Rayflowerが10th Anniversary LIVE “Amazing Road”をバンド初の配信ライブにて開催!その模様をレポート!

ライブレポート | 2020.09.22 20:00

Rayflower 10th Anniversary LIVE “Amazing Road”配信ライブ
2020年9月20日(日)

 今年5月17日に10thアニバーサリー・ライブ<Amazing Road>をEX THEATER ROPPONNGIで開催する予定だったRayflower。コロナ禍の影響から同公演は9月20日に延期となったが、9月に入ってからもコロナが収束することはなく、通常の形でライブを行うのは難しい状況が続いていた。それを受けて、RayflowerはEX THEATER ROPPONNGIを使用して無観客形式での配信ライブを行うことを決意。バンドにとって初となるストリーミング・ライブが9月20日に配信されることになった。

 コロナ禍に屈することなくRayflowerがライブをしてくれるのは嬉しいことだが、少し意外に感じる部分もあった。彼らのライブはバンドとオーディエンスがひとつになって、熱気と華やかさに満ちた楽園のような空間を生み出すことが醍醐味のひとつになっている。そんなRayflowerが観客のいない状態でライブをしている姿がイメージできなかったからだ。どんなライブになるんだろうという一抹の不安を感じていたが、さすがはRayflower。無観客でも予想を上回る素晴らしいライブで、楽しませてくれた。

 オープニングSEが流れ、蒼く染まったステージにメンバー達のシルエットが浮かび上がる。ドキドキする感覚は普段のライブと変わらないなと思う中、ライブはパワフル&アッパーな「サバイヴノススメ」から始まった。いつもどおり1曲目からフィジカルなステージングを展開するメンバー達に目が釘づけになるし、躍動感とタイトさを併せ持ったサウンドが耳に心地いい。彼らが一体になって放出する膨大なエネルギーと煌びやかさが混ざり合い、EX THEATER ROPPONNGIの場内が瞬く間にRayflowerの世界へと化したことが感じられた。

 その後は田澤の「Oh,Yeah! お茶の間ぁーっ!!」というアジテーションも挟みつつハードな「Real Game」、どっしりとしたグルーブやYUKIの緊迫感を放つテクニカルなギター・ソロなどを配した「Welcome to The Gracious world」、メロディックな「Garbera」などをプレイ。オープニングから引き続き熱いパフォーマンスを織りなすメンバー達は無観客でいながら空回りしている雰囲気は微塵もなく、みんな本当にカッコいい。なぜこんなに説得力に溢れているんだろうと思いを巡らせていると、突然理由がわかった。Rayflowerは“全身で表現しながら演奏することが当たり前”というメンバーが揃っているのだ。無理してパフォーマンスするのではなく、感情が高まったり、楽曲の世界に入り込んだりすると自然と体が動く。さらに、全員キャリアを積んでいることもありステージングが洗練されている。オーディエンスがいる、いないということに関係なく見映えのいいライブを披露できることをあらためて感じさせられた。

 妖艶さが香る歌中と明るいサビのコントラストを活かしたファスト・チューンの「U-TOPIA」を聴かせた後、田澤が「Hey、それぞれの場所ぉー!(笑) 楽しんでますかぁー?」とあらためて挨拶。「Rayflowerとしては10周年を迎えて、初めてのステージです。いつもとは形が違ってしまっているけど、きっとここにしかないものもあると思う。それぞれの場所と今の俺達がつながれるというのも、あえて言うけど、この状況がくれたわけだから。今日のライブを目一杯楽しんでもらえたらなと思っているので、最後までよろしくお願いします」。

 MCの後、メンバー達は客席の中央に設置されたセンター・ステージへと移動。ステージ上に円を描いて立ち、向き合ってプレイする形でSakuraとIKUOが紡ぐグルーブが心地いい「My Dear…」と壮大なスケール感を放つ「Words Of The Wise Man ~時の贈り物~」が演奏された。レアなフォーメーションは新鮮だし、お互いの距離の近さに少し気恥ずかしそうな表情を浮かべるメンバー達も実にいい。無観客ということを逆手にとって(オーディエンスを入れる場合、EXシアターの客席にセンター・ステージを設置するのは不可能)、こういう演出を行う辺りは見事。普段は見ることができないRayflowerを見せてくれたことが嬉しかったし、アリーナなどでセンター・ステージを設けたRayflowerのライブが観たいなと思わずにいられなかった。

