あれもこれも語っちゃいます♥ しょこたんスタッフ全員集合!!
あれもこれも語っちゃいます♥ しょこたんスタッフ全員集合!!


しょこたんのLv.30バースデーライブ『超☆貪欲生誕祭 30だお!全員集合!!』の開催を記念して、中川翔子の歴代スタッフが全員集合!

今だから言える、超盛り上がったあのライブのしょこたんの本音から、ヒット曲の裏側で起きていたオトナの事情まで。歌手デビューを果たした2006年から今日まで、中川翔子が生きた証を振り返るギザ!

開設当初から現在に至るまでファンクラブ「ギザ♡ぴんく」を担う吉田みか、ほぼ全曲の振り付けを担当するカリオグラファー・木下菜津子(通称「なっちゃん」)、デビューから多くの作品を手掛けている映像ディレクター・池田圭太。そして、歌手デビューから『UCHI-SHIGOTO,SOTO-SHIGOTO!!』をリリースした2013年までソニーミュージックのA&Rとして務めた柳真努加、2006~2011年までチーフマネージャーを務めた市川康久と、中川翔子を知るスタッフが集合。
司会進行はデビューからプロデューサーを務め現在はチーフマネージャーを兼ねる吉田雄生、そしてテキストは昨年まで現場マネージャーを担当していた矢島由佳子でお送りします。

――みなさん、今日はお集まり頂きありがとうございます。21歳で歌手デビューした中川翔子も、今年ついに30歳を迎えます。これを機に、初ライブから振り返りたいと思うんだけど、『中川翔子1stコンサート〜貪欲☆まつり〜』(2008年)のことは覚えてる?

吉田みか
吉田みか

みか:当日の楽屋は最悪でしたよ。翔子ちゃんがあまりにも緊張していて。

市川:本番前に、「私、できない!」って大泣きしたんですよね。散々泣いた後、「スッキリした」って言って、ケロっとした姿でステージに出ていった。

全員:(笑)。

なっちゃん:翔子ちゃん、ホントそういうところありますよね。

みか:ステージに出たら、思いっきり楽しんで帰ってきますからね。

:そういう意味では、俺が一番記憶に残ってるのは、ロサンゼルスのNOKIA THEATERでやったライブ(『アニメエキスポ’08』)ですね。本番前に、吐きそうなくらい青ざめた顔をしてたんですよ。だって、日本でも最大1900人の前でしかライブをやったことのない子が、アメリカの7000人規模の会場で、しかもマイケル・ジャクソンの追悼式に使われたり、『アメリカン・アイドル』(全米で放映されているアイドルオーディション番組)の決勝戦をやってるような場所でライブをやるって、普通に考えたら頭おかしいですよね。

みか:「これ、大丈夫かな?」って、開演10分前まで怖かったよね。

:始まる前は、本人も相当ビビってるし、お客さんもほとんど入ってなかったから、「まじでやばいな」と思ったんですけど、ライブをやっているとどんどんお客さんが入ってきて、途中から鳥肌立ってゾクゾクしました。最終的には満員になって嬉しかったな。ロスのライブに限らず、中川翔子のすごいところって、ライブが始まる前までは本当にダメそうな顔をしてるのに、始まると変身するところですよね。これまで色々なアーティストを担当してきましたけど、彼女以上にライブが始まる前とステージに立ってスイッチが入った時とで顔が変わる人は、誰もいない。

――そうだよね。でも、ライブで起きたトラブルを挙げたら、たぶん全ツアーあるんじゃない?

みか:結膜炎になったり、声でなくなったり、お尻の骨折ったりね。

――2010年の武道館ライブについては、どんな思い出がある?

:武道館はやっぱり印象深いですよね。終わったら燃え尽きました。

市川:武道館は、1つだけ裏話があって。

:え、何?

市川康久
市川康久

市川:実は、開催するのを1年遅らせてるんですよ。中川が、最初のツアー(『中川翔子コンサートツアー2008〜貪欲☆まつり〜』)が終わった日に、「私、武道館やりたいです」って俺に電話をかけてきて。1時間半くらい話して、「1回ツアーをやったくらいで、次に武道館をやってしまったら、そこで燃え尽きるよ。やりたいのはわかるけど、今ここでやったら、もう目標なくなるぜ」って、本人をものすごく説得したんです。それで、しぶしぶ了承してくれたんですよね。その後、翌年『中川翔子 マジカルツアー 2009~WELCOME TO THE SHOKO☆LAND~』が成功した後に、満を持して武道館ライブの開催を決めました。

――武道館ライブの本編ラストにやったのは、“「ありがとうの笑顔」”だよね。

:めちゃくちゃ良かったですよね。

市川:武道館ライブの“「ありがとうの笑顔」”の時は、感極まって泣いてました。

――実は、ライブでは武道館以来ほとんどこの曲を歌ってないんだよね。でも、今回のバースデーライブでは久しぶり歌おうと……。

全員:おおお!

