【夏フェスコラム】夏フェスの季節到来!2020年代のフェスシーンの変化

コラム | 2022.08.04 18:00

新型コロナウイルスの影響で中止や延期を繰り返してきた夏フェス。今年は、完全復活で開催するフェスも多く、ワクワクソワソワしているフェスラヴァーも多いはず。それにしても、彼らを中毒にしちゃうフェスの強力な引力って何なのでしょう?改めてフェスの魅力を考えてみるコラムシリーズです。第3回は変化するフェスについて。(DI:GA ONLINE編集部)

今年も、夏フェスの季節がやってきた。
音楽好きにとって、夏の一大イベントといえば夏フェス。パンデミック以前は、コアな音楽好きだけでなく多くの人が会場に集まり、音楽に耳を傾けながら”フェス飯”と呼ばれ親しまれるフードを楽しんだり、フォトジェニックなスポットを周るなど、音楽に限らない楽しみ方で年々その規模を拡大していた。しかし2020年、新型コロナウイルスの流行によって状況が一変。多くのフェスがこれまでと同じ形での開催を断念することとなった。
2020年、21年と中止や延期という対応を迫られることも少なくなかった夏フェスだが、現時点では、今年は対策を練りつつ開催される予定のフェスが多い。

思うように開催できない期間があった夏フェスは、その2年の間、状況に適応するために進化を遂げてきた。
2022年7月29日から31日までの3日間の開催を終えたFUJI ROCK FESTIVALは、2020年の現地での開催は延期。その夏は、それまでのパフォーマンスを集めた特別番組がYouTubeにて放送され、サンボマスターによる撮りおろしライブも放送。多くの音楽好きに元気を分け与えた。21年には、例年であれば豪華ラインナップが揃う海外アーティストの出演はなかったものの、国内のアーティスト、バンドが集い開催された。海外アーティストも含めたラインナップで現地開催となった2022年のフジロックはYouTubeでの生配信も行われ、現地はもちろん、配信を通してSNSでも盛り上がり、2020年の夏フェスの先陣を切った。

2年ぶりの開催となるROCK IN JAPAN FESTIVALは今年から開催地を変え、千葉市蘇我スポーツ公園で8月6日から13日まで、5日間開催される。数々の大型フェスを手がけるロッキング・オン・ジャパンは、コロナ禍以降、映像演出に力を入れたオンラインフェスを3回にわたって配信している。コロナ禍によってフェスに限らず配信ライブが盛んとなったが、それを高クオリティで取り入れた一例だと言えるだろう。

DAY1 Highlight : FUJI ROCK FESTIVAL’22

2020年にこれまでのダイジェスト映像を中心にしたオンライン形式で開催されたSUMMER SONICは、2021年9月にはSUPER SONICとして開催。コロナ禍以降初めて海外アーティストを誘致する豪華ライブとなった。今年は8月20日に大阪、21日に東京で、SUMMER SONICが帰ってくる予定。その模様はWOWOWにて放送されることが決まっている。

〜Tokyo ver.〜 SUMMERSONIC 2022 5/19 Line up Announcement

2年間の、会場での開催が危ぶまれた時期を経て、現地と配信の同時開催がスタンダードとなりつつある今年の夏フェス。開放感のある場所で聴く生音や会場の熱気、一体感をはじめ、ステージ以外にもフードや現地での様々な企画など、現地に足を運んだときの楽しさは何物にも代えがたいものがある。しかし配信には配信の楽しみ方があるもので、移動時間なしに配信を見ることができるため、会場で複数のステージを移動するよりも多くのアーティストを見ることができたり、暑さや人の密集などによる体調面の不安も少ない。遠方に住んでいてこれまで参加できなかった音楽ファンにとっても嬉しいだろう。現地参加に比べて低価格、または無料である場合も多いので、少し気になったら気軽に見ることもできる。この情勢もあって何年もライブに行っていない、あるいはライブに足を運んだことのない音楽ファンも少なくないだろうが、そんな人にこそ、バンドやアーティストがパフォーマンスしている様子を、観客のいる臨場感とともに味わってみてほしい。

また、夏フェスのラインナップも、コロナ禍を経て変化してきている。
惜しくもフジロックの出演はコロナウイルスの影響で断念となってしまったが、フジロック、SUMMER SONIC、ROCK IN JAPAN FESTIVALの三大フェスと呼ばれる3つのフェスすべてに出演予定であったYOASOBIはその筆頭だろう。ネットカルチャーから頭角を現しお茶の間の支持を獲得したYOASOBIだが、そんな出自を持つYOASOBIがフェスに引っ張りだこになっているのは今年の夏フェスの注目どころでもあるだろう。
また、オーディション番組で誕生したダンス&ボーカルグループのBE:FIRSTも、2022年の夏フェスの注目アクトだ。フジロックでジョナス・ブルーのステージにゲストとして登場したほか、SUMMER SONICやROCK IN JAPAN FESTIVAL、8月27日に新潟で開催される音楽と髭達などに出演予定。2021年にはSUPER SONICのオープニングアクトを務めた彼らだが、今年は多くのフェスでその存在感を見せつけるだろう。
さらに、コロナ禍以前から多くのフェスに参加し、顔出しをしていないユニットながらそのパフォーマンスでライブの人気も高いずっと真夜中でいいのに。も今年もいくつかの夏フェスに参加するほか、香川で開催される中四国最大級のロックフェス、MONSTER baSHにはyamaが出演するなど、ロックフェスにこれまでもあったJPOP枠にネット発アーティストや、BE:FIRSTのようなオーディションで生まれたアーティストが出る機会も増えている。

2022年の各夏フェスのラインナップは、コロナ禍におけるネットカルチャーの流行など、2020年代に大きく変化した音楽シーンの傾向が色濃く反映されている。そのため、より多くの音楽好きが現地に集合、または配信で集えるイベントが揃っていると言えるだろう。配信なども活用しながら、気軽に参加してみてはいかがだろうか。

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