 センター・ステージのセクションを経てメイン・ステージに戻ったRayflowerは、煌びやかさとドライブ感に溢れた「Brilliant Place」と都の華やかなキーボードやSakuraのロールするフィルなどが光るキャッチー・チューンの「It's a beautiful day」を続けてプレイ。群を抜くピッチの良さや豊かな声量を誇る田澤の歌声と実力派揃いのバンドならではのカッチリとしたサウンドの取り合わせは心地よさに満ちている。今回のライブはRayflowerにとって今年初のライブでもあったわけだが、ブランクを感じさせない良質なサウンドを聴かせるのはさすがの一言。音響スタッフの優れた仕事も功を奏して、丁寧に作り込まれた音源を聴いているような錯覚に陥るサウンドを、ライブを通して聴かせることに圧倒された。

 Rayflowerのライブはメンバーそれぞれの人柄が味わえるMCも魅力になっているが、配信ライブではカットするかもしれないと思っていた。が、今回もちゃんとやってくれました。
「ファンの皆さんとの距離はあるけど、なにもなかった状態から一歩近づけたことが個人的にすごく嬉しいです。ありがとうございます!」というIKUOを皮切りに、Sakuraは自身の地元の名所だった『としまえん』が8月31日に閉園になってしまって淋しいという話を披露。「今日はお客さんはいないけど、ツアーで長くやってきた曲達だから、演奏しているとその絵が戻ってくる。だから、そんなに淋しくない。もちろんみんながいてくれたほうが嬉しいけど」(YUKI)。「いろいろ無観客ライブをやらせてもらったけど、今日が一番面白い! 特殊な10周年になったけど、これはこれで一生忘れへんやろなと思います。Rayflowerのファンの方々、このライブを実現させてくれた方々、皆さん本当にありがとうございます」(都)。「音を出せば、言葉にできない思いみたいなものを超えていけるじゃないですか。それは画面越しでも感じてもらえると思います」(田澤)とコメント。それぞれの素顔に触れられるMCに拍手を贈った視聴者は多かったに違いない。

 ライブ後半では、緊迫感を湛えた「Runaway Brain」やパワフルかつ爽やかな「ユースフルハイ」、田澤とIKUOのツイン・ボーカルを活かしたダンサブル・チューンの「Soul survivor」などが畳みかけるように演奏された。ステージのボルテージはどんどん高まっていき、観ているこちらの気持ちも自然と引き上げられる。本編のラストを飾った「Bloom Moment」ではイントロで銀テープのキャノン砲が打ち上げられ、盛り上がりは最高潮に達して、爽やかな余韻を残してRayflowerはステージから去っていった。

 初の配信ライブでポテンシャルの高さを余すことなく発揮してみせたRayflower。彼らのライブならではの素晴らしい空間はオーディエンスのRayflowerに対する深い愛情が生み出しているのはたしかなことだが、バンドがそれに甘えることなく、オーディエンスを力強くリードするからこそ創出されることをあらためて感じることができた。Rayflowerの巻き込み力は強大なだけに、今後も彼らに魅了されるリスナーが後を絶たないことは想像に難くない。メンバー全員がライブを楽しんでいることが伝わってきたこともあり、今後も定期的に配信ライブを行ってくれることを願う。

 もうひとつ今回のライブを観て感じたことだが、Rayflowerの“暑苦しくない前向きさ”は、コロナ禍で落ち込んでいる世の中の空気を明るく染めるパワーを持っている。コロナ禍の閉塞感に覆われた中、力強さを持っていながら心地よく癒される音楽を求めている人にはRayflowerに触れることを強くお薦めしたい。今の世の中にフィットすることも含めて、今後のRayflowerに対する期待がさらに高まった良質なライブだった。

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