堂珍嘉邦 11月と12月にそれぞれカラーの異なるライブを開催!舞台俳優としての経験がライブステージに与える「いい影響」とは

インタビュー | 2023.10.20 17:00

 昨年=2022年の11月12日(土)に、日本橋三井ホールで行われた、有観客では5年ぶりの堂珍嘉邦のソロライブ『堂珍嘉邦LIVE 2022”Now What Can I see?”~Drunk Garden~』が、2CD+Blu-rayという形で作品化される。
 音源も映像も、当日披露された18曲をすべて収録。Dr.kyOn率いる強力なメンバーのプレイと共に、堂珍嘉邦のボーカル・パフォーマンスを、たっぷりと、存分に、楽しめる。このDI:GA ONLINEでは、1年前にそのライブの模様をレポしているので、未読の方はそちらもぜひ。https://www.diskgarage.com/digaonline/liverepo/170627
 その作品を自身のレーベルUZUから11月17日(金)にリリースし、11月18日(土)・19日(日)日本橋三井ホール、12月15日(金)・16日(土)有楽町I’M A SHOW(アイマショウ)と、都内で4本のライブが控えている堂珍嘉邦に、作品のことと、その4本のライブのことについて訊いた。

舞台をやると、いい影響しかない

——この日のライブのことで、強く印象に残っていることがあったら教えてください。

堂珍 有観客のライブが5年ぶりだったんで。もっと早くできたかもしれないんですけど、世の中の状況をいろいろ考えて、慎重に慎重を重ねて、あのタイミングになって。それまで、配信だけで一方通行でライブをやっていたのが、ちゃんと目の前のお客さんがいて、その熱を感じて、っていうところで、とってもありがたかったのは憶えています。
作って、削ぎ落として、また新しいものを取り入れて進んでいくソロの10年間の中での区切り、っていうのもあったし。自分の中では、一回区切りはつけた、そういう位置付けのライブでした。だから、ここからまた少しずつ、変わっていくと思うんですけど。

——作品としてリリースするにあたって、ご自分で観て聴いてみて、いかがでした?

堂珍 いつもなんですけど、自分の作品はあんまり観たくなくて。恥ずかしくなっちゃうので。でも観たら……ちょうど今、舞台もやっているので(ミュージカル『アナスタシア』9月12日~10月7日 東京公演、10月19日~31日 大阪公演)。やっぱり発声のしかたが違うので、「あ、前はこんな感じで歌ってたのね」と。この経験を踏まえて、今このライブをやった方がいいかも、と思っています(笑)。
歌の抑揚だったり、太い声だったり……いろんなものが、今だったら、もう少し違った感じでできそうだな、なんて思いながら。舞台をやると、毎回そうなんですけど、いい影響しかないので。太い声で歌うっていうことは、ポップスの世界ではあんまりなかったし。でも、声楽っていう意味では……その人の中から出てくる感情とかエネルギーを、ちゃんと歌の中で表現する、っていう、すごくまっとうで、すごくスタンダードで、すごく本質的なところなので。そういうのが勉強になります、舞台をやるたびに。

——舞台での経験が普段のシンガーの自分に返ってくることって、他にもあります?

堂珍 そうですね、仁王立ちして歌う時も……舞台をやっていなかった時は、ライブで、何も考えずに、ただリズムに乗って、右に行ったり左に行ったり、一歩動いてみたりしていたんですけど。でも、舞台を経験すると、「今動いた方が伝わりやすいかな」とか、そういうことは考えちゃうかもですね。あとは、1曲に対してのアプローチも、どこがピークで、どこで抑えてとか、冷静に曲を分析することもできるようになったし。あえてそういう分析を、全然しない時もあるんですけど。

一生かけて、最終的に納得いくライブができたらいいかな

——今回の作品も、何曲もカバー曲がありますよね。カバーもやりたいというのが、そもそもソロを始める時に、あったんでしょうか。

堂珍 いや、あんまり考えてなかったです(笑)。自分の曲でできたら、それがいちばんいいかな、と思ってたんですけど。でも、ライブで、いろんなメンバーと、いろんな曲をやっていって、自分にとってもっといいものは何かを選んでいく中で……自分のソロの曲で、ライブではやらない曲も増えましたし、逆に「このカバーは必要だな」っていう曲も増えました。そのライブのコンセプトを考えた時に、他人の曲の方がいい、という時もあるので。基本的にカバー曲は、自分が聴いて育っている曲の中から選んでいるので、思い入れが込められる曲だけなんですけど。

