荻野目洋子「YOKO OGINOME LIVE TOUR 2017 ~Like a wind~」ツアーファイナル東京公演・6/4(日)竹芝ニューピアホールをライブレポート

2017.06.1018:00

YOKO OGINOME LIVE TOUR 2017 ~Like a wind~
6月14日(日) 竹芝ニューピアホール
取材・文/永堀アツオ

昨冬の東名阪ツアー「YOKO OGINOME FUN FAN FUN!! LIVE TOUR 2016」から半年ぶりという、近年では短いタームでの開催となった、荻野目洋子の東名阪ツアー「YOKO OGIMONE LIVE TOUR 2017 ~Like a wind~」。東京・竹芝ニューピアホールでのファイナル公演は、サブタイトル通りに、心地の良い風を感じさせるコンセプチュアルでストーリーのある選曲であると同時に、音楽的充実も感じさせてくれるステージとなっていた。

荻野目洋子

まず、彼女はキューバ発祥のダンスとモチーフにしたラテンポップスの名曲「コーヒー・ルンバ」をエレキギターとコンガの効いたアレンジでカバーしたオープニングからの5曲で、私たちが普段生活しているこの“日常”とは別の世界へと連れて行ってくれた。ハットをかぶり、二人の女性ダンサーを率いて踊りながら歌唱したサマーチューン「アフター5はパラダイス」、「この季節にぴったりかなと思い、久しぶりに選びました」と語ったバラード「DEAR~コバルトの彼方へ~」、風に揺られる木のようにゆるやかに体を揺らしながら歌った「避暑地の出来事」。ルンバ、パラダイス、コバルト、避暑地と続くうちに、目の前は気持ちのいい風が吹き抜ける海や森が広がっているような錯覚に陥っていった。

荻野目洋子

ここで彼女は、「今回のライブは、ギターだけじゃなく、ウクレレを持ってきました」と語り、ベッド・ミドラーが映画『フォーエバー・フレンズ』(原題は『ビーチズ』)で歌唱したことで知られる、ザ・ドリフターズ(ベン・E・キングが在籍したコーラスグループ)の『渚のボードウォーク』をウクレレで弾き語り。さらに、80年代のディスコチューンにオリジナルの日本語歌詞をつけた「ユア・マイ・ライフ」ではアコギの弾き語りも披露した。また、この日は日中に千葉県佐倉市の長嶋茂雄記念岩名球場のこけら落としで国歌斉唱の大役を務めたこともあり、客席から「歌って」という声が上がった。「今日は特別ですよ、みなさん」と笑いながら、改めて、ファンの前で国家を独唱した彼女はこう語っていた。

「こうやって生で皆さんとお会いできる瞬間が、私にとっては一番、細胞が蘇る、生き返る、活性化される気がしている今日この頃です。今日もこうして、同年代のお客様がたくさん見えてると思いますけども、お互いに大人になって、みなさんそれぞれの生活があると思います。そういった中で、日常生活からこの瞬間だけは離れて、音楽を聴いた時のワーッていう気持ちを感じてもらいたい。私も<普段の生活とは違った世界にようこそ>っていうスイッチが入るので、みなさんと一緒に、私自身も心から楽しみたいと思います」

荻野目洋子

また、彼女は同年代のファンが多く集まったステージに、グラミー賞受賞者であるナラダ・マイケル・ウォルデンをプロデューサーに迎えて制作された、1988年発表の9thアルバム『VERGE OF LOVE』のツアーギタリストであった丹波博幸を迎え、「19歳か20歳の頃のツアーでご一緒したギタリストです」と紹介し、「人生、ほんとにね、続けているといろんないいことがありますね。おやすみしていた時期もあれば、こうやって復活して、再会することもできる。音楽はなんて素晴らしいんだと思うわけです」と続けた。ここからの3曲は、夏の盆踊りといえば、「ダンシング・ヒーロー」が定番だという若い方々にも是非一度、聞いてもらいたい。ナラダ・マイケル・ウォルデンによるニュー・ジャック・スウィング「THIS COULD BE THE NIGHT」、シュガー・ベイヴのカバーでシティポップの名曲「DOWN TOWN」、大沢伸一が手がけたエレクトロファンク「LOOK UP TO THE SKY」。エイティーズリバイバルが起きている近年のネオシティポップやネオディスコ、アーバンファンクが好きだという人は今聴いても新鮮に感じるだろうし、きっと気にいるだろうし、荻野目洋子というポップシンガーの類いまれなビート感覚に驚くのではないかとも思う。

荻野目洋子

ライブの後半は「さよならの果実たち」「Dance Beatは夜明けまで」「ストレンジャーtonight」「湾岸太陽族」とシングルヒットを連発しながら、改めて海岸沿いをドライブし、ライブでおなじみの「昨日より輝いて」やクールな「真夜中のストレンジャー」ではエレキギターもプレイ。湘南沿いを走っていたはずの景色はいつの間にか六本木で、雨の高速を降りた「六本木純情派」で初夏の風を感じさせるライブの本編は締めくくられた。

荻野目洋子

アンコールの声に応えて再登壇した彼女は、「昨年のライブは今の気分で歌いたい曲を選んでみて。今回は初夏の季節にぴったりの曲を集めてみました」と本ツアーのコンセプトを解説。さらに、「盆踊りで流してもらってるけど、本家本元はここでしょ!」と語りかけた「ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)」では、デビュー30周年の際に作った新たなフリ(バード~ショルダー~モンキーダンス)を観客全員で踊り、アンコールのラストナンバーでサンバ調の「風のように翼のように」を歌う前には、「風のように軽やかにステップアップしていけたらいいなと思います」と意気込みを語った。

荻野目洋子

最後に彼女は「思い残すことないくらい燃焼しました。これからも荻野目洋子、ライブをずっと続けていけたらいいなと思います」と改めて、継続的な活動をする決意を表明。前回よりもダンスが増え、アコギにエレキにウクレレまで弾いたが、生粋のエンターテイナーである彼女には、やはりステージが似合うと再確認させられる思いがした。

荻野目洋子

荻野目洋子

バラエティに富んだサウンドながらも、しっかりとしたテーマ性を持った構成で初夏の訪れを感じさせてくれるライブを終えた彼女は、8/26(土)に東京・文京シビックホール大ホールで開催される「第49回サマージャズ」に出演することが決定している。

 

SET LIST

1.コーヒー・ルンバ
2.アフター5はパラダイス
3.素敵にFADE AWAY
4.DEAR~コバルトの彼方へ~
5.避暑地の出来事
6.渚のボードウォーク(UNDER THE BOADWALK)
7.ユア・マイ・ライフ
8.Gt&DANCER CORNER
9.THIS COULD BE THE NIGHT
10.DOWN TOWN
11.LOOK UP TO THE SKY
12.キミとタイムマシン
13.さよならの果実たち
14.Dance Beatは夜明けまで
15.ストレンジャーtonight
16.湾岸太陽族
17.昨日より輝いて
18.真夜中のストレンジャー
19.六本木純情派

ENCORE
1.IF YOU LOVE ME NOW ~愛しさにさらわれて~
2.ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)
3.風のように翼のように

第49回サマージャズ

8月26日(土) 文京シビックホール 大ホール
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RELEASE

ALBUM「ディア・ポップシンガー」
(Victor Entertainment)
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