ハナレグミ × 森山直太朗 スペシャル対談!J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREEで同じステージに立つ二人。「シャイで人見知り」という似た性質も持つ二人の知られざる関係性を探る。

インタビュー | 2018.03.01 18:00

ハナレグミと森山直太朗。ともに東京出身で、世代も近く、アコースティックギターを奏でる弾き語りのソロシンガーという共通したパブリックイメージを持つ二人が、3月10日に両国国技館で開催される「J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE〜YOUNGBLOOD〜」で同じステージに立つことになった。二人はお互いの活動を、歌を、どんな眼差しで見つめてきたのか。「シャイで人見知り」という似た性質も持っている二人の知られざる関係性を探る。
──お二人は初対面ではないですよね?
永積 崇ではないんですけど、そんな密に会ってるわけでもない(笑)。最初に会ったのは10年前くらいかな。三木鶏郎さんのトリビュートライブの時に、直太朗の姉ちゃんがヴォーカルで出てて、その時に観に来てて。
森山直太朗15年前くらいじゃない?もうハナレグミをやっていて。SUPER BUTTER DOGももちろん知ってたし。ああいうファンクなバンドからソロで出た時にガラッと毛色が違って、でもたぶんもともと根っこにあるものなんだろうなと思いつつも、そうなると見え方全然違ってくるじゃないですか。僕もまがりなりにもギター1本でやってはいたから。あ、きた……って。
永積あははははは!
森山それからすぐお会いできたんでご挨拶して、そのあとはイベントで会った時に『どうも』みたいな感じで。僕は浅瀬でちょろちょろ遊ぶのが好きなんで、ウェ~イ!みたいにやってて絶対シュート打たないみたいな。出口のないコミュニケーションをずっと続けてて、で、今に至る(笑)。
永積でも去年の忘年会に遊びに来てくれて。その時にTOSHI-LOWとか、高野(寛)さんとか(野田)洋次郎とかもいて。で、最初、僕が歌ってたんですけど、みんなに無茶振りして。そしたら直太朗も歌ってくれて。
森山昭和歌謡とかちょっと懐かしい曲限定ですってことで。おおよそライブするような場所じゃないんでどんな感じなのかなと思って観に行ったら、DJブースの前で永積くんがちょっとお酒嗜みながら気持ち良くやってて。お客さんも仲間たちが集まってて。荒川良々くんが店の前で超ゲロ吐いて。
永積そうそう(笑)。あれ、インフルエンザだったらしいよ。
森山情報量が多すぎるよ、オシャレなカフェの目の前でさぁ(笑)。そんなカオスなイベントも飄々とこなされていて。で、言ってしまうと、この3年くらいでご近所さんになったんですよ(笑)。それでちょっとずつご近所付き合いがね、出て来て。今まではどこかの会場で会って、イエーイ!とかやるだけだったのが、少し自分たちのテリトリーが一緒になって。今は僕が近くの公園をほんのり走ってたりすると、本当にこの格好した永積 崇が……たぶんあれ徹夜で呑んで明けた朝なんじゃないかなー、ボ~ッと歩いてるんすよ(笑)。
永積いやいや、歩くよ!そりゃ歩くよ(笑)。
森山朝だから職質とかされないけど、夜だったら確実にされてるからね(笑)。そんなわけで最近2人は急接近してます。
永積一緒に飯食いに行ったり、近況聞いたり。そんな感じです。

