VANIRUの一夜 VOL.03[最終回] ~音~【ゲスト:YOW-ROW】

インタビュー | 2016.05.16 19:00

皆さん、ふたたび、VANIRUのギタリスト YUTOです。
奇数日更新の『33の質問』に続く新企画、
題して、、、「VANIRUの一夜」!!
ここでは、VANIRUに関わるスペシャルな方々をお招きして、
LEOさんとゲストとのアツイ対談の模様を“3回”お送りします。
(今回もインタビュアーは僕です…)
これまで一度も話したことのない、とってもディープなお話をお届けしたいと思ってます!
それでは、スタート! お楽しみください!!

 

VANIRUの一夜 VOL.03[最終回] 〜音〜【ゲスト:YOW-ROW】

某日雨のない夜、都内某所ミラーボールが煌めくラウンジバーでこの対談は行われた。新曲「ISOLΛTION」のリアレンジでVANIRUとのコラボレーションに初参加したYOW-ROWの、リアレンジするときの意識と音楽にかける情熱とは何か。熱きトークは、ショウ競演へとイメージが膨らみ…

 

YUTO 早くも3回目、いよいよ最終回になってしまいました。最終回のゲストは、ISOLΛTIONのリアレンジをしていただいた、GARIのボーカリストで、アレンジャーのYOW-ROWさんです!(パチパチパチパチ!)僕はじめてお会いするのですが、、、

YOW-ROW 実は、昨年ライブで1回見てるのよ。VANIRUのことは、勉強不足で知らなかったんだけど、ラストの曲を聴いてたんですよね。だから初対面ではないの、ふたりのことは見てたの。楽屋でも見かけてて、大先輩が多い中でね。(笑)出会いはそれが最初。

Y 今回ISOLΛTIONのリアレンジをして頂くにあたって、僕はお会いせずにお願いするカタチだったんですが、まずVANIRUの音は、どんな印象でしたか?

YR 今回のお話をもらったときに、どんなバンドなんだろうなと思って、You Tubeでざっくり聴いて、と同時にISOLΛTIONの原曲のラフミックスも聴いて、その時点で方向性もビジョンもしっかり見えたし、それでいて、そうでないものを要求されているなというのも理解できたので、感覚的にやり易かったですね。

image1

YOW-ROW

Y やりづらさはなかったですか?

YR いや全然!原曲はCUBE JUICEがやってて。彼とは実は同期で、デビューも同じ時期、同じセクションで一緒に頑張ってた仲間なので、ISOLΛTIONを聴くと当然CUBE JUICEと違うところに行かないとしょうがないな、と。彼の作品自体がよくできているので、どこか違う場所探しっていうのは、自分なりにすごくしましたよ。

LEONEIL もっと旋風を起こしたいな、と思ったときに、これはYOW-ROWさんだと。

YR そう。多分同じことを考えていて、僕もVANIRUというフィルターを通して、僕がやっているサウンド感が全然違うところに届くことが、新しい一つの命題だった。もちろん行きたいからやるんだろうし、気持ちは一緒でさ、お互いいい意味でシナジーしていると思うんだよね。そこの部分が音に乗っかっていると思っている。家で爆音で歌だけかけてギター弾いたり、シンセサイザー弾いたり、リズムを持ち込んでみたり、一晩二晩ずっとやり続けて着地してはいるんだよね。

Y 期待したもの、想像していた以上のものが返ってきたので、一発OKだったんですよね。

YR アーティストと関わるときに、まず何をしなきゃいけないかと言うと、依頼した人たちを驚かせないとしょうがないじゃない?同業者をどううならせていくかを考えるし、そういう仕掛けをたくさん楽曲の中に置いてある。普通に聴かす場所なんかいるものか、と思っているから。

L 音が、イカレてた(笑)。

YR 原曲とは違う世界に、同じメロディーを以てして、持って行く作業は、違う人に成り代わりながらやりますね、僕は。VANIRUでもCUBE JUICEでもない世界観に、いいものにどうやったら到達できるか、ポジション争いをする感じ。(笑)

L それがすっとカッコいいと思えるのは、コアな部分が、少なからずシンパシー感じるところが、多分お互いにあったからだろうし。深く話しをしなくても、感じ合える部分があったから。

 

VANIRUの世界観

Y あの曲が、YOW-ROWさんの中に何かを与えることはできましたか?

YR VANIRUの世界観というのは、本人達が意図している、していないは別として、聞く人の中には80年代とか、ニューウェーブとか、そういったところを踏んでいった音楽のように感じる人がおそらくいるであろう中で、僕は、そこから派生したダンスミュージックやEDMとか、2016年の今に引き戻す作業をしたかった。ずいぶん前のサウンドに感じるような音にあえてしているものをもう一回タイムスリップさせて、2016年の一番新しいサウンド感にしてみたかったんだよね。

Y 刺激し合って、新しい世界観を作っていけるって、いい関係ですよね!出会いは必然!

