、俺もそういうアルバムを作りたいなって思ったんですね。ツアーでもやった『僕の印籠知りませんか?』のようにどこに向かっていくかいい意味で見失っちゃったり、『レキシ、どうしたんだろう?』っていう物議を醸すようなアルバムにしたいなって思ってて」
——タブラとセリフのデュエット?になってる「Takeda' feat. ニセレキシ(U-zhaan)」のように?
「問題作ね(笑)。ほんとは全部、そういう曲にしようって思ってたんだけど、ふたを開けてみたら真逆のポップなアルバムになって。それが、自分でも不思議で面白いなと思ってるんですよ」
——「キャッチミー岡っ引きさん feat.もち政宗(持田香織 from Every Little Thing)」なんて、文字通りキャッチーな曲になってますもんね。
「そこまで意識してたわけじゃないんだけどね。今回は、曲ができて、バンドでアレンジしたあとに、この人に合うなっていうパズルがぴったりハマった感じがあって。もち政宗の場合は、女鼠小僧が、岡っ引きの心を盗んでるようで、ほんとは自分が奪われてるっていう歌なんだけど、とにかく、彼女に<奪われちゃうの ご用心>っていうセリフを言ってもらいたいかったんですよ。そこに全ての思いが集約されてますね。ま、声の説得力があるからね。それは、旗本ひろし(秦 基博)も同じだけど」
——「年貢 for you feat. 旗本ひろし、足軽先生」はウエディングソング?
「祝言の曲ですね。農民が年貢を納めるっていうのと、結婚の年貢の納めどきを重ねて書いてて。『お犬様 feat. 尼ンダ(二階堂和美)』も、尼ンダは『結婚式で歌いたい』って言ってた。お犬様は犬でもあるし、パートナーっていう意味合いもある。それくらい、寄り添ってる曲ですね」
——ほかにも、北のパイセン問屋(怒髪天)や阿部sorry大臣ちゃん(阿部芙蓉美)ら豪華な客演陣が参加してますが、完成して、どんな感想を抱きました?
「江戸が多いなって思いましたね。『憲法セブンティーン feat. シャカッチ(ハナレグミ)』以外、全部安土桃山〜江戸時代に固まってるのね。なんでだろうって考えてみたら、おれね、江戸(東京)に来てからの期間が、ちょうど人生の半分になったことに気づいて。下町住まいが長くなると、自分のなかで経験したものが自然と出るんだなって思って。ただ、ツアーで遺跡を巡ったら、またほかの時代や地域の曲も増えてくると思うんですよね」
——ツアーファイナルとなる8月20日(ハニワの日)は、初の武道館です。
「もうね、細かいネタが伝わらないんじゃないかっていう不安しかないんだけど(笑)、やりたいことはいっぱいあるんだよね。まず、巨大ハニワを作ってるから、その除幕式をやりたいでしょ。あと、光る腕輪を配って、1回も光らせないっていうのもやりたいし、銀テープを曲中じゃなく、MC中に発射したいし……どうなるか自分でも分からないけど、今回は親子席があるので、童謡を3〜4曲歌いたい。それだけは断言できますね(笑)」
二〇一四年八月二〇日(水・ハニワの日) | 日本武道館 | 17:30 開場 / 18:30 開演 | 全席指定 ¥6,480(税込) 親子席 ¥10,800(税込) |
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抽選エントリー期間:受付中〜6月9日(月) 13:00 |
レキシ(2014.6月号掲載 DI:GA interview)