──(笑)永積さんはどう見てました?SUPER BUTTER DOGの活動を休止した2002年に直太朗さんがデビューしてます。
永積僕は「さくら」のPV見て、一発撮り風だけどぜってーちげーだろ!って思ってたんだけど、本当に一発なのか!ってびっくりして。その印象が強いかな。
森山予算ないから一発しか回せないって言われて。あれフィルムだから。4、5分くらいしかないって言われて。そう言われたからすげー力入ってんの(笑)。
永積たしかにちょっと肩に力入ってるよね(笑)。
森山力んじゃって(笑)。まあそれも不自由さからくるライブ感ではあったんですけどね。
永積だから、楽屋で初めて会った時は、本物だ!って思った。ただ、会っていくに連れて気づくことが多い人だなっていうのは思ったけどね。意外とストイックだし。
森山俺もそう思ってたんだけど、どうやらちょっと違うみたいなんでね。なまけものなんだなって最近、思うことがある。
永積本当?でもストイックさゆえのその発言でしょ、きっと。
森山まあ謙虚だよね、だからすごく。
永積あははははは!でもね、自分もそうだけど、ひとりで歌う——弾き語りっていうことの意識が強いと思うんだよね。ひとりで歌うっていうことは、その瞬間にバッと立ち上がってくる瞬発力だったり、緊張感っていうのを持ってないと立ち上がらないと思うから、どれくらいのことを身体の中に取り込んで、どれくらいのことを取り込まないようにするかっていうことを思ってるんじゃないかなって気はしたんだけどね。そんなことない?
森山そんなに考えてないんだよねー(笑)。ある一定のモヤつきというか、悩み上手というか。自分から悩みの中に行って、答えのない答えを探してるみたいな。最近、そう実感したの、私事で申し訳ないんですけど。言ってるほど悩んでないかもしれないって(笑)。だからもう少しハッピーな方向にベクトルは向いてるんだけど、いろんな手に負えないような環境の中でちょっとは悩んだ振りしたほうがいいのかな、くらいのポーズもあったのかなーって。そういう意味では、この前、ライブ観てても思ったけど、タカシくんにもある一定のモヤッとした部分があるなと思ってて。だけど、最終的には音楽でうまいことそれにナシをつけるというか。他の人のライブを見てると、スキルがすごいなとか、同業者としての嫉妬とかあるんだけど、タカシくんのライブって、シンプルに『いいひとときだったなー』『豊かな時間になったな』って思うんだよね(笑)。ただそれだけだなって思わせられる。だから俺に、ストイックになって鼻息荒くねじりハチマキでマイクの前で振り絞って歌うスタイルがあったとしても、最終的にはただみんな、いいひとときを過ごしたいだけじゃない。そういう意味では、タカシくんとの時間ってすごくわかりやすいっていうか。ただ、歌のシャワー浴びて、おつかれ!みたいな(笑)。そういうライブ。本人の中では葛藤があるだろうし、戦いとか問いかけがあるだろうけれども、そこも受け入れて飲み込んで、最終的には音楽で解消していくっていう。それはもう宗教ですよ(笑)。
永積あはははは。お芝居とかもやるんでしょ?
森山そうそう。僕は歌うことにとどまらず。お芝居って言ったら本気でお芝居する人に怒られちゃうけど、ただ舞台表現が好きっていう。舞台で起こることが面白くて。一緒に曲作ってる御徒町(凧)ともそこの実験みたいなものをいつもしてて。それはたまたま音楽だったり、お芝居っぽい要素があったり。そんな感じなんだよね。
永積たまにツイッター見たりしてるんだけど、チームワークをすごく感じるんだよね。2人でいろんなことを創作してるんだなーって。
森山シンパシーみたいな話で言うと、池ちゃんみたいな感じの腐れ縁なんだと思う。音楽仲間であり、友達であり、記号化できないなんか……それはこないだ、池ちゃんと呑んだ時に感じた。池ちゃんとはいつから知り合いなの?
永積19、20歳くらいからだね。もともとは生まれた場所も学校も全然違うからさ。バンドやろうっていう時にたまたまメンバーになった。
森山ああ、そうなんだね。池ちゃんはさ、本当に心の通う友なの?
永積あはははは!なんでそんな掘り出そうとしてんの?
森山いやいや、つまりさ、友達から入って今も音楽仲間みたいな感じ?音楽仲間から入って友達?
永積もともとはギターのヤツ(竹内朋康)の友達だったの。メンバー集めようっていう時に、『地元の友達でキーボードの面白いヤツがいるんだけど、今、大阪にいるんだよね』って言って。それで大阪遊びに行って、『よかったら東京出てきてよー』って言ったら、その1ヵ月後くらいに上京したの。それまでは面識なかったの。
森山お互い海のものとも山のものとも、みたいな感じ?
永積そう。でもウマが合うっていうのはあったね。俺わちゃわちゃわちゃっとしちゃうんだけど、あの人意外とすごく冷静で。まとめ上手で。そういう意味ではすごいウマが合ったんだよね……ってそういう話いいから!(笑)
森山僕は高校から御徒町とサッカー部のチームメイトだったんだけど、たまたま音楽をやったんですよ、2人で。路上出たり、曲作ったり。
永積見たよ、ドキュメントみたいなの。地元の階段かなんかで弾き語りやってたっていうヤツ。
森山そういう共通体験みたいなことを、学生時分から、さらに卒業してからも街中で得てたから、友達と何かすることと一緒っていうか、友達感覚がすごいある。タカシくんと池ちゃん、それぞれと話して、やっぱり似てるんだなって。世代的にも同じだし。要するに、巻き込み方とか面白がり方っていうのが似てるっていうか。で、タカシくんの場合はスキルが高いから音を通じて友達になる人たちがまたどんどん増えてって、そこでまた違う化学反応が起きたりとかして。僕は本当にそこが皆無なので一向に友達が増えていかないの。

