CHiCOが、ソロ初EP「PORTRAiT」で見せた新たな魅力。「今年も全力で活動していきたい」

インタビュー | 2024.01.12 19:00

──ソロ初のEP「PORTRAiT」が2月7日にリリースされますが、楽曲提供のアーティストがとても豪華ですね。
私がデビューしてからいろいろなご縁で繋がった方や、私が学生時代によく聴いていた尊敬するアーティストさんにお声がけさせていただきました。
──それぞれの楽曲はどのようにオーダーされたのでしょうか?
「この方に書いていただくならこういう楽曲がいいな」というイメージはありつつ、事前に皆さんと打ち合わせの場を設けていただいて、「私はソロになって、こういう活動をしていきたいんです。こういう気持ちを歌いたいんです」と想いをお伝えした上で作っていただきました。
──5曲それぞれにCHiCOさんがいて、まるで『不思議の国のアリス』みたいなEPですね。
私という人物を体現したEPになったと思います。チコハニの時でもチコハニの世界観の中の私としてお届けする曲も多かったけど、今回は私のパーソナルに寄った曲たちになったので、今まで応援してくださった方も最近私を知ってくださった方にも新鮮な気持ちで楽しんでいただけるかなと思います。「CHiCO、また可能性広がってるじゃん」と思ってもらえたら嬉しいです。
──5曲それぞれのCHiCOさんを切り取ったような写真みたいな1枚だから「PORTRAiT」というタイトルになったんですね。
実はEPのリリースが決まった時、「最初のミニアルバムだから名刺代わりになる1枚にしたいよね。だったらタイトルは『ポートレート』がいいよね」と話していて、そのままタイトルが決まりました。また各アーティストさんに楽曲制作をお願いする際も「ポートレート、人から見たCHiCOをそれぞれ描いてもらう」というコンセプトもお伝えしていました。ちなみにタイトル中の「i」が小文字なのはチコハニ時代から変わっていません。
──各収録曲のご紹介をお願いします。1曲目の「エンパシア」はスチールギターが効いたアッパーなバンドロックですね。
作ってくださった堀江晶太さんは「エース」の楽器レコーディングにも参加していただいています。堀江さんと白神真志朗さんとお会いして「どんな曲を歌いたいのか」や「何を伝えたいのか」などキャッチボールをして、方向性が決まりました。
CHiCOのパーソナルが全面に出ていて、今までの活動での自分の中のモヤモヤやふがいなさなどを歌っているので、自分の弱さも見えてちょっと気恥ずかしさもあります。でもこんなふうに悩むくらい真剣に音楽やファンのみんなのことを想っているのがわかってもらえるかなと思うし、伝わればいいなと願っています。
2番の「問いかけに窒息寸前で」は堀江さんと白神さんと打ち合わせをした時のことだと思っています。打ち合わせで「どんな曲を歌いたいですか?」とか「今後どんな世界観で活動していくんですか?」と尋ねられた時、こういう歌詞や内容のキャッチボールが初めてだったので、自分の思ったように話すことができなくて焦ってしまって。それをお二人に完全に見破られていたんだなと「問いかけに窒息寸前で」のフレーズを見た瞬間に気付きました。その日の打ち合わせの後ははとても落ち込んで、打ち合わせは自己アピールの場でもあるんだなとようやく理解したんです。後日、伝えたいことをあらためて整理して、文書でお送りした上で歌詞を含め楽曲を書いていただきました。ふんだんにCHiCOという人間が体現されていて、こんなに自分の内側を見られることはないので照れくささはあるものの、強いメッセージもしっかりある曲になりました。
──「共感」を意味するタイトル通り、CHiCOさん自身のことを歌いながら、「そうそう!」とうなずける歌詞がたくさんあって。サビの「わかるよ」もたぶん誰もが一番言ってほしい言葉じゃないかなと。
万人受けする歌詞というよりは私と同じ境遇の人に「めっちゃ、わかる!」と刺さってくれたらいいなと思っていますし、少しでも救いになれたらいいなと思っています。
──2曲目の「イバラヒメ」はダークファンタジー系だけどダンサブルなグルーヴ感もある不思議な楽曲ですね。
