兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第131回[2023年4月は数が多いので3回に分けます、その中盤編・フジファブリックやGEZAN等の5本を観ました]編

コラム | 2023.05.24 17:00

イラスト:河井克夫

 主に音楽・たまにそれ以外のライターである兵庫慎司が、主に生・たまに配信で、自分が観たライブのレポを書く連載の131回目です。普段は月二回ペースですが、月に観た本数が15本以上になる時は、月三回にしていて、2023年4月はそれにあたります。というわけで、その二回目です。それぞれの方向で、それぞれにとても刺激的な5本でした。

4月14日(金)19:00 フジファブリック @中野サンプラザ/Streaming+

 ツアーの1本とかではなく、「一夜限り」という感じで、デビューからぴったり19年のこの日に行われた、フジファブリックにとって最後の中野サンプラザでのワンマン(もうすぐサンプラが閉まるので)。
 このDI:GA ONLINEにライブレポを書きましたので、未読の方、ぜひ。
フジファブリック、19周年のデビュー日に思い出の地、中野サンプラザで一夜限り、スペシャルなライブを開催!

4月15日(土)18:30 チョーキューメイ @渋谷eggman

 1月に出たサードEP『LOVEの飽和水蒸気量』の東名阪ツアー、の東京公演(2月18日渋谷eggman)がメンバーの体調不良で延期になり、その振替がこの日。チケットはソールドアウトですごい入り。で、知人(某社の偉い人)に、ばったり会ったりしたので、音楽業界内の注目度もかなり上がっていると思われる。
 そうか、上がってるか。まあそりゃ上がるよな、こんなライブやってたら。と、思わせてくれるステージだった、この日も。演奏がうまい、パフォーマンスがちゃんとしている、という前提の上に、「基本16ビート」「ピアノ主体」「演奏ちょいアバンギャルド」「ボーカル&ギターがバイオリンも弾く」「曲展開やアレンジいろいろ過剰」などの、さまざまな要素がてんこ盛りのバンドで、そうなると過激だったりアンダーグラウンドだったりする方向につっ走ってもおかしくないのに、そっちには行かない。敷居が低くて開かれている。で、意識してそうしているのではなく、好きなことをやると自然にそうなる、みたいな天性のバランス感覚があるように見える。
 最後に次回の東京ワンマンが発表になった。12月24日、渋谷WWWだそうです。手堅いなあ、余裕で完売でしょそんなの、と思いました。

4月18日(火)19:00 GEZAN @中野サンプラザ

 フェスとかでは観ているが大規模なワンマンは未見だったし、2022年3月27日の日比谷野音ワンマンが、自分内でその年トップの「観れなくて悔しかったライブ」だったので、この中野サンプラザは、すぐにチケットを取った。
 この日は、ニューアルバム『あのち』のツアーのファイナル。そのアルバムは「GEZAN with Million Wish Collective」名義でリリースされているが、前述の日比谷野音にも出演した(と、観た知人からきいた)その「Million Wish Collective」というのは、ステージ上でコーラスしたり、声を揃えて叫んだり、ゆらゆら踊ったりする15人の集団。
 この中野サンプラザは、客席1階中央に小さな舞台が設けられていた。で、数曲に一回のペースで、Million Wish Collectiveのメンバーが、その舞台の上で独白したり、ふたりでしゃべったり、ステージの誰かと掛け合いをしたりする。その間、他のメンバーたちは、何らかの音を鳴らしながら客席通路を練り歩いたりしている、という、演劇的な演出が施されたステージ。で、GEZANのメンバー4人とサポートふたりの6人が演奏を担う。
 なんかもう、食らった、観て。終わった時、「まいりました!」という言葉しか出なかった。「このアルバムはツアーで完成する」とかよく言うじゃないですか、ミュージシャンが。あれ、まさにこういうことなんだなあ、これは確かにそうだなあ、と思い知った。こっちの期待や予測の範囲を超えていく、すごい映画や、すごい演劇を観た時、その監督や演出家に対して「この人の脳の中、いったいどうなっているんだ」と思うことが僕はあるが、まさにそれだった。観れてよかった。

4月20日(木)18:30 FIVE NEW OLD @渋谷duo MUSIC EXCHANGE

 FIVE NEW OLDは、この日渋谷のduoでダブルヘッダー。18:30からの1回目は、7月2日(日)のLINE CUBE SHIBUYAワンマンに備えて、「自分たちをまだ観たことがない人に知ってほしい」と「ファンにサービスしたい」というふたつのために、招待制のフリーライブ『FREE LIVE 2023“FREAK SHOW”』を、大阪と東京で開催した、そのうちの東京編。
 代表曲を並べて叩きつけるような、勢いに満ちたライブだった。HIROSHI、歌いながらオーディエンスをかき分けて、フロアの中央まで行ってしまったりする暴れっぷり。本編が7曲、という短いステージだったのもあるが、にしても、ほんとにあっという間。
 で、アンコールを求める手拍子を受けて、ひとりで出てきたHIROSHI、「今日、アンコールないんですけど、みんな集まってくれたから、1曲弾き語りをやります」と、急遽「Happy Sad」を追加。アコースティック・ギターと歌とオーディエンスのハンドクラップ、その3つで曲が届けられた。

4月20日(木)20:30 FIVE NEW OLD @渋谷duo MUSIC EXCHANGE

 で、ひと息入れて20:30からは、メジャーデビューアルバム『Too Much is Never Enough』から5周年、ということで、その完全再現ライブ。そちらはDI:GA ONLINEにレポを書きましたので、未読の方はぜひ。
FIVE NEW OLD、最高なグルーヴがフロアに溢れ、オーディエンスと共に盛り上げたデビューアルバム5周年記念ライブをレポ

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