永積いやいや、そんなことないっしょ。
森山ほんとにほんとに!
永積閉じるんでしょ、ガチャって。
森山閉じない閉じない!シンプルに友達が少ないだけなんですっていう(笑)。
永積本当?友達多くできそうな感じするけど、みんな、2人の中に入れないんじゃないの?
森山それはあるのかな。2人で完結しきってる感じっていうか。
永積御徒町さんの歌詞以外の歌詞は歌わないの?歌いたいなーとかないの?
森山うーん、やろうと思ったらできちゃうと思うんだけど、いま現時点でそれをやる意味が理解できない。誰か他の人に『こういう曲書いてくださいよ』って鼻息荒くやるのがちょっと恥ずかしくなっちゃってたりもしてるっていう。それはもう僕自身の感覚だから他の人がどうだとかっていうのは全然思わなくて。ことさら友達じゃないと意味ないじゃんっていうようなポリシーも全然ないんだけど、今は2人で作れてるものがあるから、その中で大きく遊んでるみたいなイメージ。
永積そこまで思えるっていうのはすげー関係だなって思うから逆にうらやましいっていうかさ。
森山アイツじゃなかったら多分こんな長い関係になってなかったと思うし、俺も。池ちゃんとタカシくんは、どっちがイニシアチブ持ってるの?
永積いや、だって一緒に制作しないもん。
森山そっか。でも1年前くらいにJ-WAVEでさ、2人でわちゃわちゃしてたじゃん。
永積だからたまーに会う肉親みたいな感じ(笑)。
森山もうそういう感じなんだ(笑)。円熟味増してますね!
永積いや、もともとそのほうが気楽な関係なんだよ。バンドの頃だってそうだったし、毎日家に行ってるような関係でもないしさ。たまに何を考えてるのか聞く、みたいな感じでいいっていうかさ。
森山遊び方とか音楽の作り方とかが違うんだ?
永積全然違うよ。だって普段まったく会わないしさ。
森山そうなんだ。俺、いっつも一緒にいるんだと思ってた。
永積全然全然。池ちゃんはいろんな人に会いに行ける人だからさ。
森山すごいバイタリティあるよね。
永積俺はもう家でボーッとしてるから(笑)。
森山僕もそういうタイプ(笑)。
永積なんか気配が似てる気がするんだよね。それは音聴いた時も思ったんだよね。『嗚呼』っていうアルバムを聴いた時に、こういう言い方したらイヤかもしれないけど、やっぱりサラブレッド感をすごく感じたの。でも、それがすごく面白いっていうか、お母さんや家族の人がどうというわけじゃなく、声を発した音の隅々から、なんかキレイな気を感じるっていうか。フォークってちょっと汗水垂らしてみたいな気配みたいなものを持つものだけど、そういう歌を歌ってたとしてもどこか涼しさとか美しさがあるんだよね。水たまりに光が当たってパーッと反射してるような。でも、そこにちょっと、直太朗の持ってる異常性も感じたっていうか(笑)。もしかしたらそこのキレイさをほとんどの人は聴いてるのかもしれないけど、どこかになんかこう、ちょっとこの人少しクレイジーなんだろうなっていう。
森山いやー、めちゃめちゃ単純明快だと思うよ-。こんなこと言うとアレだけど、そこは共作してるっていうのが大きいかもしれないね。彼が作ったものを臆することなく、あるいは惜しげもなく、何も考えずに歌っているっていうその状態は、他から見たらストレンジでクレイジーなのかなっていうのは思う。
永積そうかもね。そういうことによって生まれる不思議感はすごく感じたんだよね。だから面白いなって思って。舞台とかをやってる道筋も感じたっていうか。すごくしなやかなんだなって思ったしね。
森山僕のタカシくんの印象は、今は友達みたいなキーワードで話してたけど、いつもギターと一緒にいるようなイメージがある。自分たちは2人でいて、発信する手段として創作をやってるけど、常にギターと一緒、みたいな。名前つけてペロペロなめたりしてるんじゃないかってくらい(笑)。
永積あはははは。まあそれに近いことはしてる。
森山いや、そうだよねぇ?清原がバットと一緒に寝るっていうのと同じだよね。なんかそういう愛着と……異常性?(笑)。
永積あははははは!
森山本当にいっつもギター触ってるなーって言ってたもんね。
永積触ってる。ギターのサイトも1日50回くらい見返すからね!デジマート1日50回くらい見ちゃう(笑)。
森山あははははは!もう『いい娘、いないかなー』っていう。
永積そう!こういう検索で見たら実は出てくるんじゃねーか、みたいな(笑)。
森山あれ?ちょっとタカシくんの見方が変わってきたな(笑)。
永積だから俺、君のサイト、後ろに映ってるギターを見るために見たりしてるからね。あのネックの裏のペグが12個?だけど、その前にも12弦があるし、これは鏡に映ってんの?みたいな(笑)。
森山あははははは!『ん?これは12弦ではないぞ?9弦か?』
永積何これ、まったく同じようなヘッドだけど……鏡に映ってる……わけじゃない?みたいな(笑)。
森山面白いなぁ。じゃあ今度のジャンボリーであれやれば?ニール・ヤングがさ、何かのライブで、本当はバンドでまわろうとしてたんだけど腰が悪くて結局弾き語りするって言って座ってパイプオルガンの前で弾くんだけども、名器たちが……名器って言っても下ネタじゃないですよ?

