岸谷香&Unlock the girls待望のバンドツアーがスタート!岸谷、ガールズにツアーへの意気込みを訊いた

インタビュー | 2023.11.13 17:00

2023年の岸谷香は、まさにライブ三昧! それは、彼女の音楽の魅力との新たな出会いの場が広がっているとも言えるが、11月からは彼女の音楽の本流とも言うべきバンド編成でのツアーがいよいよスタート。そこで、それに先立つ弾き語りツアーを展開中の岸谷にメール・インタビューを実施。11月からのツアーを一緒にまわるUnlock the girlsのメンバーへのアンケートの回答も折り込み、岸谷の現在の充実とツアーに向けての意欲を伝えよう。
──今年の岸谷さんは、まさに「ライブ三昧」という感じですが、それは意図したことですか? それとも結果的にそうなったという感じでしょうか?
岸谷 香私は歌だけではなく、作曲、アレンジ、楽器、全てに興味があるので、やりたい形、まだやった事ない形でのライブを欲のままに企画して、気づいたら2023年はパンパンでした。
──6月にはツーマン・ツアーがあり、また様々なフェスにも出演しています。そうした様々なアーティストの表現に間近で接するなかで、自分の表現に関してあらためて感じたこと、気づいたことがあれば、教えてください。
岸谷ツーマンをやって強く感じた事は、ドレミファソラシド(と黒鍵5コ)しかない、たった12コの音の組み合わせで作る曲、コード、なのにこんなに違うのか!?!?とびっくりでした。メロディーひとつ、コード進行ひとつ取っても、私の本能とは全く違って、例えて言うなら、同じ日本語でも、自分の土地の言葉と違う方言に違和感を感じるように、他のアーティストの曲たちはものすごく馴染みがなく、普段、基本的に自分の曲しか演奏しないので、もう面白くって面白くって、覚えられないし、下手くそだし、本当に衝撃的でした。そして、私の音楽は、私の本能であり、顔や足の形と同じように誰とも同じでない私の一部なんだと思いました。
──一昨年のソロ・ツアーからステージ・プロデューサーに立ってもらい、ライブに関していろんな意見を言ってもらっているのがすごくプラスになっているという話を前回のインタビューで聞きました。その成果は、バンドのライブにも影響がありますか。
岸谷多大にあります。客観的な目はどんなに努力しても持つことは不可能に近い事だと思います。周りのスタッフなどの目線での意見は、聞いたか聞かなかったかは別として(笑)、今までも沢山頂きました。でも、それはあくまでその人の主観だと私は受け止めてきました。何をどう伝えたい、どう観せたいからこのようにやってる。それが良いか悪いかではなく、観てる人の目に正しく映っているかが問題です。今、一緒にステージを作っているプロデューサーは、私がイメージしているゴールを理解してくれて、その上で、よりそう伝わる為のいくつかの変更点を指摘してくれます。上からでも下からでもなく、パートナーです。そして、同じ着地点を常に見つめています。
──11月からのツアーはUnlock the girls(UTG)としてのツアーになりますが、UTGのライブのセット・リストを考える際に意識すること、気をつけていることはありますか。
岸谷弾き語りはたった一人で全部なので、私の考えや想い100%です。でも、それ以上にはなかなかなりません。UTGは4人です。なので、私はキャリアやコンポーザーとしての立場は別として、自分が思いもつかなかった音を、アイデアを、ちゃんと3/4欲しいといつも思っています。もちろん、最終的に違和感のあることは却下しますが、それはバンドのボーカリストとしては当たり前の事ですから。UTGの時は、私一人じゃ絶対やらなかった事、思いつかなかった事を一つでも多く取り入れたいと思っています。“この子の言う事ならとりあえずやってみたい!”と思えるメンバー達ですから。やりたいけど出来なくて形が変わってしまう事、やりたくないって人が居て形が変わってしまう事、それがバンドだと思うからです。
──あらためてガールズ・バンドの楽しさについて聞かせてください。男性とやるバンドとは違う面白さ、音楽的な個性について、岸谷さんはどんなふうに感じていますか。
岸谷ガールズバンドの最大の魅力は、ただの職人でなく、見た目にも楽しい華やかな集合体である事です。あ、昨今は、ただの職人として成功する程、バカテク、ハイテクな女性ミュージシャンもいるのでしょうけれど、「自分のことをみてほしい」という欲を持ち合わせた女の子は、キラキラした何かを放ちます。その華やかな光が、私の多幸感に溢れる音楽ととてもしっくりくるのです。
──そのなかで、Unlock the girlsの個性、魅力はどんなところにあると感じていますか。また、バンドのプロデューサー的な立場にもある岸谷さんとしては、その魅力や個性をより際立たせるために何か意識していることはありますか。
岸谷UTGは、私(56才)と3人のメンバー(89年生まれ33才)とで20才以上もの歳の差があります。つまり、聴いてきた音楽が全く違います。一番最初に8ビートのミディアムの曲を演った時、どーやってもなんか16ビートのグルーブを感じてしまうんです。確かに8ビートを演奏してるのに。その時、“これはなんかすごく面白い事になるのでは”と予感しました。私にとって「当たり前」の事が彼女達には「初めてだ~こんなの」とか、その逆もたくさんありました。6年かけて、いっぱい飲みながらお互い聴いてきた音楽をYouTubeでおススメし合ったり、「それって元はコレじゃーーん」とおススメし返したり、とにかくなるべく沢山の時間を共有する事を考え、努めてその時間を作ってきました。丁度、子育てでポッカリ穴のあいていた時代が、彼女達の今を作った時代だったので、本当に話が通じなくて、かえって真っさらな心で彼女達の音楽を受け止められたし、知らなかった、抜け落ちていた時代を知れて、サイコーです。ライブもなるべく一緒に行ってます。近年、レッチリ、ハリースタイルズ、キンブラ、ボストンポップスオーケストラ…。次はマネスキン、みんなで行きます!!私にとっては、世代を越えて、心から繋がっている友達、仲間…なかなか居ないですよーーそんな友達。有難いし、人生何倍も楽しくなりました^_^。いつも意識してる事は「全員、好きなよーにやってるか!?」です。

公演情報

DISK GARAGE公演

Kaori Kishitani Live Tour 2023 ”56th SHOUT!”

2023年11月24日(金)名古屋BOTTM LINE
2023年11月25日(土)大阪BIGCAT
2023年12月3日(日)日本橋三井ホール[東京]
2023年12月9日(土)福岡トヨタホールスカラエスパシオ

KAORI PARADISE 2024 新春スペシャル

2024年1月8日(月・祝)ビルボードライブ横浜
2024年1月11日(木)ビルボードライブ大阪
2024年1月14日(日)ビルボードライブ東京

  • 兼田達矢

    取材・文

    兼田達矢

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