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——もともとは純然たるメロディックパンクから始まったバンドだと思うんですけど、1stフルアルバム『CAVU』を聴いても明らかなように、とらわれのない幅広いサウンドが鳴っていて。もちろん、2ビートもあるんだけど、8ビートもあり、4つ打ちの曲もあり。そして、痛快なまでのポピュラリティを誇っている。

GEN（Ba／Vo）「ありがとうございます。サウンドの幅が広がったのは2013年にリリースした2ndミニアルバム『sonor』で日本語詞を書くようになってからですね。ただ、その前からすごくポップな曲を鳴らすバンドではあって。メロディだけだったらポップスに負けないくらいのキャッチーさのあるメロコアを鳴らしていたという自負はあります」

——GENさんはホントに卓越したメロディメイカーだと思うんですけど、これまでいろんな音楽を吸収してきたんですか？

GEN「そうですね。ヒップホップも聴くし、シティポップと呼ばれるようなバンドも好きだし、ピアノ1本だけ鳴ってるようなインストも聴きます。基本的にどんなジャンルでも自分の好きなポイントに引っかかればハマるんですよね。音楽全般が好きというか。そのうえで自分で音楽を表現するなら、初期衝動や疾走感に身を任せたいと思ってこういうバンドをやっているという感覚で」

——2011年にKOUHEIさんが加入して現体制になったんですよね。

GEN「KOUHEIがバンドの変化に影響を及ぼした部分も大きいです。彼はメロディックではないバンドでずっとドラムを叩いていたので、すごく歌を意識したアプローチをしてくれるんですよ」

KOUHEI（Dr／Cho）「最初にこのバンドを客観的に見たときに感情むき出しではあるけど、ホントにへたくそだなと思って（笑）。でも、だからこそ『もっとこうしたほうがいいのに』というイメージが湧いた部分があって。加入してから徐々にリズムのアプローチやギターの刻み方にも口を出すようになったんです。それにつれて今の自由なスタイルになっていったのかなと」

——バンドの動きとしては、ここ2年くらいで上昇気流に乗ったという感じなんですか？

GEN「まさにこの2年くらいですね。やっぱり『sonor』をリリースしたことが大きかった」

RYU-TA（Gt／Cho）「それまではライブをやっても全然お客さんが来なくて。メロコア界隈でも異端だし、どこかフワフワしていたんですけど。『sonor』で自由なアプローチをしていく方向性が定まって、この『CAVU』でさらに幅が広がったと思います」

——4月から7月まで続く長いツアーが始まりますが、ファイナルシリーズの東京公演は恵比寿LIQUIDROOMです。

GEN「リキッドルームというハコは昔から憧れていたし、ワンマンとしてはバンドのキャリアのなかでも最大キャパです。でも、今なら即日完売できると思うんですよ」

HIROKAZ（Gt）「ちょっと前ならかなりビビってたと思うんですけど、今なら堂々としたライブができると思います」

GEN「うん。ちゃんと倒せるハコというか。ツアーを回って『CAVU』の曲をしっかり育てて、自分たちの身体に染み込ませてリキッドに臨みたいと思います」