──あははははは。わかってますよ(笑)。
森山名器たちがすごいあって。その感じでやれば?大好きなギターたちを集めて。結局、弾かねぇのか?みたいな(笑)。曲間とかにちょっと触ったりしてさ。
永積そんなの自分がやればいいじゃん(笑)。
森山結局ライブで使うギターって決まってるんだよね。べつに観賞用でギター買ってるわけじゃないんだけど、ちょっと種類違うっていうか。
永積ギター1本でマイクだけのライブとかやらないの?そういうので聴いてみたいもんね。君が持ってるギターの音。
森山けっこうくせ者が好きで。501のXXでも、これ誰が履いてたんだよ、みたいなのが好きで。王道じゃなくて、ちょっとはずしたくなるっていうのはたぶん性格としてある。タカシくんはもう少し音色に忠実だし、マーチンだろうがギブソンだろうがテイラーだろうが国産だろうがこだわらないで、一番気持ちいい!っていうのでやってる気がする。
永積いや、だって王道持ってるからだよ~。化け物みたいなもんが押し入れの中で眠ってたりするんでしょう?そういうエピソード大好きだから、俺。
森山うちの母がね、それこそ、クラプトンとかニール・ヤングが持ってるような年代の「Martin 000-42」(1939年製)を持ってて。
永積それはライブで使ってるの?
森山ライブでは豪華すぎて怖くて使えないんだけど。
永積使ってよ~。じゃあそれをギタージャンボリーで!
森山やだ、あれは弾かないの。ずっと置いとくの!タカシくんは、音色と自分の歌声の相性で言うと、心地の良さとかフィーリングっていうのをすっごい大事にするよね。スって入れる空間を作るっていうか。ライブもそうだけど人間関係も絶対そうでしょ。フワッと。もちろん、俺は扉の存在も知ってるけど(笑)。音楽に関しては、絶対にワッとかビックリさせたりしないもん。俺はちょっとその気があって。本当にそこがネックなんですけど。
永積あははははは!
森山おい、今なんで自転車でつっこんできた?みたいなことをやっちゃう(笑)。ギター選びも、たぶん女性選びとか友達選びも絶対そうだと思う。心地良いな、っていうとこだよね。
永積そうだね。冒険はないね。
森山……うんうん?うん。
永積なんでそういう感じなの?いろいろ知ってるみたいな顔しないで(笑)。

公演情報

ディスクガレージ公演

J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE ~YOUNGBLOOD~ supported by azabu tailor

J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE

オフィシャルイラスト:くっきー(野性爆弾)

センターステージをぐるっと囲んで、まるで音楽花見!
両国国技館で豪華アーティストが夢の競演。ちゃんこややきとり等を片手に楽しむ弾き語りライブイベント!

2018年3月10日(土)両国国技館

チケット一般発売日:2018年2月18日(日)

出演:あいみょん / 大橋トリオ+THE CHARM PARK / 尾崎世界観(from クリープハイプ) / 竹原ピストル / 藤原さくら / ホリエアツシ(ストレイテナー) / ハナレグミ / 森山直太朗 (全8組/50音順/出演順は当日のお楽しみ)
MC:グローバー(J-WAVEナビゲーター)
ゲストアクト:Sano ibuki
オープニングアクト:大橋ちっぽけ

 

J-WAVE TOKYO GUITAR JAMBOREE

INFORMATION

ハナレグミ
近藤良平 × 永積 崇が音楽・ダンスと巡る旅。
『great journey 2nd』
2018年3月27日(火)〜4月1日(日)横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールで開催
出演:近藤良平(コンドルズ)、永積 崇(ハナレグミ)
http://www.hanaregumi.jp/

 

森山直太朗
2017年9月14日から10月1日まで下北沢・本多劇場で行われた森山直太朗劇場公演「あの城」、映像作品化決定!約3時間の公演本編を収録したDVDが発売。
DVD 劇場公演「あの城」
2018年3月21日(水)発売
http://naotaro.com/

  • 永堀アツオ

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