みか:全然ライブで歌ってない曲ですよね。

市川:『中川翔子 マジカルツアー 2009〜WELCOME TO THE SHOKO☆LAND〜』の名古屋公演で、声がでなくなった日は一番地獄でした。1度、中止を決めたんですよね。それで、(ワタナベエンターテインメントの)社長に報告として電話をしたら、「何考えてんのよ! そういう時にこそやるべきよ!」って叫ばれて。その後、もう1回中川と話して「やっぱりやろう」って言って、30分開演時間を遅らせて開催することにしたんですよね。お客さんも、なかなか会場が開かないし、ブログも全然更新されないから、「何かあったんじゃないか」って薄々気付いていて。だから、ステージの幕が開く時の会場全体のあの異様な空気とか、何とも言い表せないドキドキは、“Spiral”(その日1曲目に演奏した曲)を聴くといまだに思い出します。

――“Spiral”は、今年のバースデーライブでやるよ。ただ、4公演中1回しかやらないけどね。どこでやるかはお楽しみ。ライブではあんまり歌ってないけど、スタッフのあいだでは人気の曲だよね。

なっちゃん:好きー!

木下菜津子(通称「なっちゃん」)
木下菜津子(通称「なっちゃん」)

――なっちゃんは、一番記憶に残ってるライブってどれ?

なっちゃん:ライブは、1回1回精一杯過ぎて、記憶がないです(笑)。

――中川翔子の踊りの技術は、この9年間で変わった?

なっちゃん:すごく変わりましたよ! 運動音痴だったけど、今回のライブなんて1か所ダンスのパート作ってますからね。翔子ちゃんもすごく楽しんでいるし、お客さんにも面白がってもらえるんじゃないかな。翔子ちゃんの振り付けは、いつも自由にやらせてもらってるから、面白いですね。

――“rainbow forecast”の名作の振り付けは、どうやって生まれたんだっけ?

なっちゃん:あれは、“rainbow forecast”のPV撮影の3日前くらいに、柳さんから「ごめん、振り付けして」って電話がかかってきて、撮影当日の朝に振り付けしたんだよ!(笑) でも、その後、武道館ライブのリハの時に、市川さんから「あの振り、全然変えてもらってもいいですよ」って言われて、「全然気に入ってもらえてないじゃん!」と思って一瞬傷付いたんです……でも、「これ、絶対お客さんと一緒にやったら面白いから」って言って、そのままゴリ押ししてライブでやったら、ファンのみんなも盛り上がってくれたから安心しました。

――それが今では、みんなで盛り上がれる定番曲になってるもんね。“涙の種、笑顔の花”をライブでやると、必ずファンのみんながオレンジのペンライトを照らしてくれるじゃない? あれはいつから始まった?

池田:『中川翔子 マジカルツアー 2009〜WELCOME TO THE SHOKO☆LAND〜』じゃないですか?

――そうか。そう考えると、2008年の初ツアーから2010年の武道館ライブの間に、今日まで繋がるターニングポイントがたくさん詰まってるね。

市川:その頃のお客さんの盛り上がりは、いまだに覚えてますね。

:それに、こうやって振り返ると、中川翔子って『グレンラガン』そのものですよね。最初は臆病だったけど、だんだん経験を積んで座長になっていく様が、『グレンラガン』と全く一緒。中川翔子は生きる『グレンラガン』だなって思います。

池田圭太
池田圭太

――みんなが一番好きな曲ってどれ?

池田:俺、ライブで聴きたい曲があるんですよ……“starry pink”(1stアルバム『Big☆Bang!!!』収録)。

市川:“starry pink”は、中川が初めて歌詞を書いた曲なんですよね。中川って、ケータイで作詞して、完成した歌詞をメールで送ってきてくれるんですけど、“starry pink”ができた時に送ってくれたメールをずっと保存してたんですよ。でも、こないだケータイが雨で水没して、ついになくなっちゃった……。

全員:えええ!

:“starry pink”は、最初のライブで、彼女がステージから見た風景を歌詞にしてるんですよね。<一秒ごとに違う景色で 君と刻む奇跡のメロディ>って。

みか:ファンクラブイベントの客出しの時には、いつも“starry pink”をBGMとして流してます。“starry pink”を流すと、ファンが泣くんですよ。

――“starry pink”、今からバースデーライブのセットリストに入れようか?

なっちゃん:入れましょうよ!

――なっちゃんが、一番好きな曲は?

なっちゃん:“Brilliant Dream”を最近聴き直してたけど、やっぱりいい曲ですよね。

――デビュー曲、いい曲だよね。2ndシングル“ストロベリmelody”は、みんなどういう思い出を持ってる?

:この曲は、当時「中川はどういう曲を聴くの?」って本人に聞いたら、「松田聖子さんとSOUL’d OUTです」って言われて。その振り幅の半端なさに、「なんじゃそりゃ!」って思ったんですよ(笑)。それで、SOUL’d OUTのShinnosukeさんのところに飛び込んで、「松田聖子さんみたいな曲を作ってください」って言ったんですよね(笑)。

全員:(笑)。

:でも、この曲をリリースした後、実は事務所から「中川翔子、もう歌手活動やめさせてもいいんじゃない?」って言われたんですよね。それにムカついて、「しっかり売ってやる」と思って作ったのが“空色デイズ”。

――「歌手をやめさせろ」と言った人がいたおかげで、“空色デイズ”があるんだ。時には、反対意見も大事ってことだね。

なっちゃん:いい話!