【Trailer】堂珍嘉邦 LIVE 2022 ”Now What Can I see ? ~Drunk Garden~”at Nihonbashi Mitsui Hall

——その選曲が、ちょっと独特というか。たとえば、スガ シカオ「黄金の月」や、山下達郎「SPARKLE」は、「ああ、なるほど」という感じだし、フィッシュマンズ「いかれたBABY」もまだわかる。でもohana「HEAVENLY」や、Spiral Life「CHEEKY」あたりは、「マジか!」と。

堂珍 (笑)。

——ohana、アルバム1枚しかないし。

堂珍 ohanaは、ケミ(CHEMISTRY)のギターをやってくれていた石井(マサユキ)さんが、(永積)崇さんのバックでよく弾いていた頃に……ハナレグミ、好きで、ケミのソロコーナーでカバーしたこともあって。で、ハナレグミを観に行きたいと思って、そしたら3人組でライブがあるって知って、「え、クラムボンの人がいるの? ポラリスの人も? で、ギターが石井さん? あ、行く行く」って、観に行って。そのライブでいちばん憶えてた曲が、「HEAVENLY」だったんです。CDを買って聴いても、やっぱりいい曲だし。
もともとは、ここ数年、プラネタリウムでライブをやるようになって(『Live in the DARK』という企画ライブ)、ああいう真っ暗な密室に合うだろうな、と思って。いつかはやりたい曲の候補、たくさんあるんですけど、その中の1曲でした。
もちろん、好きな曲だから、っていうだけじゃ無理なんですけどね。シンプルに気持ちに入ってくる歌詞じゃないと歌えないし、自分の声に変換した時に、この曲は合うだろうな、っていう勝算がないとやらないので。すっごい難しい曲も……あ、でも、「LILAC WINE」とか、すごい難しいけど。

——あ、それはそうですね。

堂珍 でも、ジェフ・バックリィが触ってたカバー曲は、どうしても自分で一回やってみたい、というのがあって(レナード・コーエンの曲をジェフ・バックリィがカバーしている)。ジェフ・バックリィ自体が、東京に出て来て好きになったアーティストのひとりなので。ジェフ・バックリィの映画、4~5年遅れて、日本でも上映されたんですよ(伝記映画『グッバイ・アンド・ハロー 父からの贈りもの』2014年10月公開)。そのトークイベントに登壇させてもらうというお仕事があったんですけど。その時に初めて、誕生日が一緒だってことを知って、ちょっとうれしかった記憶があります。
で、映画は、父(ティム・バックリィ)と子の話だったりとか、家庭を捨てて音楽をとるということとか……クイーンの映画もそうなんですけど(伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』2018年11月公開)……ありえない話に見えるかもしれないけど、すっごいリアリティがあって、自分の中で。好きですね。

——「LILAC WINE」は、以前にもライブで歌われていますよね。それでも難しい?

堂珍 そうですね。だから、一生かけて、最終的に納得いくライブができたらいいかな、とは思っているので。そこに行き当たるまでは、定期的にやるんでしょうね、この曲は。

——Spiral Lifeの「CHEEKY」は?

堂珍 広島のド田舎にいた頃、『ミュージックステーション』にSpiral Lifeが一回だけ出たんですよ。その時に「MAYBE TRUE」をやったんです。それで、いいな、と思ってアルバムを聴いたら、全然違う始まり方で──。

——ああ、『Flourish』の1曲目の「GARDEN」、シューゲイザーみたいな感じですよね。

堂珍 それで最初は「あれ?」ってなって。でも「CHEEKY」とか、「STEP TO FAR」とか、たぶんSpiral Lifeの中でもバラード的な曲が、聴いていてすごいひっかかって。でも、ケミの方ではなかなかカバーできないですからね。ひとりでカバーってなると、最初の方に出てきやすい。やっぱり、10代の時にすごい好きだった、というのは大きいです。

11月と12月で、あきらかにカラーリングの違うワンマンを二回やる

——映像作品になった1年前のライブは、これで一区切り付けられたタイミングだった、と、最初におっしゃいましたけども。では、今年の11月と12月に控えているライブは?

堂珍 まあ、ライブ発信で新しいものを発表してみたいな、っていうのと──。

——あ、新曲を?

