兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第26回[3月の巻~前編~]

コラム | 2019.03.22 20:00

イラスト:河井克夫

音楽などのライター兵庫慎司が、自分が観たすべてのライブについてひとことレポしていく連載、2019年3月前半編です。8本行ったうちワンマンは2本だけであとは対バンかゲストあり、というの、ちょっとめずらしい気がします。だからなんだと言われると困るが。あ、芝居も一本あります。ではどうぞ。

3月1日(金) GRAPEVINE ゲスト:中村佳穂 @ マイナビBLITZ赤坂

GRAPEVINE、2月6日にニュー・アルバム『ALL THE LIGHT』が出たばかりなんだけど、そのリリース・ツアーは4月からで、その前に中村佳穂との2マンで『GRAPEVINE SOMETHING SPECIAL』と銘打って東名阪を回る、という、ちょっと変則的なライブのやりかた。なのでこのツアーでは、ニュー・アルバムの曲は4曲ぐらいで、あとの8曲は「FLY」等の歴代の名曲たちだった。もう「普通にライブやるだけでいい、それですばらしくならないわけがない」みたいな、余裕すら感じるステージ。すばらしかった。
あと中村佳穂、すごいすごいときいてはいたが、これほどまでにすごいとは。歌と語りとラップの境目も、即興とそれ以外の境目もない、「自由形」というくらいしか形容できない歌。あと、バンドの音もすごい。よくこんなメンツ集められたな、というくらい。
GRAPEVINEのアンコールでは、中村佳穂も加わって「KOL」をプレイ、というレアなものも観れた。

3月3日(日) ヒックスヴィル×フラワーカンパニーズ @ Zher the ZOO YOYOGI

「ヒックスヴィル25年・フラカン30年・中森泰弘60年」ということで、グレートマエカワが企画した、MCでヒックスヴィルの面々がおっしゃってました。そういう企画。最初にフラカンがやって、次にヒックスヴィルがやって、最後にヒックスヴィルの3人とフラカン4人に、ボーカル:うつみようことドラム:クハラカズユキが加わった。つまりヒックスヴィルとうつみようこ&YOCOLOCO BANDが合体して、そこにフラカン圭介&小西が加わった、とも言えます。豪華で楽しくてステージの上も下もみんな幸せな時間でした。あと久々にヒックスヴィル観て、この3人の絶妙なバランスを味わえたのもよかった。楽曲の面でも、MCの面でも。

3月4日(月) odol ゲスト:佐藤千亜妃、PAELLAS @ Shibuya WWW X

odolの自主企画『O/g(Overthinking and great Ideas)』の9回目。PAELLAS、佐藤千亜妃、odolの順で出演。音が近くて仲いいバンドが3つ集まっている、というのではない、「三者三様とはまさにこのこと」な感じがとにかくおもしろかった。自分たちを初めて観るお客さんをひきずりこむPAELLASのドープさ、バンド編成でシンガーとしての自分を見せつけた佐藤千亜妃、「このバンド・アンサンブル!」と唸りたくなる(いわゆるバンド然とした編成じゃないのに)鳴りのodol。堪能しました。

3月5日(火) 堀込泰行 @ 渋谷 CLUB QUATTRO

ニュー・アルバム『What A Wonderful World』のリリース・ツアーの初日。なんだけど、これほんとに初日? と言いたくなる鉄壁の仕上がりだった、演奏も歌も。さりげなく、淡々としていて、でも鉄壁、という不思議な感触のステージ。なお、中盤に長いMCがあって、延々と話が続くので「これ、もしかしてオチがなくてグズグズになって終わるやつかな」と心配したが、最後にきれいにオチがついた。というのに感心した、という話を彼の長年のファンである知人に言ったら「オチない時もある」と言われました。

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