兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第8回[5月の巻~後編~]

コラム | 2018.06.07 19:00

イラスト:河井克夫

音楽などのフリーライター兵庫慎司が、自分が観たライブ等について何か書く連載の8回目です。5月の後半は、ホール2本、ライブハウス4本、野外イベント2本の合計8本。ではどうぞ。

5月17日(木) 椎名林檎 @NHKホール

デビュー20周年記念ツアー……とは謳っていないか。『椎名林檎のひょっとしてレコ発2018』というツアータイトルだし。でも、「デビュー20周年記念作品第1弾!」という宣伝文句が付いている椎名林檎トリビュートアルバム『アダムとイヴの林檎』が、日程の途中でリリースされたツアーなので、まあ、20周年関連の活動と位置づけてよいと思います。その全23本のツアーの21本目、東京・NHKホール2デイズの2日目でした。
歌や演奏や選曲や曲順はもちろんのこと、効果映像や、照明や、特効や、椎名林檎をはじめとするメンバーひとりひとりの着ているものや、立ち位置や、表情や、どの曲のどの瞬間にどっちを向いて何をしているか、といったような細部にわたるまで、すべてに意味があるのがこの人のライブだが、今回も見事にそうだった。毎回「驚かないぞ」と思いながら観るんだけど、結局毎回何度も何度も驚かされる。

5月18日(金) スパークスローリー @下北沢GARDEN

SPARKS GO GO、9・24『SHINKIBA JUNCTION』開催に向けての下北沢GARDEN・3ヵ月連続ライブの一発目、ROLLYとの合体バンド=スパークスローリーとしてのワンマン。
好きな曲・知ってる曲・いい曲だらけでとにかく楽しかった。このDI:GA ONLINEでレポを書きましたので、そちらをぜひ。

5月19日(土)『ジョニー大蔵大臣presents水中音楽祭2018』 @上野恩賜公園野外ステージ

水中、それは苦しいのイベント、バンドも弾き語りもヒップホップもDJ含めて多数出演。水中のほか、トリプルファイヤー、一人ピーズ大木温之、トモフスキーに惹かれて公式サイトの前売予約に申し込みました。
どのアクトもとてもよかった。中でも、やはり、「片腕を振り上げてオーディエンスをあおる」というバンドのボーカリストとしてごく普通なことをやる姿がめちゃくちゃおもしろかったトリプルファイヤーの吉田靖直と、弾き語り活動が絶好調すぎて(この日もまさに絶好調としか言いようのないステージだった)、つい「もう1年バンドやってないけど、悪くないな」と言ってしまい、ファンから「えー!」とブーイングを浴びて「まあ、そのうち」と言葉を足していたはるさんの姿が、強く印象に残っております。

5月20日(日) Caravan @EX THEATER ROPPONGI

前半は弾き語りで全国津々浦々を周り、後半はバンド編成で大都市を回った、ニュー・アルバム『THE HARVEST TIME』のツアー・ファイナル。
もともとCaravanを中毒的に大好きな身としては、4年半ぶりにリリースにあった待望のニュー・アルバムの曲たちを、生で、いっぱい、バンド編成で聴けるという時点で既にワクワク。去年の11月リリースだけど、今年1月の川崎クラブチッタではニュー・アルバムの曲はそんなにたくさんやらなかったもんで、もっと生で聴きたい気持ちが絶頂に達していたのだった。
で、Caravanはもちろんメンバーも凄腕揃いだし、さらにツアーを回って来たことで演奏も歌も仕上がっているし、というわけで、もう本当に、すばらしいことこの上ない時間だった。
後半で二度、Dragon AshのATSUSHIが飛び入りして舞う。写真はアンコールを終えて去るところで、「今は撮っていいよ」というお言葉に甘えてスマホを向けました。

  • 兵庫慎司

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