Cocco、ファンから受け取った愛を“自由”と呼び、「私たちはもう大丈夫な気がする」全身全霊のパフォーマンスで魅せた20周年記念スペシャルライブ〜 一の巻 〜

2017.07.2617:00

「Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days 〜 一の巻 〜」
2017年7月12日(水)日本武道館
取材・文/永堀アツオ 写真/田中聖太郎

「大丈夫であるように」——。デビュー10周年という節目を迎えたCoccoの全国ツアーに同行した是枝裕和監督によるドキュメンタリー映画の題名だ。そこには、「Cocco終わらない旅」というサブタイトルがつけられていた。

あれから10年。「みんなの明日と将来と夢が大丈夫であるように」と願った彼女の旅は、ついに記念すべき20年目を迎え、7/12(水)と7/14(金)の2日間にわたって、「Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days 〜 一の巻 × 二の巻 〜」が開催された。1日20曲、2日間で計40曲。アンコールはなし。「強く儚い者たち」や「Raining」などの代表曲は両日とも演奏され、サポートメンバーやバンドの編成は異なっていたが、鮮烈な存在感と共に世に放たれたメジャーデビューシングル「カウントダウン」から始まり、オリジナルアルバムとしては最新となる9thアルバム『アダンバレエ』のリード曲「有終の美」で幕を閉じる、2日間で1つのライブとして構成されていたように思う。

デビュー初期のプロデューサーである根岸孝旨(Ba.)をはじめ、向山テツ(Dr.)、白井良明(Gt.)、長田進(Gt.)、柴田俊文(Key.)、武藤祐生(Vn.)をサポートミュージシャンに迎えた1日目「~ 一の巻 〜」でのCoccoは、自身の感情が赴くままにすべてをさらけ出していた。それは、彼女を古くから知り、何を言わなくても心の奥底で通じ合えているサポートメンバーだったことに加えて、会場に集まった観客もおそらく長く応援してきた方が多かったからかもしれない。

雷のような光が点滅する中、彼女は一歩でも前に進めるようにと手を掻き、髪の毛を振り乱し、身体を二つに折り曲げながら、狂おしくも純粋な愛の歌を激情的に歌いあげた。クラップを煽りながら、様々なポーズをとって笑顔を見せた英語歌詞のロックンロール「Drive you crazy」の後、最初のMCでメンバーによる他己紹介を促した彼女は、根岸に「いつまでもそんな乙女でいてください。皆さんも彼女の声や歌で励まされていると思います。私がその代表です。我らが歌姫、Cocco!」と紹介された。場内には大きな拍手が沸き起こったが、この言葉は2日目の彼女のMCにつながることになった。

アコースティックギターとヴォーカルのみの編成で、根岸、白井、柴田がコーラスを添えた「Raining」で愛の痛みや傷、せつなさを切り離すと、次第に雨がやみ、青空が広がっていった。「しなやかな腕の祈り」「コーラルリーフ」「陽の照りながら雨の降る」「手の鳴る方へ」と雨や嵐の後に広がる青い空を引き連れてくる楽曲を優しく、温かい歌声で届けた彼女は、2001年の突然の活動休止期間について語った。

「活動休止の時に、事務所からファンの人の住所が書いてあるダイレクトメールリストを盗んで逃げました。今、ここに懺悔します(笑)。いつも、支えてくれるみんなを、<みんな>ってまとめてしか言えないことに罪悪感があって。沖縄に帰ってから、大学ノートにアイウエオ順にみんなの名前を書いて、一人ずつの名前を声に出して呼んだわけ。今日、その時に名前を呼んだ人、来てるかな?名前呼んだよ!ありがとう」

ファンへの感謝の気持ちを直接、伝えた後の「ありとあらゆる力の限り」には、この歌が一人一人の胸にしっかりと届きますようにという強い意志が込められていた。<いつか会えたら/全部あげるよ>と約束した“あなた”に対しての最後まで、遠くまで、遥かまで、<どうか逃げて><どうか生きて>というメッセージはまっすぐに観客の心に届いたことだろう。

やがて、目の前の景色は「ポロメリア」「強く儚い者たち」で空から海へと移り変わり、迷いと憎しみの森を抜けて、「Rainbow」で再び旅を続ける決意を示し、「焼け野が原」「風化風葬」で一度、足を止めながらも、最後の曲を前に、彼女は「もう、みんな大丈夫な気がします」と語った。

「私たちはもう大丈夫な気がする。長くかかったけど、よくきたよね。もう死んでもいいっていうところから、生きててよかったっていうところまで、みんなでよく来たね。だって、20年だって。あははははは。みんなおめでとう。そして、ありがとう。なんか、大丈夫だったね。愛してるってわかったら、案外、大丈夫だったね。なんか、愛って、一番の自由の気がします。あっちゃん、この歌が終わったら、きっと今までで一番自由になる気がする。みんなも自由です。みんなにもらう、その自由を大事にこれから生きていきます。今までありがとう。身に余る素敵な人生をありがとう。みんな、さようなら」

愛し合う素晴らしさとあなたを守る強さと柔らかさを歌った「もくまおう」で両手を広げ、胸を大きく開き、天に向かって高く手を突き上げた彼女の表情は実に晴れ晴れとしていた。 歌い終えた彼女は、抑えきれないといった様相で笑顔を見せ、スキップしながら一人、ステージを後にした。

7月14日(金)Cocco 20周年記念 Special Live at 日本武道館 2days
「〜 二の巻 〜」のレポートはこちら

セットリスト

M01.カウントダウン
M02.水鏡
M03.けもの道
M04.走る体
M05.やわらかな傷跡
M06.Drive you crazy
M07.Raining
M08.しなやかな腕の祈り
M09.コーラルリーフ
M10.陽の照りながら雨の降る
M11.手の鳴るほうへ
M12.ありとあらゆる力の限り
M13.ポロメリア
M14.強く儚い者たち
M15.樹海の糸
M16.音速パンチ
M17.Rainbow
M18.焼け野が原
M19.風化風葬
M20.もくまおう

FUJI ROCK FESTIVAL 2017

7月28日(金)、29日(土)、30日(日) 新潟県 湯沢町 苗場スキー場
※Coccoの出演は、7月29日(土)
>>詳細はオフィシャルサイトにてご確認ください

SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2017

8月25日(金)、26日(土)、27日(日) 山梨県 山中湖交流プラザ きらら
※Coccoの出演は、8月27日(日)
>>詳細はオフィシャルサイトにてご確認ください

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関連リンク

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