作ってくださったBURNOUT SYNDROMESの熊谷和海さんは、『ハイキュー!』というアニメで、 BURNOUT SYNDROMESがOP曲を、チコハニがED曲を担当した縁で、BURNOUT SYNDROMESの「逢いたい逢えない feat.CHiCO(CHiCO with HoneyWorks)」という曲にゲストボーカルとして参加させていただいたことがあったり、2023年にはイベントでもご一緒させていただきました。
この曲は、熊谷さんから見たCHiCOの視点で、「もしCHiCOがアイドルだったら?」という世界観で作っていただいて。「もしアイドルだったら?」というテーマで書かれたと知って、「めっちゃキラキラしている曲なのかな?」と思ったら、ダークファンタジー感がある曲だったのでそのギャップに驚きましたし、バンドマンなのにこんなファンタジー感あふれる曲が作れるなんてすごいなと。「他の方からは私ってこういうふうに見えているんだな」という気付きもありました。
デモを初めて聴いた時、あまりにもギャップがすごすぎて驚きました(笑)。熊谷さんの曲は、BURNOUT SYNDROMESの曲しか知らなかったので、想像していなかった曲が届いて、熊谷さんの視野の広さや引き出しの多さにビックリしましたし、「CHiCOがアイドルだったら?」という視点で書かれていたので、めちゃめちゃワクワクしたけど、レコーディングは難しいだろうなとがっつり練習した曲です。
──ラスサビがほぼひらがな表記になっているのも意味ありげで。
歌詞の至るブロックに含みがあって。以前アニメ『ハイキュー!』の企画で熊谷さんと対談させていただいたことがあるんです。いろんなことを考察するのがお好きとおっしゃっていたので、この曲もすごいバックボーンがあるんだろうなと。例えば最後が全部ひらがななのは、「悪魔と契約する直前の、まだキラキラした夢を見ている女の子だから、あえて幼く歌って、それが不気味さにもつながっていいかも」と考えながらレコーディングでは歌いました。
あと「全体的に張らないで歌ってほしい」と熊谷さんからリクエストもありました。これまで張らないで歌うことはほとんどなくて。アップテンポな曲はパワーで歌ったり、歌い上げる系が多かったので。サビではファルセットもふんだんに使うし、譜割も結構難しくて、CHiCOの曲としてかなりの変化球なのでファンの方も「こんな曲も歌っちゃうんだ」と驚くかもしれません。
──3曲目の「駅」は駅を舞台にしたラブソングで、ストリングスやピアノのオケが美しく、澄んだサウンド感のミディアムナンバーです。
作ってくださった諌山実生さんは、私が理想とするボーカル像にピッタリの方で、小学生になる前に『みんなのうた』という番組で流れた「月のワルツ」を偶然聴いて衝撃を受けたんです。こんなにも食い入るくらい聴いたのは初めてだったと思います。それからもずっと好きで、こんな大人びた曲をいつか歌いたいなと憧れていましたが、今回意を決してお願いしました。
諌山さんには「月のワルツ」をはじめ、他にも好きな曲をお伝えしたら、とても素敵なしっとりした曲を作っていただけました。
歌い上げるか、歌い上げないか、とても悩んだ曲です。せっかくのバラードですし、諌山さんが歌っているデモを聴いて寄せたい気持ちもあって歌い上げる感じでいこうと思ったんですけど、歌詞が現実世界の私たちに寄り添ったものだったので、あえて張らずにぼそぼそとつぶやくように、素朴な感じで歌ったほうがいいかもと思って。歌詞の男の子目線らしく少年っぽさがある歌い方になって、世界観がより広がった気がします。
──好きな女の子への想いをモノローグのようにつぶやく歌い方は確かに温かく、心に染みました。
付かず離れずの距離感で、歌詞を見ても歌っても素敵だなと思いますし、「満員電車」を「パンクしそうな電車」と言い換えるところが諌山さんらしくて素敵だなと思います。同じ2Aの「寝息をたてるブランコ」も、実は「ブランコ」か「商店街」の2つが候補に挙がっていたのですが、「ブランコ」のほうが情景が浮かびやすくて世界観に没入しやすいかなと思って「ブランコ」にしたり、そんなキャッチボールもありました。オチサビの段々盛り上げっていく感じもすごく好きなので、楽しみにしていてほしい1曲です。

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