POETASTER×The Cheserasera×KAKASHI 挑戦的な全国スプリットツアー直前鼎談!

インタビュー | 2021.03.24 18:00

POETASTER、The Cheserasera、KAKASHIの3組が、3月26日(金)府中Flightを皮切りに、全国9箇所を回るスプリットツアー『ONESHIP TOUR』を開催する。コロナ禍でライブハウスでの規制も多い中でも音楽の力を信じて、出来る中でライブ活動を重ねてきた3組。こんな時だからと3組が力を合わせ、ONE SHIPとなって挑む全国ツアーに賭ける想いや意気込みを、高橋大樹(POETASTER)、宍戸翼(The Cheserasera)、堀越颯太(KAKASHI)の3人に聞いた。それぞれのリスペクトや信頼、愛情がしっかり伝わってくる鼎談からは、明るく楽しいツアーの雰囲気を想像させてくれました。
※堀越颯太はオンラインで参加していただきました。
──まずはこのツアーを企画した経緯について聞かせて下さい。
高橋最初に声をかけさせてもらったのは僕ですね。少し前からThe CheseraseraやKAKASHIと一緒にライブをやることが多かったんですが、去年の8月に(堀越)ソウタが企画した弾き語りイベントに僕と宍戸を呼んでくれて3人が集まって。それまでも2バンドの存在は僕の中で大きかったんですけど、弾き語りイベントで2人の歌声を聴いた時、人間的にも音楽的にもリスペクト出来るなと改めて感じて。この状況下で何かやろうと思った時、「この2バンドとやりたい!」と思って声をかけさせて頂きました。いままで、自分たちがシーンの真ん中にいることも無かったですし、話題になるような活動もなかなか出来ていなかったんですが。今後、自分が夢を叶えたり、何かを達成した時に一緒にいてくれるのが、この2バンドだったらいいなと思って……。

高橋大樹(POETASTER)

宍戸なんか今日、めっちゃ真面目じゃない?(笑)
高橋え、インタビューってそういうもんじゃないの? すごい考えて来たんだけど(笑)。で、「一緒にやりたいんです」と声をかけたんですけど、LINEで繋いで3人で話してね?
宍戸そう。「話したいことがあるんだけど」っていうから「何だろう?」と思って。それで3人で話して、俺らにはめっちゃ伝わったけど。メンバーにもちゃんと伝えて100%の気持ちで回りたいなと思ったから、「一度、その気持ちを文字に起こしてみてくれない?」って言ったら、めちゃくちゃ長い文章が届いて。その文章からすごいやる気も感じたし、メンバーにもしっかり気持ちが伝わって、改めて快諾させてもらいました。
堀越僕も同じようにお話いただいて、めっちゃ熱い文章もいただいたんですけど。僕はPOETASTERがやると言ったらやるというスタンスだったし、そこにThe Cheseraseraがいることは大賛成だったので。何の異論もなく「やりたい」という気持ちひとつでした。
──それぞれ、出会いや仲良くなったキッカケはいつ頃だったんですか?
高橋3バンドが一緒になったのはKAKASHIのツアーで熊谷で一緒にやって、俺と宍戸でソウタを潰した時だよね?
宍戸あははは、打ち上げで飲ませてね(笑)。
堀越あれが2年くらい前かな? もともと各バンドとは親交があったんですけど、この3組でやってみたいなと思って、声をかけさせてもらったんです。
──それぞれ、音楽性もライブもタイプの異なるバンドですが。タイプが違うからこそ、自分たちにない部分に魅力を感じたり、惹かれたりするんですかね?
堀越まさにそうですね。
高橋そうだね、俺もそう思う。
宍戸ただ、めちゃくちゃ遠いわけでも無い気はしてて、僕は“友達の友達は友達”くらいの距離感だと思ってます。音楽だけでなく、人柄で繋がった部分も大きいですしね。
高橋人柄は大きいね。それぞれ第一印象は「最悪だった」って言ってたけど(笑)。
堀越あははは。確かに僕はどちらも第一印象は良くなくて。(高橋)ヒロキさんは良く言えばスター性があるけど、悪く言えば勘違いしてそうだなと思ってた(笑)。宍戸に関しては出会いたての時がメジャーデビュー直後で。僕も捻くれた性格なので「メジャーバンドの人は俺らなんかに興味ないですよね?」と思ってて。

モニター画面:堀越颯太(KAKASHI)

