黒木渚が完全復活後の手応え、ワンマンライブ「〜幻想童話〜砂の城」の展望を語る!

インタビュー | 2017.12.05 18:00

インタビュー/森 朋之

喉の不調による約1年間の活動休止(2016年8月〜)を経て、今年9月にリリースされたシングル「解放区への旅」、東京・TSUTAYA O-EAST(9月24日)、福岡・スカラエスパシオ(10月7日)のライブによって完全復活を強烈にアピールした黒木渚が、2018年2月24日(土)、昭和女子大学人見記念講堂で単独公演「〜幻想童話〜砂の城」を開催する。この1年間、自らの声と向き合い、表現をさらに研ぎ澄ませてきたという彼女に活動再開後の手応え、2月のワンマンライブの展望などについて語ってもらった。

──約1年間の活動休止を経て、シングル「解放区への旅」、そして東京、福岡のワンマンライブで活動再開。見事な復帰を果たしたわけですが、黒木さん自身の手応えはどうですか?

自分が思っていた以上にしっかり復活することができたという印象ですね。活動を再開するときは危なっかしい気もしていたし、完全に完治したというよりも「この症状と付き合っていく」という思いでステージに上がったんですが、お客さんの「待ってたぞ!」という力がすごくて。休んでいる間も応援してくれる方の数が減らなかったのも「いままで踏んできた過程はまちがいじゃなかった」という確信につながりました。価値観、感性を共有できるお客さんがいてくれるということを実感できたし、「これなら全然やっていけるな」と。この1年間、スタッフやバンドメンバーとも交流が深まったんです。本来、仕事以外では集まらなくていい人たちなんですけど、みんなが気遣ってくれて、音楽は一切関係なく、友達として遊ぼうとしてくれて。それはすごく気が楽だったし、「この人たちは、私以上に黒木渚の復活を信じているんだな」と感じましたね。

──活動再開後の最初のライブは緊張感もあったと思いますが、そこでも「大丈夫だ」という実感を得られた?

そうですね。確かにステージに上がる前は緊張感もあったし、「お腹痛い」って言ってるメンバーもいたんですが(笑)、ライブ中、後ろを振り返ると「おまえが何をやっても大丈夫。絶対に打ち返すから」という感じが伝わってきて。グッときましたね。

──シングル「解放区への旅」も、この1年間のブランクがあったからこそ生まれた楽曲ですよね。

はい。じつは休む前にもシングルのレコーディングをやっていたんですよ。普通に考えたら復帰第1弾のシングルはその曲になると思うんですけど、私自身が1年前と同じ心境ではなかったし、この期間を踏まえた新曲をいくつか書いて、改めてシングルの曲を選び直したんです。結局、「灯台」以外はすべて新しい曲になりましたね。

──いま現在の心境を反映した楽曲で再出発したかった?

それもありますし、楽曲という形にすることで、私自身も区切りが付いたんです。もともと私は理屈っぽいところがあって、“日記を書いて、心を整理する”ということを日々やっているような人間で。活動休止中は混乱することもあったけど、作品として残すことで、「乗り越えた!」と思えたというか。リード曲(『解放区への旅』)に関しては、バン!と開けた曲にしたかったんです。病み上がりのジメッとした感じではなくて(笑)、爽快感や軽快さがあって、「ただいま!」っていう感じの曲がいいなって。ライブでは「火の鳥」にすごく感情移入してましたね。レコーディングもバンドメンバー<宮川トモユキ(Ba/髭)、柏倉隆史(Dr/toe、the HIATUS)、多畠幸良(Key)、井手上誠(Gt)>と一緒にやったし、気持ちがすごく入って、号泣してしまって。「2回目(福岡公演)は大丈夫だろう」と思ってたんですが、お客さんが違うせいか、またグッと来て泣いてしまったんです。このままでは“泣き芸”みたいになっちゃうかも(笑)。

──「火の鳥」を歌うときは必ず泣くっていう(笑)。“何度でも蘇ってみせる!”という意思が感じられる曲なので、ライブで歌うと感情が増幅するのかもしれないでしょうね。

そうですね。「火の鳥」の根本にあるのは怒りなんです。私は怒りを原動力にしてきたし、それは一生、変わらないと思っていて。怒りの対象は形のないもの、たとえば逆境とかフラストレーション、あとは巨大勢力に対する反抗だったりするんですが、怒ってるときは元気なんですよね、私(笑)。

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~幻想童話~砂の城

2月24日(土) 昭和女子大学人見記念講堂

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受付期間:受付中~12月14日(木)23:00

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