H ZETTRIOが、恒例の「こどもの日Special」ライブ開催を発表!ギネス世界記録を更新中の彼らに、作品制作やライブについて話を聞いた

インタビュー | 2024.02.09 18:00

H ZETTRIOの音楽活動の多彩さと自在さは驚異的だ。「笑って踊れるピアノトリオ」というキャッチフレーズのとおり、理屈抜きで楽しめる音楽を展開している。と同時に、彼らの作品はどれも、聴き手の想像力を刺激する広がりや深みを備えている。しかも超多作でフットワークも軽い。2019年1月からは、毎月連続してシングルを配信しており、2023年12 月 1 日リリースの「Dynamics」で、60作連続の世界記録を樹立。2023年12月11日に行われたBLUE NOTE TOKYOでの2ndステージでは、ギネス公式認定員による認定証の贈呈式も行われた。現在は72作連続リリースを目指して、2024 年 2 月 1 日に第 62 弾シングル「Workin’」をリリースしている。

ライブ活動も精力的に行っており、2024年4月からはスタンディングでの3公演が予定されている。また、2024年5月5日には、近年の恒例となっている「こどもの日Special」が、昭島市民会館で開催される。年齢制限がなく、3歳以下のこどもは大人の膝上であれば、無料で鑑賞できる画期的なコンサート。大人もこどもも楽しめるステージになるのは間違いないだろう。ギネス世界記録達成、最新デジタルシングル「Workin’」、さらには「こどもの日Special」について、H ZETTRIOの3人に聞いた。
——昨年12月にリリースし「Dynamics」で「単一音楽ユニットによるデジタルシングル連続リリース月最多数」でのギネス世界記録を樹立しました。まずは、世界記録樹立の感想を教えてください。
H ZETT KOU(Dr)“何か月連続”ということで、楽曲を制作してきてはいましたが、まさか、ギネス記録に繋がるとは、まったく意識していませんでした。今回の認定も、「ギネス世界記録に該当するのではないか」との情報を、お客さんに繋いでいただいた形なんですよ。BLUE NOTE TOKYOでライブの時に認定式があり、お客さんが喜んでいるのを見て初めて、ああ、そういうことか、良かったなって実感しました。
──Mさんは認定された時、どんな気持ちでしたか?
H ZETT M(Pf)振り返ればよくやったなと、我々3人を褒めてあげたい気持ちでした。
——NIREさんはいかがですか?
H ZETT NIRE(Ba)聴いてくれる人がいたから、続けられたという、感謝の気持ちが大きかったですね。楽しみにしてくれているファンのみなさんがいて、ライブで新曲をやると、ワッと盛り上がってくれるお客さんがいたからこそ、続けようと思えたんですよ。これがもし、聴いてくれる人がいなかったら、間違いなく、続けられていないですよね。聴いてくれる人の存在が一番大きいと思っています。でも、1曲1曲を作っていくわけですから、「ギネス」と言われるまで、記録的なことは、一切意識していませんでした。BLUE NOTE TOKYOでも本番直前までは、「本当に認定式をやるんですね」くらいの他人事のような感じだったのですよ。ところが実際にあの場に出て、「認定します」という言葉に。お客さんが反応して、ワーッと喜んでくれたのを見た時に、うれしいな、やって良かったなと思いました。あの場面は、去年のハイライトと言ってもいいような気がします。
──当然ハイライトですよね。だってギネス世界記録ですよ。
KOUギネスって、わかりやすいですよね。親族からもたくさん連絡が来ました。こっちから知らせたわけではないんですけど、ギネスってすごいんだな、影響力が大きいんだなと感じました。