──それは勝手な思い込みで、宍戸さんは一切悪くないですよね?
宍戸俺の人柄、一切関係ないですよね(笑)。 僕は最初、大塚のサーキットフェスのトリでKAKASHIのライブを見たんですけど。KAKASHIがめちゃくちゃホームみたいな空気を作って、お客さんや対バンがどんどん集まってきて。音もヤバイし、パーティーみたいな感じになってて、「KAKASHIヤベェな!」と思ったのが最初だったんですけど。打ち上げではソウタが一歩引いたところからニヤニヤ見てて、「意外とニヒルなヤツなのかな?」と勝手に思ってました。
──ほら、むしろ好印象じゃないですか。
堀越ホントですね。俺がスネてただけだった(笑)。
宍戸ただ、俺らはライブハウス出身のバンドにコンプレックスがあって。俺らもライブハウスでやってきたけど、アングラなオルタナって感じの所の出身なので。KAKASHIにもPOETASTERにも、俺らが気に入ってもらえる自身が無かったというのはあったかな? POETASTERは八王子でバチバチやってたバンドで、スター性みたいなのをめちゃ感じてて。ライブではしゃぐし、セクシーさもあって、可愛いカッコいいみたいな感じがあって。最初、話しにくそうな感じがあったし、仲良くなれないかな?と思ったんだけど、同い年ってこともあってだんだん打ち解けてきたんです。

宍戸翼(The Cheserasera)

──高橋さんは2人の第一印象どうでした?
高橋KAKASHIを最初に知ったのはTwitterとかで、「髪型やばくて、暗い歌歌ってんな」くらいで(笑)。初めて対バンした時も礼儀正しい男くらいの印象で、話したかも覚えてないんです。気がついたら仲良くなってて、自分の弱みや内情も一番話せる相手になってたし、今はソウタのそういう相手にもなってると思うんですけど。最初はキモかった印象くらいで、なんで仲良くなったか覚えてないんです(笑)。宍戸はクールな男で取っ付きにくくて、打ち上げでもロックグラス持ってみんなを眺めてるタイプだったんだけど。俺がバカな話とかしてるとニヤニヤして聞いてたんで、「こいつもエピソード持ってんな」と思って、「どうなんだよ?」みたいなところから仲良くなったんです。
宍戸その夜が暴露大会みたいな感じで、すごい楽しかったんだよね。
──そんな3組でツアーを回ろうと考えた時、どんな雰囲気や化学変化を想像しました?
高橋ライブの仕方というか、質感が3バンドとも全然違って。そこはそれぞれのボーカリストの人柄みたいなところもあると思うんですけど。KAKASHIの真っ直ぐさは僕の無いところだし、宍戸のボーカリストとしての凄みや歌の上手さは僕に足りてないところだと思うけど。俺はライブの熱量とか「今しかない!」って気持ちは絶対負けてないと思ってて。タイプの違う3バンドでバチバチやれたら面白いだろうなというのもあるし、このツアーに集まってくれた人たちが一日通して幸せを感じてくれればいいなと思っていて。僕の中のテーマは「LOVE&PEACE」なんだけど、どう?
宍戸僕はこの3組ってお互いに疑い合うこともない、気持ちいいヤツらが集まってると思ってて。水を差すようなことも言わないし、腹の探り合いもないし、お互いが気持ちよくスカッとライブが出来るはずと思ってて。それが全国一緒に回れるなと思った理由だし、気持ちの良い日が続くだろうなと思ってすごく期待してるんです。
堀越あと、都内だとこの3バンドで対バンすることもあるけど、県外で3バンドが揃うことってほとんど無かったり。僕らのツアーで揃うことはあったんですけど、それは僕らの冠のライブに2バンドが来てくれる形だったから、その日は僕らが締めることで成り立つものだったんですが、今回はそうじゃなくて。3バンドが冠になるから、誰がトリをやっても成り立つし、誰もが冠という自覚を持ってライブをすると思うし。東京では見れない一面が見れると思うし、僕らもそういう特別な環境に影響されるタイプなので。2組と一緒に回ることで、いろんなものを貰いたいなというのは勝手に思ってます。
宍戸そうだね。みんな流れを考えるタイプなので、1バンド目だったら1バンド目っぽいライブを考えたりするけど。全員がトリって気持ちでやったら、MCとか魅せ方も全然変わっていくかも知れない。スプリットツアーというのも世の中に多くないし、この期間にやることが挑戦っぽく見えてくれたらいいなと思うし。
──ほとんどのバンドが通常営業出来ていなくて。恐る恐るで活動を再開し始めている中、3バンドでのスプリットツアーというのは覚悟も感じます。
宍戸色々と規制もあって集客も制限がある中、ツアーに掛かる費用がどうって話にもなるじゃないですか? そこでお客さんも普通に入れられる時期だったらまだしも、この時期にやるってところでは、3バンドの力を合わせる必要があったと思うし。ただ収益よりは好きな奴らと「やるぞ!」って力を合わせたり、「バンドって楽しいよね」と純粋に思える気持ちを追いかけたくて。だからこそ成功させたいし、お客さんを呼ぶ方法もいっぱい考えたし、準備に全力を尽くしてきたところはあるんで。ここからはただただ楽しいツアーにして、「楽しい」を全国に持って行きたいんです。
高橋そうだね、その想いを持って“ONE SHIP”で回れたらいいよね。

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