兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第38回[9月の巻~前編~]

コラム | 2019.09.20 17:00

イラスト:河井克夫

音楽などのライターである兵庫慎司が、自分が観たすべてのライブ等に関して短いレポを書く連載、2019年9月前半編。横浜・大阪・大阪・三軒茶屋・恵比寿・日比谷で計6本。大阪の2日目が自分の野外フェス体験の中でもトップクラスに暑かったことと、Base Ball Bear、ほんっとに雨降らないんだなあ、ということが、特に記憶に残った半月でした。

9月1日(日) フルカワユタカ @ F.A.D YOKOHAMA

ニューアルバム『epoch』のツアー、全日の千葉LOOKに続く2本目。フルカワ、最初のMCで、ソロになってからの横浜のライブで今日がいちばん(お客が)入っている、と感謝の言葉を述べた。で、後半では「でもまだまだこんなもんじゃねえからな」と吠えていた。素敵でした。
DI:GA ONLINEにレポを書きました。こちらです。

9月7日(土) OTODAMA ’18-19 ~音泉魂~ 1日目 @ 大阪・泉大津フェニックス

大阪の素敵なイベンター、清水音泉が2005年に始めたこのフェス、この季節に野外でやるのは今回が最後、と前もって宣言した上での開催。2日行って、総論みたいなレポをSPICEに書きました。こちらです。
この日観たライブを書いておきます。全部観たのも途中まで観たのも途中から観たのも含みます。あと、ライブじゃないのも含みます。

『クイズ! オトダマドレミファドン!』 → THE BAWDIES → キイチビール&ザ・ホーリーティッツ → CHAI → never young beach → bonobos → ハナレグミ → FISHMANS → SCOOBIE DO → レキシ → あっこゴリラ → 東京スカパラダイスオーケストラ → The Wisely Brothers → Yogee New Waves → OKAMOTO’S → レイザーラモンRG

ちょっと観たのも含めてとはいえ、16アクト。今年行ったフェスで、1日に観た数、最多かも。「大浴場ステージ」と「露天風呂ステージ」の2つが交互に進行、その2つの間は徒歩5分とかからない、「大浴場」のエリアには「宴会場テント」という小さなステージがあって露天風呂ステージと同じ時間に始まる、というこのフェスの「いっぱい観やすい」構造が生んだ結果だと思います。観たいアクトが多かった、というのも、もちろんありますが。

9月8日(日) OTODAMA ’18-19 ~音泉魂~ 2日目 @ 大阪・泉大津フェニックス

この日観たアクト。

ガリガリガリクソン → 夜の本気ダンス → トークコーナー(ABCラジオ木曜22:00『よなよな』の公開収録) → フラワーカンパニーズ → climbgrow → ヤバイTシャツ屋さん → The Vocoders a.k.a.POLYSICS → 四星球 → マカロニえんぴつ → サンボマスター → TOMOVSKY → 奥田民生 → My Hair is Bad → BAZRA → キュウソネコカミ → クリープハイプ

この日も16アクト観ていたのか、ということに、書いてみて気がつきました。この日もすばらしいアクトだらけでしたが、たぶん、今年自分が行ったフェスの中で、いちばん暑い日でした。周囲に引かれるくらい日焼けした。
あと、上の写真に関しては、この場では、「今年のこのフェスのコンセプトが消費者金融であったこと」「なんで? そういうフェスなんです」とだけ説明しておきます。

9月9日(月) 9mm Parabellum Bullet × 凛として時雨 @ 昭和女子大学人見記念講堂

9mmの日=9月9日に毎年行っているライブでもあり、結成15周年のアニバーサリー企画の中のひとつである対バンシリーズ『6番勝負』の5番目にあたるライブでもあり、そしてニューアルバム『DEEP BLUE』の発売日に行うライブでもある。そんな日だったこの9mm Parabellum Bulletと凛として時雨の対バン、DI:GA ONLINEにレポを書きました。こちらです。

9月12日(木) フラワーカンパニーズ @ LIQUIDROOM

今年2019年で結成30周年、ということでいろいろやっているフラワーカンパニーズ、その中の『30周年のキセキ』という企画ライブが、8月10日とこの9月12日のリキッドルームワンマン。8月10日は、30年の後半15年からセレクトした曲をやって、9月12日は前半15年からセレクトした曲をやる、という趣向。
なんせ昔の曲だらけということで、前回よりもさらにコアな曲、「ああ、あったあったこれ」と言いたくなるような曲が、次から次へと連打されるライブだったが、超満員のお客さんみんな、イントロが鳴るたびに大歓声を上げて曲に身を委ねていく。そのさまに、本当に深く長く愛されているバンドなんだなあ、と、改めて実感しました。今さら実感するようなことでもないが。

9月15日(日) Base Ball Bear @ 日比谷野外大音楽堂

『ポラリス』『Grape』のEP2作品のリリース・ツアーである『Guitar! Drum! Bass! Tour』の初日にして、いつも『日比谷ノンフィクション』というタイトルで行ってきた8回目(9公演目。2デイズの年もあったということですね)の日比谷野外大音楽堂公演。サポートメンバーが加わった上にゲストも登場した年もあったし、対バン形式で行った年もあったが、今年は今のBase Ball Bearのモード、終始3人だけのステージ。本当に必要最低限っていうくらいシンプルな、でも「これ以上何かいる?」と言われたら「いらないです」と答えたくなる、すばらしいステージだった。僕はTHE POLICEが大好きなんだけど、それをちょっと連想したりもした。
このライブもDI:GA ONLINEにレポを書きました、ツアー初日でネタバレNGなのでちょっと苦労しながら。こちらです。
あと、アンコールで、ドラム堀之内大介が、2ヵ月前に息子が生まれたことを発表、そもそも結婚したこと自体アナウンスされていなかったのもあって、お客さんみんなびっくり、そして大拍手、という一幕もありました。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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