兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第143回[2023年9月後半・『WILD BUNCH FEST.2023』とHelsinki Lambda ClubとGREAT3に行きました]編

コラム | 2023.10.11 17:00

イラスト:河井克夫

 音楽などのライター兵庫慎司が、自分が観たすべてのライブの短いレポを書いて、半月に一回アップしていく連載の143回目=2023年9月後半編です。
 今回は5本、うち3本は『WILD BUNCH FEST.2023』の全日。初めて行ったもんで、そして現場で「行かなきゃわからなかったこと」を体感したもんで、そこで観たそれぞれのアーティストのライブのことよりも、このフェス自体について書きました。

9月16日(土)11:00 WILD BUNCH FEST.2023 1日目 @ 山口きらら博記念公園

 関西・中国地方のイベンター、つまり広島出身の自分としては地元のイベンターである夢番地が、2013年から山口きらら博公園で行っている野外フェス、『WILD BUNCH』。その前は、広島県北の庄原市の国営備北丘陵公園で『SETSTOCK』というフェスを開催していた。
 どちらも行ったことがないので、今年は行きたいなあ、とか言っていたら、広島関係の知人がはからってくれて、全日行けることになった。毎年開催が終わると夢番地が発行している記録本にちょっと原稿を書く、あと1日が終わるとライター全員(私以外は中国地方のラジオパーソナリティーのみなさん)で集まって、その観たアクトについて話し合う座談会に出る、という仕事です。
 ステージは4つ、開演は11:00。この日観たのは以下。全部観たのも一部を観たのも含みます。
 bokula.→神はサイコロを振らない→ヤバイTシャツ屋さん→Fear,and Loatihing in Las Vegas→04 LIMITED SAZABYS→クリープハイプ→カネヨリマサル→羊文学→moon drop→ザ・クロマニヨンズ→My Hair is Bad→10-FEET
 翌日に続く。

9月17日(日)11:00 WILD BUNCH FEST.2023 2日目 @ 山口きらら博記念公園

 2日目、観たのは以下のアクト。全部観たのも一部を観たのも含みます。
 超能力戦士ドリアン→サバシスター→go! go! vanillas→マルシィ→the shes gone→Awitch→UNISON SQUARE GARDEN→Wurts→yutori→ウルフルズ→マキシマム ザ ホルモン→Saucy Dog→[Alexandros]
 前日観たのが12アクトで、この日は13アクト。他の大型フェスと比べると、1日で観れる数があきらかに多い。というのは、このフェスのレイアウトの便利さによるものです。でっかい芝生のフィールドのまんなかにステージがふたつ並んでいて交互に演奏、さらにその芝生スペースの端っこと端っこにステージがある、つまり同じエリアの中に4つステージがあって、移動が早くてラクなのです。
 翌日に続く。

9月18日(月祝)11:00 WILD BUNCH FEST.2023 3日目 @ 山口きらら博記念公園

 最終日の3日目、観たのは以下のアクト。全部観たのも一部を観たのも含みます。
 BiTE A SHOCK→帝国喫茶→SHISHAMO→Hakubi→フジファブリック→BE:FIRST→平井大→TETORA→Cocco→Age Factory→YOASOBI
 この日は、帝国喫茶からSHISHAMOまでの間、物販・クローク・無料のステージ・「山口WELCOMEブース」などが設けられている場外のドームや、そこへ行く途中にあるエフエム山口の公開ラジオブースまで足を運んでみたので、その時間のアクトが観れませんでした。それから、もうひとつ、初めて行ってみてわかったこと。
 このフェスの会場である山口きらら博公園の広さ、異常。
 3日間とも大盛況で、特にこの3日目は、おそらくBE:FIRSTとYOASOBIの効果ですごい動員だったんだけど、会場内の動線が混んじゃってどうしようもないとか、入場規制がかかって観れないとか、そういう事態が起きないのだ。ステージの規模と客席エリアの規模が、いい意味で釣り合っていないのだと思う。客席エリアの方がめったやたらと広い、という。
 他の多くのフェスと同じように、タープを張ってOKなエリアが決まっているのだが、そんなすごい動員の3日目でさえ、そのOKエリアが全部埋まってこれ以上張れません、という状態になることがなかった。同じく、会場にくっついている駐車場が満車になることも、最後までなかった。
 これを書いている段階では、この日の主催者発表の入場者数を発見できていなくて、正確な人数はわからない。が、初日は25,000人だったという記事を見つけたので、となると、僕の体感だと30,000人くらいはいたのではないか、と思う。
 それであの快適さ。ってことは、やろうと思えば50,000人〜60,000人くらい入れられるのではないか。しかも、この公園をフェスの敷地としてフルで使い切っているわけでもない。使っていないところ、まだまだいっぱいある。
 その上、この会場、山陽新幹線の新山口駅からシャトルバスで20分、という近さだし、最寄りのJR宇部線阿知須駅からだと徒歩30分強なので、歩けないこともない。
 あちこちの野外フェスに行ったことがあるつもりだが、こんなフェス、初体験で、カルチャーショックだった。ぜひまた行きたい。

