アクロバットミュージカル『アメージング八犬伝』インタビュー 第1回は<サムライ・ロック・オーケストラ>の主宰者・池谷直樹

インタビュー | 2017.04.11 18:30

サムライ・ロック・オーケストラ

モンスターボックスでおなじみ池谷直樹(いけたになおき)率いる<サムライ・ロック・オーケストラ>は、各ジャンルのトップアスリートたちを集めてアクロバットミュージカルを上演するエンターテイメント集団だ。
彼らの最新公演にあたる『アメージング八犬伝』が、2017年4月28日(金)、29日(土)に、ディファ有明にて開幕される。舞台のモチーフとなっているのは、江戸時代後期に曲亭馬琴(滝沢馬琴)によって著わされた大長編読本(小説)『南総里見八犬伝』。全98巻、106冊、完成までになんと30年近くを要したという同作は、宝玉と牡丹(ぼたん)形の痣を持つ八人の男たちが因縁に導かれて集結し、活躍する姿を描いた壮大な物語だ。
今回は、そんな『アメージング八犬伝』の稽古場に潜入!出演者の意見を取り入れつつ、アクロバットを交えた振付を完成していくハードな稽古を見学しつつ、八犬伝で重要な役どころを演じる3名へのインタビューを敢行した。その第1回目は、総合演出であり八犬士の一人、犬山道節(いぬやまどうせつ)を演じる池谷直樹に、『アメージング八犬伝』の魅力、そして<サムライ・ロック・オーケストラ>について語っていただく。

インタビュー/吉田大
写真/堀清香

サムライ・ロック・オーケストラ

新感覚エンターテイメント集団<サムライ・ロック・オーケストラ>

 ──あらためてお聞きしたいのですが、サムライ・ロック・オーケストラとは、どんな集団なのでしょうか?

サムライ・ロック・オーケストラは、元アスリートの集団ですね。子供の頃からスポーツをやってきた人たちの多くは、現役を引退した後に経験を活かしてご飯を食べていくことが難しいんです。そういった現状の中で、スポーツの経験をエンターテイメントに昇華して、皆さんに見てもらおう、と。つまりアスリートのセカンドキャリアの場を作りたい、という思いで立ち上げました。このようなベースがあるので、舞台という共通点はあるものの、他の演劇や芝居とは全く違うエンターテイメントですね。様々なジャンルのスポーツをとりいれた演技が観られるというのが、サムライ・ロック・オーケストラならではの特徴です。

──具体的にはどういったジャンルのアスリートさんたちが参加されてるんでしょうか?

例えば、体操、男子新体操、女子新体操、トランポリン、ラート、ポールダンス、フラッグ、後はローラースケート・フィギュアの人もいますし、元フィギュアスケート選手で現在はスポーツキャスターの浅田舞さんにも参加してもらっています。あとはチアリーディング、バトントワーリング。もちろんダンスもあります。主に「採点競技」と呼ばれるものをやってきた人たちです。

サムライ・ロック・オーケストラ

──非常に多岐に渡ってますよね。今回のサムライ・ロック・オーケストラは『南総里見八犬伝』をモチーフにされているとのことですが、どのような内容となるのでしょうか。

皆さんも『八犬伝』ってタイトルは、何となくは聞いたことがあるんじゃないでしょうか?内容についてもなんとなくイメージ出来るんじゃないかなと思います。もちろん僕らは『八犬伝』のストーリーについて勉強しましたけれど、これが中々複雑なんですよね。そのストーリーを僕たちなりに演じていくという形です。もちろん原作を尊重しつつ。

日本の作品を選んだのは「作品をガラッと変えたい」という思いがあったから

──昨年は『ふしぎの国のアリス』をモチーフにした公演を行われていましたが、今年『八犬伝』を選ばれた理由というのは?

実は、今年も欧米作品をモチーフにしようと思っていたんですよ。でも、やはり『ふしぎの国のアリス』に似てしまう部分が出て来るんですね。「作品をガラッと変えたい」という思いもあったので、今回は日本の作品にしようということになりました。で、これまでは女性が活躍する話が続いていたんです。そこも変えないと、これまでの公演と同じような感じになってしまう。だから今回は、男たちがメインに活躍出来る作品にしました。しかも「主役になれる男たちは沢山いた方が良いな」と思いまして、8人の男たちが主役となる『八犬伝』がピッタリなんじゃないかと気付いたんです。ですから今回のストーリーでは、男が善玉、女が悪役という構造になってます(笑)

──池谷さんが演じるのは、<犬山道節(いぬやまどうせつ)>役です。どういったキャラクターなのでしょうか?

<犬山道節>は、八犬士の一人で火の使い手です。僕の配役については、<ヽ大(ちゅだい)法師>はじめ二転三転しまして、やっと道節に落ち着いたという形でした。
配役を決めるのは結構大変なんですよ。というのも僕たちの舞台というのは、ストーリーを進めるにあたって台詞というものがない。かと言ってルックスだけで決めるわけにも行かない。何を見て決めるかというと、どんなスポーツが出来るかなんです。これが結構難しいんですよね。全体の構成を組み立てつつ、役を振り分けていかなければならないので。

サムライ・ロック・オーケストラ

池谷直樹演じる<犬山道節>

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サムライ・ロック・オーケストラ「アメージング八犬伝」

4月28日(金) ディファ有明
4月29日(土) ディファ有明 ※1日2回
5月28日(日) 熊本県立劇場 演劇ホール
6月10日(土) 富山県民会館
6月18日(日) 三重県総合文化センター
6月24日(土) レザンホール(塩尻市文化会館)大ホール
8月27日(日) 新潟テルサ
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※公演情報はオフィシャルサイトにてご確認ください。

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