ASH DA HERO「CONNECT X」【ACT.4】ASH DA HERO × MICHAEL 唯一無二の輝きを放ち合った2組のエンタテイナー

プレゼント | 2017.05.24 12:00

ASH DA HERO×MICHAEL

ASH DA HERO 2MAN SHOW SERIES 2017「CONNECT X」【ACT.4】ASH DA HERO × MICHAEL
2017年5月18日(木)Shibuya TSUTAYA O-WEST
●Report/武市尚子
●Photo/Akihiko Yokoi、Takatsugu Kanda

“いろんなアーティストと繋がって=CONNECTし、いろんな可能性=Xを生み出していきたい”という意図で始まったASH DA HERO主催の対バンライヴ企画『CONNECT X』の第4弾が、5月18日にTSUTAYA O-WESTにて開催された。【ACT.4】としてASHからのCONNECTを受けて立ったのは、MICHAELだ。これまで、【ACT.1】に BULL ZEICHEN 88、【ACT.2】にBAROQUE、【ACT.3】に中島卓偉というアーティストと最高のCONNECTライヴを展開してきたASHだけに、4回目となるMICHAELとのCONNECTライヴでは、鍛えられた可能性に期待したいところである。

先陣を切ったのはMICHAEL。

「What a Wonderful World」をSEにステージに現れた、ジルこと豊田和貴(G)が、1曲目に置かれた「かくこそありしか 合縁奇縁」のイントロを抜群のサウンド感でぶちかます中、松岡充はさすがの存在感を放ちながらステージ中央へと躍り出た。オーディエンスへのアプローチやパフォーマンスは絶対的。思わず惹き込まれてしまう輝きを放つステージングは、培ってきたミュージシャン魂を感じさせるものであると同時に、実に華やかで独自性の強い個性を感じるものである。まさに松岡ならではの表現力とも言えるのだろう。

「遊ぼうぜ、東京!」(松岡)

極上のポップ・ロックで魅せた「new world satisfaction」は、聴く者、見る者の心を大きく揺さぶる力を感じた。誰にも真似できないであろう独特の感性の切り口で描かれた松岡の作詞センスをまじまじと感じさせるこの曲の歌詞は、ライヴを素晴しい“SHOW”へと導いていた気がする。

MICHAEL

今、青春と呼ばれる時代を生きる若い世代に、この表現が伝わるのかは分からないが、松岡とジルが聴かせるサウンド感や歌詞、そして、ライヴパフォーマンスは、“バンドがエンタテインメントであった時代”を思い起こさせるのだ。分かりやすく記すのであれば、バンドもアイドルも手の届かない場所に居た時代と言うべきだろうか。SNSなどの普及により、バンドやアイドルと言った存在が、とても身近なものになり、時おり、学園祭を見ている気分になったりすることもある昨今。身近な存在が歌うからこそ、届けるからこそ、メッセージがリアルに伝わるという利点もあるのだろうが、バンドやアイドルという存在が本物のエンタテイナーであり、手の届かない憧れの位置にいたからこそ楽しめた“SHOW”を繰り広げていた時代のエンタテインメントの楽しみ方を、MICHAELは魅せてくれるバンドであると感じた。

MICHAEL

MICHAEL

今回の会場O-WESTがステージと客席との距離感が近いライヴハウスということもあり、松岡は時おり前列のオーディエンスとハイタッチしながら歌っていたりもするのだが、そこには確実にエンタテイナーとオーディエンスという見えない距離が存在している気がしてならなかった。もちろん、それはいい意味で。ここまでライヴをSHOWとして魅せられるバンドは、そうそう居ない。舞台の演出を派手にして魅せるSHOWを作り上げるのは誰もが可能なことであると思うのだが、そうではなく、届ける演者そのものの存在感でライヴをSHOWに変えているバンドのステージを久しぶりに見た。そんな気がしたのだ。

そういう意味でもMICHAELは、この『CONNECT X』でASHがCONNECTしてきた前者3組とは、明らかに違った輝きを放つ対バン相手だったと言えるだろう。ある意味、リアルな世界を、何処までも泥臭く歌うASHのスター性とは、真逆なところに居る存在なのかもしれないと感じた。

ジルのギターが、クラシックなロックン・ロールを思わす、ご機嫌なフレーズを描き、オーディエンスがクラップを加えて盛り上がった「スリーナイン」では、ロックに胸を掻きむしられ、翻弄される感覚を呼び起こされた。曲中でオーディエンスが大きな歓声を上げた松岡とジルの絡みも、素晴しくエンタテインメントであった。

この日、新曲として披露された「キミ二アゲルヨ」も、鮮やかなメロディで魅せるポップ・ロックだった。一聴しただけで口ずさめるメロをサビに置いたハピネスは、オーディエンスを大きく包み込んでいた。

MICHAEL

また、ライヴ中盤に挟まれたMCでは、このO-WESTという場所は、SOPHIAがデビューする前の1995年に行った初の全国ツアーで立ったステージであったことと、SOPHIAのキーボーディスト都啓一が癌を患い、一時バンド活動を休止した2010年に、“始まりの場所”でもあったこのステージを選んで立ったという、松岡とジルにとっては特別な場所であることを語った。
「最初にここに立った頃は、“バイトをせんと、バンドだけで飯が食えるくらい売れたい。カッコ付けたい!”そう思っていたと思います。そこから20数年経って、今なら分かります。売れる事とか名声はいいものかもしれないけど、僕たちが生きていく上でそんなに大したことではない。そう思う様になりました。今、僕たちにとって大切なのはこの場所です」(松岡)
長くやってきたからこそ見える景色を言葉にした松岡のMCは、後輩であるASHへのメッセージでもあったと思う。

そして彼らはそんなメッセージの後、「僕の場所」へと繋げたのだった。ジルがつま弾くアルペジオに、伸びやかな声を乗せた松岡。それは、松岡充というボーカリストの声がダイレクトに響いた素晴しい時間だった。
彼らはMICHAELの代表曲である「こころ」をラストに、ASHへとバトンを渡したのだった。

MICHAEL

MICHAEL SET LIST

OPSE(What a Wonderful World)
01. かくこそありしか 合縁奇縁
02. new world satisfaction
03. スリーナイン
04. キミニアゲルヨ
05. られぬ
06. 僕の場所
07. 東京
08. かの青きグレイスフルデイヅ
09. こころ
EndSE(Over the Rainbow)

 

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MICHAEL ライブ情報

MICHAEL LIVE 2017 第四章
12月16日(土)大阪IMPホール
12月17日(日)大阪IMPホール
12月23日(土・祝)東京・山野ホール
12月24日(日)東京・山野ホール
一般発売日未定
MICHAEL

ASH DA HERO ライブ情報

ASH DA HERO ONE MAN SHOW 2017
『BRAND NEW WORLD』

7月28日(金)TSUTAYA O-EAST
6月10日(土) SALE
ASH DA HERO

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RELEASE

ASH DA HERO
2nd FULL ALBUM『A』

(日本クラウン)
5月24日(水) SALE