YR まさにそれは思っていて、多分全然違うところにいても、同じような価値観を持っている人は、3年後か5年後か10年後かわからないんだけど、おそらく同じところにクルんだよね。

Y 出会うタイミングが今だったのかもしれないですね。

YR 同じ感覚であれば、時間が経っていたとしても、どこかで会ってて、なんかやろうっておそらくなってただろうし、動いていただろうね。

L うん。

YR なんらかの影響を与えないと意味がないと思うの。音楽をやる上で、次の世代に、智慧をちょっとだけ持っている僕らは、何かしら与えて行くべきだと思ってて。ふたりが思う今日までの絶対とか、これがすべてだとか、音楽ってこうだよね、を覆したいとも思う。俺はずっと誰かに目覚めさせられて、昨日までの価値観を覆させられた。今でもそうだから、自分も何かのきっかけに、誰かの違う何かを開いた、そんな存在になりたいと思っている。VANIRUがやろうとしている音楽の世界観は、今の主流、王道ではないかもしれない。そこに乗っかる方が楽なんだろうけど、あえてそうするんだよね、二人は。僕は、そういう人たちって大変だなと思うけど、世の中で何かをひっくり返すのは、多分そんな人たちで。時代の中にから生まれてきた人、流れの上にいる人たちというのは、それが出来ないの。逆風を感じながらも、どうかひっくり返してほしいなと思うんです。

 

 5分の中で1話完結。ドラマ1本をちゃんと作りたい

Y 今お話して頂いたハート感は、音から伝わってきました。聴いたときにドラマ性がすごくて、攻撃的だけど、ドラマティックな印象でしたね。

YR 僕に与えられた時間は4分5分。アルバムに8曲入る中で、僕は、YOW-ROWが関わったということを全面に示さなければ意味がない、と思うと、1曲の中で1曲じゃ足りないんだよ。5パターンくらい見せたいんですよ。8曲合わせるとどう聴こえるかは全く考えてなくて、5分の中で1話完結。ドラマ一本をちゃんと作りたいとしか考えてないから、たとえばラストのピアノの展開もあってもなくてもいい展開なんだけど、もう1曲始まったのかしらとさえ思わせたいと。

Y もう1曲始まったのかという感覚の連続で、、、

L だからあの曲、ずっと生きてて。その瞬間ずっとうごめき続けるから、もうこの瞬間は来ないんだぞという儚さと、そこに向かう攻撃力も。

YR おっ!正にそういう感じで。1コーラス目のAメロと2コーラス目のAメロとかBメロとかが、全く同じでありたくないとさえ思ったりするので、同じ展開、同じメロディーだけど、同じビートで、同じシンセサイザーで同じリズムを刻んでいるところが、ほぼない。

L 2度と来ない瞬間、生きていく感じと同じね、この1曲で。

 

生き続ける曲

Y 挑戦というワードが、重要なんですが、かなり挑戦的な音だったので、今のお話で納得ですね。今回歌以外は自由にという依頼だったと思うんですが、僕はギターなので、ビックリしたところがあって、確かサビのギターが謎のタイミングで入ってきて、それが衝撃的でしたね。これは仕掛けてきてるなと、ワクワクしましたね、すごく。

YR それは気づいてくれて、嬉しいね。ギターを改めて弾き直すわけではないから、サビで弾いたギターが、そこじゃない場所にいるというのが、まずギターのヤツにそう思わせたいなというのがあって。ふたりの顧客満足度しか考えてないので(笑)。ふたりが満足すれば、俺の中で、お疲れっす!、なんだよね(笑)

L これは無限だろうなと。これからまだまだあの曲も、生き続ける、きっと。あそこで完結じゃなくて完成。でも、生き続けて、まだまだ。

YR そうだね。3年後5年後、ひょっとして1年後にあの曲を聴いても、気づけることがたくさんあると思う。そういうことが起きてるんだねという気づき。楽曲の理解が深まるというよりは、もろもろのロジックが解けていく感触。

Y 僕たちと今後一緒にやってみたいことってありますか?

YR あのトラックを作ったときに思ったことだけど、クラブカルチャーにどう接していくかみたいなことの引き渡しが、僕の役目だと思ってるんだ。普通に3人で、ギター弾いてる後ろにシンセサイザー5台並べてDJ卓並べてショウやってもカッコいいと思う。バンド然としたフォーマットではなく、新しいカタチでの見せ方は、絵としても音としてもカッコいいと思うよ。さっきも言ったけど同じ価値観持ってるやつは絶対出会う、同じところに集まるんだよね。

L 1曲でさえこれだけシンパシー感じるというのは、やっぱり。関係性は、これからも続いていく。

YR ね。この時代に風穴をあけてくれ…あけていこう。

Y 熱いお話をたくさん聞かせて頂きましたが、まだ始まったばかりなので、これからもいろいろコラボできれば嬉しいです!ありがとうございました!

NEW ROMANCER -ZERO-

2016年5月23日(月)
TSUTAYA O-WEST
18:30 開場 / 19:00 開演
TICKET NOW ON SALE

FAUST Presents「Upside Down」vol.2


2016年6月10日(金)
下北沢 MOSAiC
18:30 開場 / 19:00 開演
出演:VANIRU / u crack irigaru / dummy-xD
TICKET NOW ON SALE

関連リンク

RELEASE

MINI ALBUM 「ISOLΛTION」
(CJビクターエンタテインメント)
2016年5月18日 SALE

・初回限定生産盤
[CD+DVD+ブックレット]
・完全生産限定盤
["CD+DVD+ブックレット"+"Chain Reaction" Bag]
※完全生産限定盤に関してはライブ会場とCJビクターオンラインショップ限定での販売となります。