兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第122回[2022年12月後半・坂本慎太郎、女王蜂、石野卓球『地獄温泉』、フラカン年越し、などの6本に行きました]編

コラム | 2023.01.10 18:30

イラスト:河井克夫

 音楽などのライター兵庫慎司が、基本的に生で・時々配信で観た、基本的に音楽・時々それ以外のすべてのライブのレポを書いて、月二回ペースでアップしていく連載の、122回目・2022年12月後半編、なので2023年最初にアップする回です。今年もどうぞよろしくお願いいたします。なお、この連載を振り返って数えてみたところ、2022年に観たライブの数は169本でした(配信で観たものも含む)。

12月17日(土)17:30 ピコ@代官山SPACE ODD

 代官山SPACE ODDで昼夜2公演で開催された、ピコがピコとして活動を始めて15周年のアニバーサリー・ライブの夜の部。終始、フロアの空気がとにかく熱い、いい時間だった。DI:GA ONLINEにレポを書きました。
 ≫ DI:GA ONLINE:ピコ 15周年記念ライブは赤飯&流星Pが駆けつけて賑やかに。嬉しい発表盛りだくさん!

12月20日(火)20:00 坂本慎太郎@Zepp Namba

 ソロの最初のアルバム『幻とのつきあい方』が出たのが2011年11月18日なので、実にそれから11年後にして初めての、全国各地を回るツアー。東京、大阪、神戸、高知、 (熊本の) 八代、那覇、という日程。
 この人のライブのチケット、取るのがいかに難しいかを、これまでに何度も思い知ってきたので、全公演の先行抽選に申し込んだ。どうせなら、うちからもっとも近い東京公演(昭和女子大学人見記念講堂。歩いて行ける)か、もっとも遠い那覇(桜坂セントラル)の、どちらかになるといいなあ。と思っていたが、当たったのはこのZepp Nambaだけ。で、メンバーのコロナで、11月15日(火)から、この日に延期になった。
 ニューアルバム『物語のように』収録の10曲は、すべてプレイ。プラス「幽霊の気分で」「まともがわからない」「あなたもロボットになれる」「君はそう決めた」「ディスコって」などなどの、イントロが始まるたびに「うわっ!」と歓喜に包まれる(自分が)曲も、次々と演奏される、うれしいったらないセットリスト。
 歌とギター:坂本慎太郎、ベース&コーラス:AYA(OOIOO)、ドラム:菅沼雄太、サックス&フルート&その他:西内徹、以上4人からなるこの人たちの音は、客前で、バンド形態で、音楽を表現する際の究極の方法、みたいな次元まで達していると思う。「バンドってこういうふうに演奏するもの」とか「ロックの曲ってこういうふうにアレンジするもの」という前提がない。そういうのを全部ゼロにしたところから、その曲にとって本当に必要で本当にふさわしい音だけを足していったら、こうなりました、というような。
 って、そもそも坂本慎太郎の音楽自体がそういうものなんだけど。大満足。来てよかった。

12月25日(日)18:00 女王蜂@Zepp DiverCity(TOKYO)

 毎年恒例のアヴちゃんの誕生日イベント、今年は『アヴちゃん聖誕祭2022〜ハーピィ・ギャル〜』というタイトルで、Zepp DiverCity(TOKYO)で開催。『聖誕祭』はいつも、通常のワンマンとも、フェスやイベント出演時とも違う、この日のためだけの特別なセットリストだが、この日もまさにそうで、「うわ、次はこれか!」と言いたくなる曲を、MCも曲間もなしでどんどんやってくれた。
 あと、この4日前に、アニメ『チェンソーマン』第11話エンディングテーマの新曲「バイオレンス」が放送&配信開始されたばかりだったので、その曲をいつどのタイミングでやるのか、という楽しみもあった。いきなり1曲目なのか、本編後半の、言わば「最後にもう一度盛り上がるブロック」の1曲目なのか、それとも本当に最後の曲か。
 結果は、そのどれでもなくて、セットリストの中盤あたりで披露されたのだが、始まった瞬間にその場の空気がバッと変わるくらいの、抜群のインパクトだった。
 去り際にアヴちゃん、「今日はお誕生日なので、ちょっとだけしゃべろうと思います」。みなさんの鼻が高くなるために、そして私がこれを選んでよかったと思えるために、今、来年のいろんな準備をしている、楽しみにしていてほしい、というようなことを言葉にした。

