黒沢健一が、L⇔R時代の曲も含めた自身のキャリアを見渡して選曲したセルフカバー・アルバム『BEST VALUE』をリリースした。すべての楽曲を、現在のアメリカのロック・シーンの最前線で活躍するプロデューサーとミュージシャンによって録音し直したこのアルバムが伝えるのは、アメリカの風土に根ざしたアメリカン・ロックの王道サウンドへの黒沢の強い愛情であり、ビートルズを筆頭としたイギリス音楽のみならず、そういう音楽にルーツを持つ黒沢の楽曲の揺るぎない魅力だ。
「基本的には、アメリカの今の旬なロックをやっている人のなかで、僕の曲をやってもらったら面白いんじゃないかなと思う人をインターネットで探していったりしたんですが、今のアメリカのヒット・チャートの上位にランクインしている音楽のなかでは、さすがにレディー・ガガなんかは日本でも流れることがあるけれど、それ以外の音楽を日本の人は知ってるのかな?という感じがするんですよ。ケイティー・ペリーみたいな、いわばちょっと芸能界寄りの人以外の、アメリカン・ロックのミドル・オブ・ザ・ロードという感じの音はほとんど流れないでしょ。だから、今のアメリカのサウンドはどういうサウンドが旬なのか?とか、あの大陸で今ヒットしている音楽はどういう感じの音色なのか?といったことは、日本では今はむしろいちばんマニアックなものなのかもしれないという気がしているんです。だからこそ自分のセルフカバー・アルバムをアメリカン・ロックの今のミドル・オブ・ザ・ロードの音を作っているプロデューサーにやってもらうことは、自分の人生にとってもすごく重要なことだと思ったんです。僕のルーツ・ミュージックは、アメリカン・ロックであり、アメリカのヒット・ポップスですからね」
今回は、最初に打ち合わせしただけで、あとはすべてプロデューサーのエリック・ロッセに一任するという、なんとも潔いスタンスを貫いたそうだが、「自分の曲をこんなふうに客観的に捉えることができるんだというのもすごく新鮮でした」と語ったように、そうした人に委ねる体制から得たものは予想以上に大きかったようだ。 そして、春にはこの「新作のように聴こえる」ライフタイム・ベストをフィーチャーしたツアーが実現。従来の顔ぶれとはメンバーを一新したバンドで臨むこのツアーは、長年のファンにとっても楽しみの多い内容になりそうだ。
「今回のアルバムに入っている曲のオリジナルは、基本的にドラムは岡井(大二)さんが叩いてるし、アレンジは遠山(裕)さんがやってるという曲がほとんどだから、遠山さんや岡井さんという、いつものメンバーでやると、結局元に戻ってしまうような気がしたんです。それで、バンドのメンバーはすっかり変えて、新しいサウンドが後ろで鳴ってると、僕もこの新しいアルバムの気持ちで歌えるなと思ったんですよね。僕自身がすごく楽しみなんですけど、長年のファンの方は特に絶対見ておくべきだと思いますよ(笑)」
2015年3月27日(金) | 赤坂BLITZ | 18:00 開場 / 19:00 開演 | 全席指定 ¥6,500(税込) |
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【先行先着受付期間】 受付中~2月24日(火)23:00 ※予定枚数になり次第終了 |
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LIFETIME BEST「BEST VALUE」
(24th Floor Records/Cloud Cuckoo Land)
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黒沢健一 (2015.2月号掲載 DI:GA interview)