ニュートラルな感情の発露としての歌が、リスナーの体温と濃密に呼応する。そして、トリプルギターを擁する鮮やかなエモーションとポップネスに彩られたサウンドにその歌が乗ったとき、彼ら、Suck a Stew Dryが鳴らすロックは、確かな光彩を帯びる。1stフルアルバム『ジブンセンキ』に込めた思いと、ツアーに向けた展望をシノヤマコウセイ(Vo,G)に語ってもらった。
——歌詞には強いメランコリアが漂っているんだけど、絶望しきっているわけでもなく、無理やり希望をもとうともしていない。つまり、シノヤマさんの書く歌はニュートラルな視座に立っていて。2本のギターを活かしながら、その歌をよりポップにも解放するようになりましたね。1stアルバム『ジブンセンキ』はそれを決定づける作品だと思います。
「確かにサウンドは開けましたね。歌いたいことはやっぱりずっと変わってないんですけど、曲を作るうえでニュートラルであることが、肝になってるんだと思います。実際、このアルバムのリード曲になっている『僕らの自分戦争』という曲は、1stミニアルバム『人間遊び』に入っている『二時二分』という曲とほぼ同じことを歌っていて。『僕らの自分戦争』は、最後のほうにギリギリのタイミングでできたんですよ。でも、この曲ができたときにバシッとハマったなと思って。アルバムの全体像がより明確になりましたね」
——そもそも憂鬱を悪として捉えないからこそ、サウンドをポップにも振り切れるんだと思うし、言葉と音のコントラストがこのバンドの最大の武器でもあると思います。
「曲をいっぱい作ってきて、ポップな曲がどういうものかだんだん理解してきた実感があって。歌詞で書いてることは、決して明るくないし、どちらかといえば“無”に近いと思うんですよね。でも、サウンドはそこに引っ張らる必要はないと思っていて」
——その言葉と音の関係もまたニュートラルだし。
「うん。言葉の話に戻りますけど、たとえば何かをあらきめることをそれだけで悪だと決めつけてる人がいると思うんですけど。けど、何かをあきらめたそのあとに新たな選択肢があるかもしれないし。100%悪いことではない。それを、サウンドが明るかったり、ポップであることでいいバランスで伝えられるんじゃないかなと思うんですよね。文章や口で言うよりも『え!?』ってなることを、音楽のフィルターを通すと許されるというか。そこに僕は音楽の魅力を感じていて。歌詞に興味のない人はサウンドだけで楽しんでもらえたらいいなと思うんですけど」
——ワンマンツアーに向けての展望は?
「このアルバムの曲がどう受け取られるのかを確認するのが楽しみであり、不安でもあり。いい感じに受け取ってもらえたらいいなというのと、さらにファイナルのO-WESTはこれまででいちばん大きな会場なので。いいライブをしなきゃしょうがないなって。カッコ悪いところを見せないように、堂々としたライブをしたいと思います」
2014年11月24日(月・休) | TSUTAYA O-WEST(旧Shibuya O-WEST) | 16:15 開場 / 17:00 開演 | オールスタンディング ¥2,800(税込) |
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2014年9月17日(水) | 千葉LOOK 共演:HOWL BE QUIET/Goodbye holiday/KIDS |
18:30 開場 / 19:00 開演 | オールスタンディング ¥2,500(税込) |
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2014年9月25日(木) | 高崎club FLEEZ 共演:HOWL BE QUIET/chaqq/GOODWARP |
18:30 開場 / 19:00 開演 | オールスタンディング ¥2,500(税込) |
2014年9月27日(土) | 甲府KAZOO HALL 共演:HOWL BE QUIET/KIDS/GOODWARP |
17:30 開場 / 18:00 開演 | オールスタンディング ¥2,500(税込) |
先行抽選受付期間:受付中〜9月11日(木)13:00 |
1st FULL ALBUM「ジブンセンキ」
(Lastrum)
●9月3日(水) SALE
DISK GARAGE.com Suck a Stew Dry アーティストページ
Suck a Stew Dry オフィシャルサイト
Suck a Stew Dry(2014.9月号掲載 DI:GA interview)