──5年間、60か月にわたって積み上げてきた成果が、ギネス記録になっているところが素晴らしいです。これだけの長期間にわたって、継続してこれた要因は、どのようなことでしょうか? 実は3年前、24作連続リリースの時に同じ質問をしていまして、Mさんは「反復横跳びが得意だから」と答えていました。
M本当に反復横跳びが得意なんですよ。瞬発的に、じゃあどうするかという時の行動力と判断力とスピードには自信があるという(笑)。
──60作連続のシングルがとてもバラエティに富んでいて、発想力も含めて、見事です。
KOUMさんが曲を作っているのですが、“こういうアプローチをしよう”という引き出しをたくさん持っているんだろうなと思いますね。たとえば、サンバにしても、いろいろと細かな、さまざまな種類のサンバの引き出しがあるんだろうなって。
M私の引き出しというよりも、この3人で長くやってきたグルーヴ感が大きいんじゃないかと思っています。“昔やっていたあのリズム”と聞いた時に、パッと思いつく感じが、3人それぞれにあるわけで、そうすると、いろいろな発想、アイディアが出てくるんですよ。プラス、一緒に長くやってきた分、伝達が早いことも大きいですね。「ちょっとあれをあれしてみよう」ってことがスムーズにできます。
──現在62作連続毎月リリースです。NIREさんは、ここまで継続してこられた要因はどういうことだと思っていますか?
NIRE私はマラソンをやっているので、持久力ですかね。あとはやっぱり体力と健康ですね。
──確かに、3人とも健康でなければ、6年間、毎月リリースはできないですもんね。
NIRE年を追うごとに、そう思うようになってきました。
──毎月リリースすることに対して、プレッシャーを感じたことはありますか?
NIREいえ、連続リリースのことは考えないようにしていました。考えてしまうと、大変だと感じてしまうからです。もし最初の時点で、「60か月連続でやります」と決めていたら、「えっ、そんなに?」「無理です」ということになっていたかもしれません。結局、やっていることは、1曲1曲と向き合うことなんですよ。今からレコーディングする曲のことだけに集中すればいいわけで。これまでもその作業をずっと繰り返してきただけなんですよ。レコーディングの時期とツアーの時期が重なると、やはり大変ではあるので、「うわーっ!」「うわーっ!」って叫んだりしながら、そして流れの中でもみくちゃになりながら、気がついたら、60回続けていたという感じでしょうか(笑)。

──KOUさんはいかがですか?
KOU個人的なことでいうと、ドラムなので、太鼓、シンバル、パーカッションなど、いろいろなものが置いてあるんですけれど、60か月やってる間、ずっと一緒の位置ではなかったんですよ。ところどころセッティングが変わっていました。シンバルが少なくなったり、ボンゴが入ったり、シェーカーを振ってみたり。そうやって楽器が増えたり、セッティングが変わったりすることによって、同じジャンルの曲をやっても、パターンも変わるし、自分でやってる感覚も変わるんですよ。そうやって新鮮さを感じながら取り組めたことが、続けられた要因の1つなのかなと思っています。BLUE NOTE TOKYOに来ていただいたギネス公式認定員の藤渕文香さんが、「次の記録の時にお会いしましょう」と言ってくださったので、そのうちまたと思っています(笑)。
──次の記録というと?
KOU100か月連続ですか(笑)。まあ、今年いっぱい頑張れば、72回になるので、毎年12回ずつ足していけば、いつかは100回になるかなと(笑)。あまり力を入れすぎず、頑張りたいと思います。
──記録が途切れそうなピンチはありましたか?
Mいえ、意外となかったですね。
NIREツアーが続いていると、その合間合間にレコーディングをしなければならないので、調整しながらではありました。逆に、ライブとレコーディングという2つのサイクルがあったからこそ、車の両輪みたいに、うまく前に進めたところもあるんじゃないでしょうか。新曲を作ってライブで披露する、その合間に「ソクドノオンガク」の収録をする、といったバランスを取りながらやってこれたので、うまく回ったのかなと思います。どっちかだけを何年もやり続けていたら、わけがわからなくなってしまったかもしれません。2つあることが、我々にとって、やりやすいサイクルだったのかなと思います。
──H ZETTRIOだからこそ、達成できた記録だなと納得します。
NIREデジタル配信シングルという形態が、我々には合っていたことも大きかったと思います。作ってすぐにリリースできるじゃないですか。これがCDだと、作るのも大変だし、出すのも大変だし、時間がかかりますから。
M昔の時代は、“レコーディングを深夜までやって、終わったら朝5時だった”みたいな話をよく聞くじゃないですか。自分たちにはそういうやり方は、ちょっときついなと思いますよね。
KOUレコーディングの途中で、誰かが怒り出したり(笑)。
NIREもう一回最初からやり直しになったり(笑)。
M自分たちはそういうことが一切ないですし、スピーディーな流れが合っている気がします。
──昨年8月には8枚目のアルバム『Beat Swing』をリリースしています。デジタルシングルを作ることと、アルバムを作ることとの関連性について、どう感じていますか?
M今のところ、アルバムを出す時には配信シングルを全部入れる形でやってきています。今もアルバム制作中でして、おそらく2024年のどこかのタイミングでは出せるのではないかと思っていますね。「こどもの日Special」ライブで、先行販売できたらという話も出てます(笑)。

