日本の音楽シーンに戦いを挑み続ける野心的なバンド、I Don’t Like Mondays. 2017年のビジョンを投影したE.P.『SUMMER』とリリースパーティーの展望を語る。

インタビュー | 2017.05.19 12:00

I Don’t Like Mondays.

インタビュー/三宅正一

僕らはバンドというイメージから先行する垣根をなくすために様々なアプローチをしていたんですけど、だいぶ誤解されてるなと。(悠)

──ニューE.P.『SUMMER』で初めて音源を聴かせてもらったんですけど、アー写から受ける印象と音楽像に距離感があって、それも込みで面白かったです。

悠(Vo.) どういう距離感がありました?

──いや、アー写から受ける印象ではストレートなロックサウンドを鳴らしているバンドなのかなと思いきや、その実、サウンドプロダクションは実に幅広くて。1曲目「On my way」こそストレートですけど、そこからどんどんオンタイムなブラックミュージック、EDMやトロピカルハウス、「TONIGHT」のリミックスなんかはベースミュージック然とした音が鳴っていて。すごく戦ってるバンドなんだなと思って。

秋気(Dr.) 確かに戦ってますね(笑)

 日本の音楽シーンとね(笑)

──野心的なバンドであるという自覚もありますよね?

謙二(Ba.) ありますし、そう言ってもらえるとうれしいです。

 でも、この新しいアー写を見てロックバンドと思われるんだね。よかった。というのも、『SUMMER』を制作する前に去年の年末から2017年はどう動いていこうかという話し合いをみんなでしていて。1stアルバム『TOKYO』、2ndアルバム『FASHION』とリリースしてきて、その流れはどちらかと言うとチャラいイメージが先行していたんです。アートワークやMVも含めてパーティ感が強かったり。僕らはもともとバンドのフォーマットにとらわれたくないという思いを強く持っていて。バンド音楽が好きじゃない人も楽しめるサウンドを作りたいし、ライブハウスに行ったことのない人にもライブに遊びに来てほしいという思いがあるんですね。それで、今までは極力バンド色を消していたんです。そしたら「おまえらホントに自分たちで曲を作ってるの?」とか「ホントに自分たちで演奏してるの?」という声があって。そこで「あれ?」と思ったんですよね。僕らはバンドというイメージから先行する垣根をなくすためにそういうアプローチをしていたんですけど、だいぶ誤解されてるなと。もちろんサウンドを聴いて判断してくれる人もいるんですけど、なかにはビジュアルを見ただけで「こいつらはアイドルバンドね、はいはい」みたいなリアクションもあって。今まではそういう声を無視してきたんです。でも、僕らが次のステップに行くためには一旦今まで押し出してこなかったシリアスな面やストレートな面を出すことも必要だなと思ったんです。今だったらそれができると思ったし。デビューのタイミングでストレートなアプローチをしていたらもう戻れないと思うんですよ。でも、僕らはどちらかと言うとふざけたことをやってきたので、今ならバンドの一面としてストレートに振り切れるなと思ったんです。

秋気 僕らが尊敬しているブルーノ・マーズやマルーン5などの海外アーティストは、僕らのような戦い方が受け入れられる土壌があると思うけど、日本にはその土壌がないからこそ戦い甲斐があるなと思ったんですね。でも、現状はまずバンドというイメージを定着させないとそもそもギャップも生まれないと思って。

 そう、最初からギャップで攻めたからね。

秋気 わかりやすいバンド像をまず固めて、そこから徐々に崩していきたいなと思ってます。

──なるほど、そういう流れがあったんですね。

 たとえばローリング・ストーンズのようにおじいさんになっても同じスタイルを貫き続けるバンドの美学もすごくカッコいいと思うんですけど、僕ら4人、特に僕はかなり飽き性なので(笑)、ずっと同じことをやり続けると飽きちゃうんですよね。そうならないようにいろんなことにトライしていきたいし、新しいサウンドも提示していきたいんです。『SUMMER』もストレートな曲もありつつ、おっしゃっていただいたようにサウンドとしてはかなり振れ幅があって。そこはやっぱり普通のバンドでは取り入れないサウンドを提示したいという、いい意味での天邪鬼なところが出ていると思います(笑)。今後はフィーチャリングにラッパーを迎えてみたいよねという話も出たりしていて。

ただ流行ってるからEDMを取り入れるムーブメントがあったけど、そういうのが一番イヤで。僕らが普段から好きだから取り入れるのが重要。(秋気)

──音を聴いて、ダンスフロアの夜遊びをちゃんと知ってる人たちなんだなと思いましたね。

一同 (笑)

秋気 ちょっと前までただ流行ってるからEDMを取り入れるムーブメントがあったと思うんですけど、そういうのが一番イヤで。今回も「TONIGHT」のリミックスをやってもらったんですが、元々「TONIGHT」の原曲自体、DJがフロアでかけるような音作りを意識しているんですが、そうやって、そういった音楽を僕らが普段から好きだからこそ、取り入れているということが重要だと思ってます。

──それはブラックミュージック的なアプローチもしかりですよね。

兆志(Gt) どちらかと言うと、今はファンク色が強いですよね。最初はガレージロックやUKロック寄りのサウンドを鳴らしていたんですね。そこからいろんな経験をして、今のようなスタイルにたどり着いて。僕自身はこういうサウンドのギターを弾くようになるとは思ってなかったんですけど、やっぱりマイケル・ジャクソンやプリンスも好きだし、もともとギターを弾くことが好きだから柔軟にプレイできているという実感がありますね。

──ファッションの世界との繋がりもすごく意識的ですよね?

 そもそも往年のロックスターたちってファッションと密接に繋がっていたわけじゃないですか。だからファッションもカッコいいバンドであることはすごく重要だと思っていて。でも、日本だとバンドが「ファッション」と口にするだけで薄っぺらいと思われがちなところがあって。「それは違うよね」って思うんです。だからファッションとも堂々と関わっていきたいと思ってます。

──曲はどのような行程を踏んで作り上げてるんですか?

 けっこう特殊だと思います。最初にみんなでどういう曲を作るか話し合うんです。

──まず設計図を描くと。

 そうなんです。メンバーのルーツがバラバラだからこそ、そういう作り方がハマるんですよね。いろんなジャンルの音楽を聴くメンバーの集まりなので、共通して好きなバランスを見つけ出すのがバンドにとっての正解だと思っていて。でも、それを見つけ出すまでが大変で。だから、曲作りにはかなり時間をかけてますね。歌詞においては洋楽と邦楽の架け橋になれるようなバランスを意識してます。ようやく独自のスタイルが築けてきたなと思ってます。

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I Don’t Like Mondays. 

E.P. 『SUMMER』Release Party

6月7日(水) 東京・DAIKANYAMA UNIT≪Thank You, SOLD OUT≫
6月9日(金) 名古屋・JAMMIN'
6月13日(火) 大阪・Shangri-La
>>> 詳細はオフィシャルサイトにてご確認ください。

Shimokitazawa SOUND CRUISING 2017

5月27日(土) 下北沢周辺16会場以上 同時開催
>>> 詳細はオフィシャルサイトにてご確認ください。

関連リンク

RELEASE

E.P.「SUMMER」
(日本コロムビア)
6月7日(水) SALE
※初回完全限定盤(CD+DVD)、通常盤(CD)

※初回完全限定盤
※通常盤