9月19日(火)19:00 Helsinki Lambda Club @ 渋谷Spotify O-EAST

 結成10周年ツアーのセミファイナルである東京公演、渋谷のO-EAST。セミファイナルなのは、このあとに1本、沖縄outputでの追加公演が決まったから。これを書いている時点では、その公演がまだ終わっていないので(10/15です)、セットリストのネタバレ的なことは自粛します。
 で、まず、「ヘルシンキラムダクラブへようこそ」というツアータイトル(というかニューアルバムのタイトル)というコンセプトに即してか、ステージに、クラブもしくはお店のような装飾が施されている。そして、パーカッション・ギター・ドラムのサポートメンバーが曲によって加わり、ゲストボーカル柴田聡子が登場した中盤の「触れてみた」と「Chandler Bing」では、最大人数の8人編成になったりもする。という、バラエティに富んだステージ。
 が、そういうステージならではの華やかさ、かつ10周年というアニバーサリーな楽しさと同時に、このバンドの軸とか、コアな部分とか、絶対に譲らないポイントとか、貫き通す姿勢みたいなものが、同時に観てとれるし聴いてとれるライブでもあった。
 どちらかという親しみやすいキャラだし、明るくライブをやる人たちだけど、根はとてもストイックで求道的。と、感じた。で、だからこそ、いろいろありつつ10年続いているんだろうな、と納得もした。

9月29日(金)19:30 GREAT3 @ SHIBUYA Veats

 今年1月15日新代田FEVERで、KIMONOS(LEO今井+向井秀徳)との対バンと、1月20日Cotton Clubでのワンマンの2本、突然、久々にライブをやったGREAT3。
 その時は、チケットなど取れるはずもなくあきらめたし、今回も同じくだったが、なぜか前日に片寄明人本人から「来る?」とDMが(ずいぶん会ってないが、面識はロッテンハッツの頃から、つまり30年以上前からあり)。「え、マジで? 行きます行きます!」と、大喜びで足を運んだ。
 空いててよかった、この日が。もっと言うと、同じ日のLINE CUBE SHIBUYAのTHE STREET SLIDERSのチケット、外れてよかった、こうなると。10月21日のKT Zepp Yokohamaは取れたので、そんな余裕なことが言えるんだけど。
 片寄、ベースのjan、ドラムの白根賢一以外のサポートメンバーは、キーボード:おなじみ堀江博久、ギター:永井聖一。1月のライブもそうだったらしい。白根・永井は一緒にTESTSETをやっているので、そのつながりであろうと推測します。
 で、「崖」から始まって、「マイクロ・マシーン」「TAXI」と続いて、「玉突き」や「Oh Baby」や「Golf」や「モナリザ」や「Last Song」を経て……もう全曲書こう、「Summer’s Gone」「Ruby」「Metal Lunch Box」「エデン特急」「影」「穴と月」「STAR TOURS」で本編終わって、アンコールで「愛の関係」「Little Jの嘆き」という、頭から最後までイントロの度に「ああっ!」「おおっ!」となりっぱなしのセットリスト。
 「玉突き」や「Last Song」、「Metal Lunch Box」「エデン特急」「影」の流れ、アンコールの2曲などに、特にしびれた。なお、10月5日にCotton Clubでもワンマンがあったが、全然違うセットリストだった模様。知りたい方は片寄明人のX(ツイッター)か、Great3のFACEBOOKをご覧ください。
 アンコールの時だったか、片寄明人、終始熱狂的な超満員のオーディエンスに、「自分のためだと、何もやらなくなっちゃう。こうして喜んでくれる人がいるのがいちばんうれしい」と感謝の意を伝えた。
 で、janが突然「音源を作りましょう」。オーディエンスは大喜びしていたが、片寄、なんとも言えない顔をしていた。まあそうよね、「作らないよ」とも言えないし、でも今のGREAT3が音源制作に乗り出すのって、各メンバーのスケジュールを合わせるのとか、その間は他の仕事ができないとかで、いろいろ大変だし。
 まあでも、いつかそのうち、作ってくれるとうれしいです。アルバムじゃなくても、たとえば2曲ぐらいで、配信とアナログの7インチシングルだけ、とかでもありだと思う。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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