──シングルは1曲1曲に集中されているとのことですが、その時点でアルバムを見据えて、といったところはありますか?
M1曲1曲を作っているので、レコーディングする時には、とくにアルバムを見据えて作ることはありません。でも、“形にしていくなら、こんな感じにもなれますよね”みたいな意識で作っていくと、やがていつかは、それが形になっていく、という感じですね。
──2月1日には、62曲連続毎月リリースとなる新曲「Workin’」もリリースされました。労働の持っている高揚感や切迫感、とっちらかった感じなど、さまざまなニュアンスが凝縮された見事な楽曲です。聴いていて、どんどんイメージがふくらみました。これはどんなきっかけから生まれた曲なのですか?
M労働をテーマに作ってみようかと考えたのがきっかけですね。とはいえ、労働を音楽にするって、どうしたらいいんだろうと思い、テーマはいったん置いておくことにして、制作しました。曲を作る時はいつもそうなんですが、演奏していて楽しい感じを重視しています。そこで出来上がったものに言葉をつけた時に、イメージが広がったらうれしいなあという感じですね。
──確かに、「Workin’」というタイトルがつくことで、イメージが広がります。KOUさんはこの曲に関しては?
KOUこの曲はもともと「Workin’」という方向性は、決まっていたんですよ。YouTuberの宋 世羅(そん せら)さんという方がきっかけになった曲なんです。
NIREビジネス系のYouTuberの方で、私たちのライブに観に来られていることを、彼のYouTubeチャンネルで観まして、「ぜひ何か一緒に何かやれたら」ということになり、「YouTubeチャンネルのテーマ曲を作りますよ」となった経緯があります。ビジネス系ということもあり、「Workin’」でいこうということになりました。宋 世羅さんとは先日、対談もしました。証券会社、保険会社などで営業の経験を積み、今は会社に属さずにフリーで営業やっている方なのですが、私たちはそういう方と知り合う機会がないので、おもしろい経験になりました。曲も気に入っていただけたようなので、良かったですね。

KOUかなり昔のことですが、時任三郎さんがリゲインという栄養ドリンクのCMに出演されていたことがありました。「24時間戦えますか」というキャッチコピーが付いていたCMです。自分的にはそのCMのイメージでドラムを叩いていました。忙しいんだけど、強い感じ、戦っている感じをイメージしつつ。
──予測不能の事態にも対応して働くビジネスパーソンのイメージもわいてきました。スカのリズムのピアノも印象的でした。3人それぞれのイメージがありつつ、セッションの中で形になっていったということでしょうか?
Mそうですね。スカみたいなピアノは仕事のイメージということはとくに考えていなくて、このフレーズに対して、このリズムのこういうアプローチをしたら、ライブで楽しそうだなと考えながら、演奏していました。
──ライブでも自在な活動をされています。4月からは約 4 年ぶりとなるオールスタンディングのライブも3公演の開催が決定しています。
NIREコロナ禍で開催できなかったので、楽しみですね。スタンディングだと、盛り上がりますし、お客さんの声がより強く感じられるんですよ。「ウワーッ!」みたいな。
M座っている状態よりも顔が前にありますからね。より声が届いてくるという(笑)。
NIRE去年はジャズクラブツアーもやったのですが、ファンのみなさんから「スタンディングライブをやってほしい」との声もありましたし、私たちとしても久しぶりなので、楽しみですね。満を持しての復活です。
KOU自分はスタンディングでドラムを叩いているので、やっとお客さんと対等にスタンディング同士で勝負できるわけで、とても楽しみです。