12月26日(月)23:00 石野卓球@LIQUIDROOM

 石野卓球の誕生日イベント(なので、曜日にかかわらず毎年この日)、『地獄温泉』。DJは頭から最後まで石野卓球ひとり、1980年代の楽曲等の自身のルーツとなっている曲が中心の選曲、みうらじゅん語で言うところの「いやげもの」的なお土産あり(今年はバランでした。お刺身や寿司のパックとかに入っているあれです)。というのが、ここ数年の恒例。
 というわけで、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド、ボム・ザ・ベース、マドンナ、ネーナ、ブロンディ、アダム&ジ・アンツ、デッド・オア・アライヴ、ニュー・オーダー等々がかかりまくる、同世代として(僕は石野卓球の一学年下です)めちゃくちゃ楽しい時間だった、今年も。
 ファン・ボーイ・スリー&バナナラマの「It Ain’t What You Do It’s the Way That You Do It」をかけたのは、今年テリー・ホール(ボーカル。ザ・スペシャルズを脱退して組んだのがこのユニット)が亡くなったからかな、と思ったり、KAGAMIの「Tokyo Disco Music All Night Long」が、いい時間にかかったり(2時半前後だった。亡くなってもう12年経つんですね)、というように、踊りながらついしみじみする瞬間もありました。

12月27日(火)19:00 グソクムズ、yonawo、サニーデイ・サービス@下北沢シャングリラ

 早稲田大学の音楽イベント企画サークルの『UBC WINTER-JAM’22』で、この3バンドが共演。なんていいメンツなんだ、どうやって揃えたんだ、年の瀬の平日だからエアポケット的に集められたのか、などと、開催を知って驚いていたら、DI:GA ONLIEからライブレポの依頼をいただいて、観に行って、書きました。
 ≫ DI:GA ONLINE:サニーデイ・サービス、yonawo、グソクムズ ライブレポート! グッド・ヴァイブスが師走の街にきらめいた「UBC WINTER-JAM’ 22」

12月31日(土)22:45 フラワーカンパニーズ@新代田FEVER/Streaming+

 毎年恒例のフラワーカンパニーズの年越しライブ、去年と今年は新代田FEVERで開催。生配信もあり。
 一昨年(会場は渋谷のduo MUSIC EXCHANGE )は、コロナ禍の影響で、直前で有観客から無観客配信オンリーに変更になった。昨年は有観客・配信ありで開催されたが、その大晦日が終わった直後から国内の感染者が激増して、ライブハウス界隈、どこもシリアスな空気になったし、お客さんも減った。
 それらに比べると、今年はかなり通常に近い形で、お客さんもいっぱい入って、とてもいいムードだった。でも、感染者、昨年や一昨年に比べると大幅に減ったわけじゃないのよね。世の中の空気ってなんなんだろう……などと、考えさせられる現状ではあります。フラカンが云々じゃない話だけど。
 なお、フラカン、この日は4人とも学生服姿で登場、「中年中学生」でライブをスタートする。この曲を1曲目にしたから学生服を着たのか、それとも「初心に帰る」みたいな意味合いで、この曲とこの衣装にしたのか。
 しかし。一回目のMCで、ベース&リーダーのグレートマエカワ、その時のフロアの反応で「あ、スベった、と思った」と白状。暑いのでドラムのミスター小西は早々と学ランを脱ぎ、続いてボーカル鈴木圭介とギター竹安堅一も脱いだが、スベった責任として自分は最後まで脱がない、と宣言、本編最後までそのまま続行した。あっはっは。
 そして。年越しのカウントダウンの瞬間、さらなるスベリが待っていた。次回に続く。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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