堂珍 ええ。で、11月と12月にやるんですけど、12月の方は、弦(ストリングス)がふたり入るんですよ。クリスマスライブっていうので、ちょっとコンセプチュアルなことを考えていて、ただのフルバンドではない形でやろうと。やっぱり弦の使い方が、ポピュラーなコンサートとかになると、ちょっと王道すぎて、ソロでやるなら変えたいなと。引き算方式で、世界観を大きくしないで、もっとシンプルな形にしてみたいので、それをやろうと。
で、11月の日本橋三井ホールの方は、昨年のフルバンドにサックスが入ります。だから、11月と12月で、あきらかにカラーリングの違うワンマンを二回やる、っていうのがポイントではあります。

——それは観る方は楽しいけど、やる方としては大変というか、効率悪いですね。

堂珍 あのね、最大の飽き性なんですよ(笑)。なるべく同じことはしたくないので。同じ曲をやったとしても、それぞれのライブで全然違う感じになると思います。いかに新鮮にライブをできるか、っていうところが大事なので。メンバーも、同じことを繰り返す人たちではないし(笑) 。ちょっとでも鮮度がなくなって、演奏がだれそうになったら、すぐ変えますから。僕もそうだし。だから、1曲ずつ0から始める感じですね。

公演情報

DISK GARAGE公演

堂珍嘉邦 LIVE 2023
“Now What Can I see ? ~Drunk Garden~”

2023年11月18日(土)19日(日) 東京・日本橋三井ホール

堂珍嘉邦(Vocal, Guitar)
[Band] 
Dr.kyOn(Keyboards, Backing Vocal) / 木暮晋也(Guitars, Backing Vocal) / 真城めぐみ(Backing Vocal, Percussion) / 砂山淳一(Bass, Backing Vocal) / 山下あすか(Percussion, Backing Vocal) / 後関好宏 (Sax, Flute, Backing Vocal)

[チケット]
指定席 ¥7,000(税込)
※ご入場時、別途ドリンク代が必要です。
※未就学児入場不可 / お一人様2枚まで

e+にて発売中!
https://eplus.jp/dohchin/

 

2日目のファイナル公演の模様をM-ON!独占放送!
M-ON! LIVE 堂珍嘉邦「堂珍嘉邦 LIVE 2023 “Now What Can I see ? ~Drunk Garden~”」

▼番組詳細
https://www.m-on.jp/program/detail/mon-live-dohchinyoshikuni-2311/

堂珍嘉邦 LIVE 2023
“Now What Can I see ? ”〜Holy Garden〜

2023年12月15日(金)16日(土) 有楽町 I’M A SHOW

堂珍嘉邦(Vocal, Guitar)
[Band] 
Dr.kyOn(Keyboards, Backing Vocal) / 木暮晋也(Guitars, Backing Vocal) / 真城めぐみ(Backing Vocal, Percussion) / 砂山淳一(Bass, Backing Vocal) / 山下あすか(Percussion, Backing Vocal) / 谷崎舞(Violin) / 大浦萌(Cello) / 吉良都(Strings Arrangement)

[チケット]
指定席 ¥7,000
※ご入場時、別途ドリンク代が必要です
※未就学児入場不可 / お一人様2枚まで

RELEASE

『堂珍嘉邦 LIVE 2022 “Now What Can I see ? ~Drunk Garden~” at Nihonbashi Mitsui Hall』

CD+Blu-ray

『堂珍嘉邦 LIVE 2022 “Now What Can I see ? ~Drunk Garden~” at Nihonbashi Mitsui Hall』

2023年11月17日(金)SALE

購入はこちら

INFO

ミュージカル『アナスタシア』グレブ役にて出演
公演中〜2023年10月7日(土) 東急シアターオーブ
2023年10月19日(木)〜31日(火) 梅田芸術劇場メインホール

 

『けいはんなプラザ30th Aniversary 協宴 ~ Voice meets Orchestra 2023 ~』
2023年11月23日(木祝) 京都・けいはんなプラザ 京都府立けいはんなホール「メインホール」
共演:藤巻亮太 / chihiRo(JiLL-Decoy association)
オーケストラ:Style KYOTO管弦楽団 指揮:岩村 力

 

『LIVE in the DARK w/堂珍嘉邦』
2023年12月23日(土) 兵庫・神戸青少年科学館ドームシアター(プラネタリウム)
※2Stage

 

『《ドリーム・キャラバン 2023》with シンフォニック・ジャズ・オーケストラ』
2024年1月23日(火) 埼玉・ウェスタ川越 大ホール
共演:朝夏まなと・佐藤隆紀・野口五郎・森口博子(MC兼)
スペシャル・ソリスト:寺井尚子(Violin)
オーケストラ:群馬交響楽団 ビッグバンド:宮間利之ニューハード 指揮:河合尚市

  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

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