兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第46回[1月の巻~前編~]

コラム | 2020.01.24 12:00

イラスト:河井克夫

音楽などのライター兵庫慎司が、自分が観たすべてのライブなどについてひとこと書いていく連載の、2020年1月前半編です。全7本のうち頭4本続けて同じバンドのライブを観る、という、なかなかに特殊な年明けになりました。

1月4日(土) エレファントカシマシ @ 東京国際フォーラム ホールA

エレファントカシマシの毎年恒例の新春コンサート、東京2デイズと大阪2デイズ。ファンクラブの会報のレポの仕事をご依頼いただいて、全日通いました。なので、そちらより先にここでレポ的なことを書いてしまうのはまずいので、ええと、何か別のことを書かないと。(翌日に続く)

1月5日(日) エレファントカシマシ @ 東京国際フォーラム ホールA

(前日から続く)というか、そもそもエレファントカシマシ、2019年は、宮本浩次がソロ活動中だったので、ほぼ動いていない。1年前の東京・大阪での新春コンサート4本、6月1日大阪城ホールのFM802のイベントへの出演、7月6・7日に夏の恒例の日比谷野音ライブ、8月12日にROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019に出演、ライブは以上の8本だけだった、1年間で。(翌日に続く)

1月9日(木) エレファントカシマシ @ 大阪フェスティバルホール

(前日から続く)で、その8月以来のライブ、ということで、バンド側もそれはもう気合いが入っていたけど、それ以上にお客さんの「待ってました!」という熱がすごかった、4本とも。鉢植えとか置いといたら、ライブの始まる前と終わった後で見比べると、そのエネルギーを浴びて芽が出たり花が開いたりしているんじゃないか、と思うほどでした。得難い体験だった気がする、何か。(翌日に続く)

1月10日(金) エレファントカシマシ @ 大阪フェスティバルホール

それから、大阪フェスティバルホールという会場。この1ヵ月前にもユニコーンで行ったんだけど、本当に音がいい。9日の最初のMCで宮本浩次も「相変わらず音もよくてすばらしい」とおっしゃっていました。あ、あと、この4本目は、WOWOWの生中継が入っていました。

1月11日(土) オメでたい頭でなにより [ゲスト:氣志團] @ LIQUIDROOM

オメでたい頭でなによりの対バンツアー『真剣2マン遊VIVA!』全7本のファイナル、ゲストは「過剰にエンタメしないと気がすまないバンド」界のラスボス、氣志團。先攻が氣志團で後攻がオメでた。オメでたのステージでは、氣志團を巻き込んでの寸劇なんかもあり。双方全力のライブでとにかく笑った。
特に、氣志團。ここ数年、イベント・対バン等の時の氣志團って、以下のようなパフォーマンスを、必ずと言っていいほどやるのです。
「One Night Carnival」をやる→曲終わりで早乙女光が綾小路翔に「この曲全然ウケてない」と抗議して揉め、團長が光のリーゼントのトサカをつかんで巴投げを食らわせる→メンバー全員光側について團長を非難→團長、心を入れ替えて「生まれ変わる!」とか言って、「One Night Carnival」の新バージョンを披露するという。
で、その「One Night Carnival」の新バージョンというのが、マキシマム ザ ホルモンと共演している時だったら「恋のメガラバ」と「One Night Carnival」を生マッシュアップした曲だったり、星野源がブレイクした頃だったら「恋」と「One Night Carnival」を合体させた曲だったりして、爆笑をかっさらうのです。という「何かとOne Night Carnivalの合体曲」、私、これまでに4パターン観たことがあるのですが、この日はそのうちの3パターンを続けてやりました。「U.S.A」バージョン、「恋のメガラバ」バージョン、「恋」バージョン。ここまでやるか。で、めっちゃウケてた。偉い。

1月12日(日) 中村一義 @ 浅草フランス座演芸場 東洋館

中村一義がフランス座で不定期で行っている、トーク&アコースティック・ライブ『どうでい?』、今回はニュー・アルバム『十』の完成記念で、その試聴会&トーク&アコースティック・ライブ、という内容。トークのコーナーは、大阪の雑誌ライターインタビュアーラジオパーソナリティーの鈴木淳史にインタビューを受け、アコースティック・ライブはおなじみ岡本洋平とふたりで2曲を歌う、という内容。
で、インタビューもおもしろかったし、生歌2曲もよかったんだけど、それらの前に全曲を聴けた『十』、これがもう、すさまじかった。中村一義といえば、1997年のファースト・アルバム『金字塔』の時、「とんでもない天才が現れた!」と騒ぎになったことを今でもよく憶えているが、その23年後、今の時代を生きる中村一義が、今の時代に向けて『金字塔』を作ったら、こういうアルバムになる。というものだと思った。2月5日リリース。

1月15日(水) フラワーカンパニーズ vs LEARNERS @ 新代田FEVER

2020年のフラワーカンパニーズは、『月刊フラカン』と銘打って、毎月新代田FEVERで対バンライブを行う、その1本目。今回の相手はチャーベくんこと松田岳二のバンド、LEARNERS。この2組が共演するのは初めて。
さらに今回はイベント『VIVA YOUNG!』と共同開催ということで、DJとして『VIVA YOUNG!』主宰のクラヤマナオキとINAMI(東京ロンドン化計画)も参加した。原初のロックンロールの楽しさ賑々しさせつなさの塊みたいなLEARNERSのステージも、ニュー・アルバム『50×4』のリリース・ツアー中なので完全にそのモードだったフラワーカンパニーズのステージも、最高だった、それぞれ。
写真は終演直後のフラカン、楽屋にて。集まってもらうのが気が引けて「そのままでいいから撮らしてください」とスマホを向けたら、こうなりました。

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