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GAKU-MCにはいくつもの顔がある。90年代初頭の日本語ラップ創成期に活躍したラッパー。2000年代には桜井和寿（Mr.Children）と組み、現在はウカスカジーとしても活動。ライブではアコースティック･ギターを弾きながら歌うミュージシャンでもある。その彼が熱心に取り組んでいる活動の一つが、“アカリトライブ”と名づけたライブ・イベントだ。

「みなさん覚えてると思うんですけど、震災があった時に、僕らの仕事が全部なくなりましたよね。自粛しましょうということで。すぐにテントを持って宮城県に行ってボランティアをしたんですけど、“自粛しなくてはいけない仕事をしていたって、何か貢献出来ることはあるはずだ”という思いがずっとあって、それで始めたのがアカリトライブ。日本全国を回って、キャンドルにメッセージを書いてもらって、それを音楽と一緒に被災地に届ける。そこで広がった出会いや気持ちがたくさんあって、今回の曲が出来たのもこの活動のおかげなんですね」

今回の曲というのは、ニューシングル「希望のアカリ」のこと。6月26日に東京国際フォーラムで行われる“J-WAVEアカリトライブ2015”のテーマ曲として書き下ろした、軽快なリズムと明るいコーラスが印象的な曲だ。

「震災復興のために、心に響くようなバラードの名曲を……とか思ってたんですけど、全然そんな気持ちになれなくて。4年やったからこそ、やっぱり音楽はただただハッピーじゃなくちゃいけない、前向きでないと続けられないと思ったし、僕が真面目な顔で歌っても何か違うなと。薄っぺらく聴こえてもいいからハッピーな曲にしたい!ということで、こういう曲になりました」

当日の共演は、ナオト・インティライミとC&K。GAKU-MCは出演者として、バックバンドの一員としてアコースティック・ギターも弾く。

「人の曲をギタリストとして弾くと、本当に勉強になるんですよ。ただコピーするのと違って、自分のものにしなきゃいけないから、引き出しがいっぱい増えて行く。もともと僕はヒップホップの雑食性が好きなんですね。全然違うジャンルをサンプリングして自分たちのものにして行く、あの雑食性が。Mr.Childrenからも、アメリカのヒップホップからも、後輩のミュージシャンからもいっぱい刺激を受けるし、芸歴や年齢とかではなくて、いいなと思うものからいつも影響を受けたいなと思ってます」

そんな彼が、気合満点で臨むのが7月から始まるひとり弾き語りツアー。“独ガク～旅語り2015～”は、まさにライフワーク。GAKU-MCにしか出来ない、新しい形のフレンドリーなライブになるはずだ。

「今の目標は、47都道府県に一か所ずつライブが出来るお店と出会うこと。最近よく旅をするので、旅っていいぜという話もまじえながら、プロジェクターを使って映像に合わせながら歌ったり、楽しんでやれたらいいなと思ってます。カフェが多いので、座ってゆっくり見られますし、中には地べたに座るとこもありますけど(笑)。いい雰囲気の場所ばかりなので、ぜひ遊びに来てほしいです」