──5月5日には、恒例となっている「こどもの日Special」と題されたコンサートが昭島市民会館で開催されます。2017年から行われていますが、そもそもやろうと思ったきっかけはどんなことでしたか?
NIRE大きなきっかけがあったわけではないんですよ。「こどもの日」があるんだから、その日にちなんだライブをやってみようか、といった感じですね。
──恒例になったのは、実際にやってみて、手応えがあったからですか?
M普通のコンサートは、騒いだらダメということで年齢制限があるじゃないですか。でも年齢制限をなくしてやってみたら、こどもの声があふれている楽しいライブになったんですよ。小さい子もいますし、小さい子は声を出してしまいますから、ワチャワチャしているんですが、そこが楽しくて、これは続けたいなと思いました。
KOUこどもって突然ワーッって叫び出すこともありますが、そういうところも含めて、楽しいんですよ。
NIRE小さい子だと、泣いちゃったりする子もいるんですけど、別にいいじゃないって視点を変えればいい。クラシックコンサートでは物音がするだけで、「静かに!」みたいな空気が流れますが、“全員オッケーです”という空間にしてしまえば、オッケーなわけですよ。

──確かに最初からそういう前提のもとで全員が参加したら、伸び伸びとした空間になりますよね。
KOU大人もこどもも楽しめる曲をやって、みんなで盛り上がりたいですね。
M「こどもの日」ですし、ゴールデンウィークですから、皆さんの思い出作りになればいいなと思います。親御さんがお子さんを連れてきた時に、お子さんが何をどう感じるかはわかりませんが、その場に来たというだけでも、一つの経験になるのではないかと思います。大人の方たちのことを、私は「大きなお友達」と呼んでいるのですが、お子さんとペアでなくても、大きなお友達が一人で来ても楽しめる日にしたいですね。
NIRE「こどもの日Special」というタイトルが付いていることで、“逆に行きにくい”という人もいるかもしれません。でも全然大丈夫ですから。「家族連れじゃなければ、ダメなんですか?」と聞かれることもありますが、そんなことはありません。こどもでも大人でも、家族一緒でも一人でも、どなたでも、来ていただいて大丈夫です。
M小さなお友達でも大きなお友達でもOKです(笑)。
──H ZETTRIOには「笑って踊れるピアノトリオ」というキャッチフレーズが付いていますが、「こどもの日Special」でもその特徴が発揮されそうですね。「笑って踊れる」という要素は、どうやって形成されたものなのでしょうか? 何か工夫していること、心がけていることはありますか?
Mうーん、なんでしょうか。私はとくに笑わそうとはしていないんですよ。ただ、ふざけたりするのが好きなんですね。普段はまったくそういう動きはしませんが、ステージに上がると、つい、変な動きになってしまうというか、はずしたくなるというか(笑)。ふざけてはいますが、笑わす気はありません(笑)。でも笑ってもらって、全然大丈夫です(笑)。
──過去にやった「こどもの日Special」での思い出、印象に残っていることはありますか?
Mお子さんがわんわん泣いている声が聞こえてくると、「お、いいね」という感じになりますね(笑)。“泣き声も込みで音楽なんじゃないか”、“その空間に鳴っている音すべてが音楽なんじゃないか”という気持ちになります(笑)。
──こどもの泣き声ともセッションするということですね。
Mそうですね。そんな感じです。
──それはとても素晴らしいです。KOUさんはいかがですか?
KOU普段のライブではないようなタイミングで、泣き声や叫び声や笑い声が聞こえてくるんですよ。声がかかったりすると、あえて間を取ったり。いい意味でのハプニングというか、そうしたことも含めて楽しいですね。
NIREやはり予期せぬところで声が入ってくるのは、おもしろいですよね。私たちは、しゃべりをきっかけとして始まる曲をやることもあるんですが、それがコール&レスポンスみたいになって、なかなか曲が始まらないこともあり。そういうこともいいなと思います。これはまさにスペシャルだなって(笑)。

M去年の「こどもの日Special」ではサイン会もやりましたからね。
──それは小さなお友達が並ぶのですか?
M大きなお友達も負けずに結構並びましたね(笑)。
──今年、もしサイン会をやったら、ギネス世界記録保持者ということで、さらにサインの価値が高くなりそうですね。
M確かに、価値があがるかもしれないですね。サインに「ギネス」って書いちゃうかもしれません(笑)。
──「こどもの日Special」に来る人に向けて、何か注意事項のようなものはありますか?
NIREいえ、普通のライブと同じ感じで来ていただければ、普通に楽しめると思います。
M「私たちがあなたの精神を解放してあげましょう」ということですね。
NIREなるほど。こどもの気持ちに戻る、みたいな意味での解放ですね(笑)。
──きれいにまとまりました(笑)。

PRESENT

直筆サイン入りTシャツを1名様に

※転載禁止

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