:空色デイズの時は、「アニメのタイアップをつけて、中川翔子のファンになってくれるヲタを増やしましょう」って言ったんですよ。当時、中川って女の子のファンが多いイメージがあったから、「男のファンが増えても問題ないですか?」って市川さんに相談したのを覚えてる。それで、「もちろん、全然いいじゃん」って言ってくれたんだよね。

――“空色デイズ”って、CDの歌声と、今ライブで歌う声と、全然違うじゃない。いつ変わった?

みか:そうですよね。いつだろう……。

柳真努加
柳真努加

:“続く世界”の時(2008年)かな? この曲で、極端に低い声が出るようになったんですよ。でも、初めてのツアーの間にもどんどん変わっていて、「ライブをやっていくと、曲も変わっていくね」って中川と話をしたのを覚えてます。

――“空色デイズ”でロックな中川翔子を見せた後、バラードを出そうって話になったんだよね。それでリリースしたのが、“snow tears”。

:この曲は、「『泣ける曲』『カラオケで歌える曲』『あゆ(浜崎あゆみ)』を作れ」って、レーベルのトップから命令があったんですよ。レコーディングの時、この曲があまりにも難しいし、本人もまだバラードを歌い慣れてなかったから、「歌えない」って中川が1回ギブアップしたんですよ。それで、市川さんがブチ切れたんですよね。「お前、こんなに大人たちが困ってんのに、なんでできないんだよ!」って(笑)。

市川:正確に言うと、「やるんだよ!」って言ったね。

:そして、泣きながら歌ったんだよね。中川翔子の曲作りで一番印象深いのはこの曲かな。

――“snow tears”って、実はライブではあんまり歌ってないんだよね。なぜかと言うと、あまり冬にライブをやってないから。でも、今回は歌う予定。

みか:“snow tears”は、オリコンチャートでデイリー1位、ウィークリー2位を獲った、一番売れた曲でもありますよね。

――なっちゃんが初めて振り付けした楽曲って何?

なっちゃん:翔子ちゃんに初めて会った日に振り付けをやったのが“pretty please chocolate on top”。実際に会うまで、どれくらい踊れるかもわからなかったし、翔子ちゃんのことをテレビの中でしか知らなくて、実際どんな子なのかもわからなかったから、とりあえずサビだけ振りを用意していって、それ以外のパートは会った当日に振り付けを作りました。

――そうだったんだ。“rainbow forecast”と“pretty please chocolate on top”は、名作ですよね。

市川:超名作ですよ。

――俺、“RAY OF LIGHT”は「Aメロが低すぎるから変えてくれ」って、リリースする前にずっと言ってたんだよね。当時は歌唱力がなかったから上手く歌えてなかったんだよ。でも、最近はその低いAメロも歌えてる。今回のライブで、そこにも注目して聴いてほしいね。

:あの曲も中川が作詞してますけど、あの時は、自分のお父さん(中川勝彦)と『鋼の錬金術師』のストーリーがかぶってたから書けたって言ってましたね。

――中川翔子って、ある種ノージャンルというか。ロック調の“空色デイズ”のカップリングに、アイドルソングっぽい“みつばちのささやき”が入ってたりして、「ロック」と「アイドル」が共存している。それは、ある意味彼女の特徴だよね。

なっちゃん:幅広いですよね。

矢島由佳子
矢島由佳子

みか:ファンの人は、「ロック」か「アイドル」、どっちが印象強いんでしょうね?

市川:お茶の間のイメージはやっぱり「アイドル」だから、“空色デイズ”とかのロックなイメージと、しょこたんのイメージがマッチしていない人は多いと思う。ただ、ロックは彼女にとって「宿命」だと思うんです。お父さんから預かった生きる命題みたいなもの。そして、彼女自身から出てくるものとしてやるべきなのが、「アイドル」の方。

――今回のバースデーライブは、LEDパネルを4面使って、ライブ会場がバラエティー番組になっているという体でやるんですよ。秋のツアーではロックでガンガンやったけど、中川翔子はバラエティー番組の人でもあるから、それを象徴したくて。

市川:いいですね。

――ぜひ市川くんや柳くんも観に来てください。最後に、Lv.30になる中川翔子にメッセージをお願いします。

市川:30歳になっても、アイドルっぽさは忘れてほしくないな。40歳になっても「アイドル」って言っていい世の中になってきているから、そこから逃げない方がいいんじゃないかな。

:僕も、中川は引き続きアイドルとしてやっていってほしいなと思いますね。松田聖子さんも、「年齢はただの数字だ」と言ってますから(笑)。彼女は、最終的に水森亜土さんみたいになってほしいってずっと思ってるんですよ。中野ブロードウェイのお店も続けてほしいし、音楽界とも芸能界ともちゃんといいバランスでやっていける人だと思っているので、一生この世界で生き続けてほしいです。これからも、彼女がやりたいこと、叶えたい夢を、どんどん見つけて実現してほしいと思いますね。

(TEXT BY:矢島由佳子)