HOUND DOG 大友康平インタビュー、3年連続のワンマン・ショーにみなぎる自信!大友が目指すライブステージとは!?

インタビュー | 2018.03.07 18:00

魂を込めて、身を削って歌う、それがないと、どんな演出をやっても通じない

──まず、今回のライブのタイトル"It's Showtime~One night special"ということですが、その"It's Showtime"という言葉から連想されるエンターテイメントな感じは、そのまま受け取ってよろしいですか。
一昨年、昨年は"OUTSTANDING ROCK'N'ROLL SHOW"、つまり特に優れたロックンロール・ショーと題してやったわけですよね。僕らはデビュー当初から、他のロック・バンドとは一線を画すライブをやってきたという自負がありますが、でもそういうタイトルでやるとやっぱりゴリゴリのロックンロール・ショーの印象が強いみたいで…。確かに僕らは、ゴリゴリのロックンロールもありますが、バラードもあるし、心を熱くさせるメッセージ・ソングもあります。もっと楽しい部分もあるから、今回は"It's Showtime"ということにしたんです。僕が一番大好きなJ.ガイルズ・バンドの3作目のライブ・アルバムが『Showtime!』というタイトルで、「ダンス天国」を最後にやるんですけど、やっぱり大好きだからJ.ガイルズ・バンドからはいろいろアイデアをもらってきてますね(笑)。
──(笑)。とすると、そのタイトルに込めた大友さんの思いは、「とにかく楽しもうじゃないか」というようなことですか。
エンターテイメント!ということですね。例えば、大好きなCAROLというバンドはメンバーみんな強面のリーゼントなんだけど、やるのはすべてラブ・ソングっていう。あれが一番のエンターテイメントだと思うんですよね。不良の突っ張ったにいちゃんたちがみんなで口ずさむわけですよ。「コーヒーショップの女の娘」とか。今の矢沢(永吉)さんの音楽性は世界に通じるくらいすごいんだけど、やっぱりロックンロールが持ってる青臭さを楽しめるのはCAROLの時代の音楽ですよね。僕は成熟しないのがロックンロールだと思ってるんで。成熟したロックはあっても、いつまでも成熟しないのがロックンロールだと思ってて、僕自身がそうだから。ずっとコンサートに来ている人たちは内容はだいたいわかってるわけで、タイトルにどういう言葉を並べても絶対いいライブにしてくれるだろうという期待を持って受け取ってくれるんだとは思ってるんです。その上で、OUTSTANDING ROCK'N'ROLL SHOWよりはIt's Showtimeのほうがわかりやすいだろうなということなんですけどね(笑)。
──お客さんを楽しませるということを中心に据えたロック・バンドはたくさんありますが、そのなかで大友さんが言われたようにHOUND DOGが他のバンドと一線を画すのは安易な演出に頼らずに、より赤裸々なパフォーマンスで楽しませようとするところだと思いますが、それはなかなか難しいことでもありますよね。
まあ、相反する部分がありますよね。こちらから一方的に魂をぶつける感じですから。最近のバンドで、個人的に好きなサンボマスターやGLIM SPANKYのステージを見ても、自分たちがやりたいことはこうだというものを真っ直ぐに提示して、「あとはみなさんが選んでください」という感じなんですよね。70年代のロックが、まさにそういうスタンスだったんです。でも僕は、「ロックは聴かない」とか「HOUND DOGは苦手だ」という人が見に来たらどう思うだろうか?ということをずっと考えてやってきたんです。そういう人たちのハートをつかんだらトップ・バンドになれるはずだと思って。やっぱり、「アルバムができました」「キャンペーンしました」「ラジオで流れました」「テレビの歌番組で歌いました」という調子で曲の提示だけを繰り返しても、ファンの人は追いかけてくれるだろうし、楽しんでもくれるだろうけど、それだけじゃダメで、最初はそっぽを向いているような人をこちらに向かせるんだという気持ちが僕にはすごくあったんです。だから、ライブでもいろいろと余計なおしゃべりをしたり、笑わせて笑わせて、その上でバラードで泣かせる、みたいなことをいろいろ考えて、ライブをやってきました。本当は、そんなことは考える必要はないのかもしれないけど、でもエンターテイメントというのはそういうものだと思うんですよ。実際、3人に1人くらいは友達に無理やり連れてこられたという人がいるわけです。特に地方には多くて、一番前の席にいたりするんですよ(笑)。最初は何の反応も示さずに、ボーッとしてるんです。そういう人たちがライブの最後になって拳を突き上げたり、満面の笑顔になってるのを見ると、やったなと思うんですよ。

©︎TSUKASA MIYOSHI

──大友さんのエンターテイメントは、好きで見に来た人だけじゃなく、斜に構えている人の体を揺らしてこそ、ということなんですね。
そうですね。
──しかも、斜に構えている人たちをこちらの世界に引っ張り込むのに、演出や手管を駆使するのではなくて、大友さんは正面突破していこうとしますよね。
ロックンロールの軽い部分というか、思わず腰が浮いちゃうような部分、それに掛け合いも大事なんですけど、根本にあるのは魂を込めて、身を削って歌う歌、それがないと、どんな演出をやっても通じないと思うんです。そこは絶対に揺るがせられないというか、上手/下手というのはとは違う、相手の胸に突き刺すような歌を歌わないと話にならないと思うんですよね。
──上手/下手ではないと言われましたが、音楽に限らず、どんなことでも40年近くやっていると、上手になるじゃないですか。悪い意味ではなくて。
そうですね。コツを覚えるんですよ。ツボの押さえどころがわかるということですよね。
──そういうことが身につくことが、相手の胸を突き刺すような歌を歌おうとする場合に邪魔になることはないですか。
昔のイメージを追ってしまうとダメなんですよね。コツというか、それまでにいろんなことをやってきたなかで自己模倣をしてしまったときはダメです。だから、変わらないために変わり続けるというのは、多分そういうことだと思うんですよ。長くやったらコツをつかむんだけど、でもそのつかんだコツも時代とともに変わっていくものなんだろうし。オーディエンスの反応も時代によって違いますから。でも、自然にやればそれでいい、というところもありますよ。基本はその場その場で出てくるエモーションだから。もはやコツ云々というのは、考えないです。ここまで長くやってくると。
──上手になっていること、技術が身についていることは間違いないとすれば、心得としては、そうした技術を使ってどうにしかしようというふうに考えないということですか。
もう60歳も過ぎてますから、いまさら新しいことはできないし、新しいタイプに移行することもできないですけど、と言って、そこでやるのは自己模倣ではなくて、自分が終始一貫して貫いてきたロックンロールの楽しさとバラードの侘しさ、そしてメッセージ・ソングの明日への希望、そういうものを真っ直ぐに届けて、その結果として「瞬間、瞬間を熱く生きてきたんでしょ?」ということを確認するということなんじゃないでしょうか。

公演情報

ディスクガレージ公演

「HOUND DOG LIVE 2018 It's Showtime ~ One night special」

2018年3月10日(土)11(日) Zepp Osaka Bayside
2018年3月21日(水・祝) 豊洲PIT
2018年3月22日(木) EX THEATER ROPPONGI

詳細はオフィシャルサイトにてご確認ください

  • 兼田達矢

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    兼田達矢

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