兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第103回[2022年4月上旬・空気階段、indigo la End、初恋 from 突然少年、スケボーキング、『カクバリズム20周年記念SPECIAL VOL.01』、the McFaddin/gato、の6本を観ました]編

コラム | 2022.04.26 18:00

イラスト:河井克夫

 音楽などのライター兵庫慎司が、基本的に生、時々配信で観た、音楽も音楽以外も含めたすべてのライブのレポを書いていく連載、103回目です。普段は月二回書いてアップしているのですが、2022年の2月と3月は本数が多かったので、月三回に分けました。で、4月も多そうなので、三回に分けます。
 それなりに長いことやっている連載ですが、こんな状況が続くのは初めてです。まだコロナ禍なのに。というわけで、今後もそんなふうに、多い月は3回、少ない月は2回、くらいのフレキシブルな感じで、続けていきたいと思います。今回は6本、うち3本は他のメディアにレポを書いたやつです。

3月31日(木)17:00 空気階段@よみうりホール/fany、PIA LIVE STREAM

 日付は3月なのに、この『4月上旬編』に入れたのは、配信チケットを買ってアーカイブで観た時、もう4月になっていたからです、ご容赦ください。
 前回の単独ライブ『anna』は、サイトを見て「あ、まだチケットあるわ」とのんきに構えていたら、売り切れてしまったので、配信で観た。で、今回は、『キングオブコント2021』の優勝を経ての単独なので、ハナからあきらめて(実際即完だった)配信で観ました。4都市・15公演の、空気階段初の全国ツアー形式で、そのファイナルの公演がこれ。
 すばらしかった。そう、「おもしろかった」とか「笑った」とかよりも「すばらしかった」という言い方の方がしっくりくる。全8本のコントで、最後のコントで1本目からの伏線をすべて回収していく作り、なのは前からだが、その精度というか見事さが、前回よりさらにジャンプアップしている。
 『キングオブコント2021』における、空気階段とザ・マミィのネタを観た伊集院光が、コントというもの自体が次の新しいフェーズに入っている、より演劇に近づいている、というような話をしていたが(2021年10月4日放送のTBSラジオ『深夜の馬鹿力』)、僕がこのライブを観ながら感じたのも、そういうものだった。「笑わせることを目指さない」ではなく、「笑わせるだけではすませない、観る人にそれ以上のものを食らわせたい」という意志を感じる。来年も楽しみ。

4月1日(金)19:00 indigo la End@中野サンプラザ

 『Helpless』と銘打ったホール・ツアーの2本目=中野サンプラザ2デイズの2日目。4月7日(木)の朝日新聞夕刊にライブ評を書きました。ウェブ記事は有料会員限定ですが、読める方はぜひ。≫ 朝日新聞デジタル:(評・音楽)indigo la End 精密さと激しさ、共存する音

4月3日(日)18:00 初恋 from 突然少年(w/コネクリ、のっぺら、どついたるねん)@下北沢 SHELTER/TwitCasting

 初恋、しばらく観ていない。ライブは頻繁にやっているんだけど、いつも別のライブとぶつかって予定が合わない。と思っていたら、2月20 日に行われるはずだったが、メンバーのコロナ陽性で延期になった、コネクリの企画(ツイキャスで配信もあり)が、この日に。
 他のライブは入っていない日だったが、翌朝までに送っておかないとまずい原稿が、各方面に山積み。でもシェルターだったらうちから近いので、パッと行ってパッと帰れば……というわけで、他のバンドはあきらめて、初恋だけ観に行った。なお、家に帰ってから、コネクリの「ホワイト」という曲のMVを観たら、とてもいい曲で、「観りゃよかった」と後悔したが、それはともかく。
 久々に観た初恋、またかっこよくなっていた。もともと、骨と筋肉だけで皮すらない、みたいなバンドだったが、さらにストイックに、さらにむき出しになっている。知らない曲が増えていたのも気になったし(昔の曲なのか、新曲なのか。たぶん後者)、そのどれもが強く耳にひっかかるのも、さらに気になる。
 次はいつ行けるだろう、と思いながら、日々彼らのツイートを追っているのだが、今のところ、5月4日も14日も22日も、もう別のライブが入ってしまっていて、行けないのだった。6月くらいになるかなあ。

4月8日(金)19:00 スケボーキング@渋谷 CLUB QUATTRO

 解散から10年後の2020年3月に再始動を発表、と同時に世の中がコロナ禍になってしまったが、あれやこれやの末に、2022年2月には13年ぶりのニューアルバムをリリースしたスケボーキングが、それを携えて行った、ワンマンライブ。
 解散前はよく取材していたし、2年前の再始動の時にインタビューしたこともあって(音楽ナタリー:スケボーキング復活記念インタビュー)、ようやく実現したことが、ただただうれしいステージだった。
 バンドが各ウェブメディアに発信する、オフィシャルレポを書きました。THE FIRST TIMESにアップされたものを貼っておきます。≫ THE FIRST TIMES:Kjも登場! スケボーキング、12年ぶりの復活ワンマンライブにファン熱狂

4月9日(土)13:45 『カクバリズム20周年記念SPECIAL VOL.01』@日比谷野外大音楽堂/Streaming+

 カクバリズムは今年設立20周年なので、11月までかけて各地で記念イベントをやる、とのことで、その一発目がこの日。配信もあり。YOUR SONG IS GOOD、在日ファンク、キセル、スカート、mei ehara 、思い出野郎Aチームの6組が出演。野音、夏みたいな晴天。
 ceroは高城晶平がコロナ陽性でキャンセルになってしまったが、それはまあしゃあない、事情が事情だから、と素直に思えるくらい、どのアクトもよかった。ユアソンは、参加できないメンバーの代わりのサポートがゴセッキー(サックス)と恒岡章(ドラム)、というスペシャル編成だったし、在日ファンクは、1曲目からハマケンが霞が関に「爆弾こわい」を捧げるし。
 特に、トリの思い出野郎Aチーム。もともと好きなバンドだが、これ以降の数日間、このバンドしか聴かなくなってしまったくらい最高だった。ソウルなのも、ファンクなのも、大所帯であることも、素朴で明快で強いメロディも、はっきりとヒアリングできる唱法で日本語で歌うのも、もう何から何までが「こうでなくてはいかん」だけでできている。
 ソウル・ミュージックって、いや、音楽って、人にこういうことを伝えるために、聴き手にこういう効果をもたらすために、為されるものだよなあ、本来。というようなことまで、聴きながら考えてしまった。
 なお、トランペットでファンファンが参加していた。この前日に、こんなツイートをしておられました。

4月10日(日)18:45 the McFaddin、gato@渋谷WWW

 1月29日に行われるはずだったがメンバーのコロナ陽性で延期になった、the McFaddinのレコ発企画。gatoとの2マン。どちらもめちゃくちゃ良かった。OTOTOYにレポを書きましたので、ぜひ。≫ OTOTOY:視覚と聴覚を同時に刺激するバンド、the McFaddin──〈“Something is likely to happen”Release Party〉ライヴレポート

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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