兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第4回 [3月の巻 ~後編~]

コラム | 2018.04.05 17:00

イラスト:河井克夫

音楽などのライター兵庫慎司が、日々観ているライブすべてについてひとことだけでもとにかくなんか書く、という連載です。更新4回目、3月下旬編、全部で9本。ではどうぞ。

3月16日(金) 電気グルーヴ @Zepp Tokyo

おそらく、Netflixのアニメ『DEVILMAN crybaby』に主題歌として書き下ろした『MAN HUMAN』のシングル・リリースに伴ってのツアー『クラーケン鷹』、Zepp Namba&Zepp Tokyo2デイズの1日目。
出音、映像、照明、選曲、曲順、ふたりのパフォーマンスそのものなど、どこをとってもただただ最高。特に本編後半の流れ、ちょっと危険なくらいの、聴いていると脳内になんか涌きそうなほどの気持ちよさだった。電気、去年もこの時期にツアーやったし、あと7月のリキッドルームワンマンも定例化しているが、いつ観てもそのたびに新しくなっているのがすばらしい。
余談。石野卓球、ちょっと前までライブ中に弓で矢を射るジェスチャーをよくやっていたが、この日は出ず。代わりに一瞬スぺシウム光線のポーズを見せる。石野さん、最近、雑誌やラジオで「2019年が電気グルーヴの30周年だから、1年間限定でピエール瀧をウルトラの瀧に改名させたい」という話をよくされているので、その関連で出たポーズなのかもしれません。違うかもしれません。

3月17日(土) エレファントカシマシ @さいたまスーパーアリーナ

1年前の3月20日初の大阪城ホールワンマンから始まった、エレファントカシマシ・デビュー30周年プロジェクトのシメにして、47都道府県ツアーのファイナル。
この30周年プロジェクトが大成功したのはよく知られているし、僕もあちこちに何度も書いたのでくり返しませんが、超満員ソールドアウトのたまアリで、山本拓夫ホーンズ4名と金原智恵子ストリングス8名が加わっての堂々たるステージは、つい、観ていて何度も涙腺に来ました。デビュー30年で今がいちばん動員ある、人気あるのってすごいと思う、つくづく。
rockinon.comに速報レポ書いたので、ぜひ。
こちらです。

なお、このあとエレファントカシマシのファンクラブ会報PAOと、ROCKIN'ON JAPAN6月号(4/28発売)にも、レポが載りますのでぜひ。って、PAOはFC会員しか読めないんですが。

3月18日(日) エレファントカシマシ・スピッツ・Mr.Children @さいたまスーパーアリーナ

2018年になってから突如発表された、エレファントカシマシ30周年プロジェクトの後夜祭というか打ち上げパーティーというか、エレカシがスピッツとMr.Childrenを招聘してさいたまスーパーアリーナワンマンの翌日に、同会場で3バンドでライブをやる、という、あり得ないほど豪華なイベント。
これも、エレファントカシマシのファンクラブ会報PAOと、ROCKIN'ON JAPAN6月号(4/28発売)にレポを書く仕事ありで行きました。
スピッツは「浮雲男」、ミスチルは「太陽ギラギラ」、と、エレカシの曲をカバーするというサプライズあり。あとミスチル桜井はラストの「名もなき詩」を歌う時に、「調子に乗って、歌います」と、曲の頭にエレカシ「やさしさ」の冒頭をくっつけるというサービスも。エレカシファン、狂喜。
トリのエレカシのアンコールでは、スピッツ・ミスチル全員出てきて宮本・マサムネ・桜井のトリプル・ボーカルで「ファイティングマン」、という大変レアな光景がくり広げられました。

3月20日(火) syrup16g @新木場スタジオコースト

実質的なファースト・アルバム『COPY』のリリースから16周年を記念して(一応書いておくと、syrup16gだから、16年という半端な年を祝うわけです)、全16本のツアーを行った、そのファイナル。
ツアーが始まった10月5日に後半の10本の日程と、11月8日にニュー・アルバム『delaidback』をリリースすることがアナウンスされた。で、前半が終わって後半が始まる前のタイミングで、最終日のスタジオコーストに『冥途』というサブタイトルが付くことと、2014年の再始動以来毎年ツアーと何らかのリリースを行って来たが、この日が終わったらしばらく休むことが発表になった。「活動休止というほどおおげさなものではありませんが」みたいな発表のされ方だったけど、とりあえずむこう1年くらいはアクションなし、ということですね。
というのが関係あるのか、ないのか、まああるんだろうな、とにかく、観終わって何かとてもせつなくなってしまったくらい、すばらしく充実したライブだった。rockinon.comにレポを書いたので、ぜひ。
こちらです。

3月21日(水・祝) Creepy Nuts @渋谷TSUTAYA O-EAST

ツアーの度に着実にハコが大きくなっているCreepy Nuts、この日も余裕のソールドアウト。
フロアとステージの上の関係の熱さがすばらしい。R-指定とDJ松永のような少年・青年が大集合。めっちゃ支持され、尊敬され、慕われているのがフロアを観ているとよくわかる。深夜ラジオのカリスマDJとヘヴィ・リスナーのような関係性。って、おふたり、現にラジオのレギュラー、やっておられますが。とにかく、ステージの上と下が均等に熱い、それにアテられて感動する。
あと、R-指定の「聖徳太子フリースタイル」(フロアから複数のお題をもらってそれらを全部入れてフリースタイルをやる。この日は7つだった)も、DJ松永のスクラッチも、人間技ではない、と、何度観てもいつも思います。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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