Chara、アニバーサリーライブをレポ「29周年が終わって、30周年の1日目。いろんな曲を歌いたい」

ライブレポート | 2020.09.25 13:00

Chara Live 30 Years "Dance With Me?"
2020年9月22日(火・祝)LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

デビュー30周年を迎えたCharaが9月22日(火・祝)にLINE CUBE SHIBUYAにてアニバーサリーライブ「Chara Live 30 Years "Dance With Me?"」を開催した。

1991年9月21日に1stシングル「Heaven」でデビューしたCharaには、2020年9月21日がデビュー29周年の記念日で、翌22日は30年目の1日目となる。また、本公演は自身初となる生中継のオンライン配信とともにリアルチケットも販売。収容人数の50%以内の定員を厳守しながらも、Charaが観客を入れたワンマンライブを開催するのは、今年1月に恵比寿リキッドルームで行われたバースデーライブ以来、実に8ヶ月ぶりで、彼女を長年支えてきたオーロラバンドのメンバーが集結するのは2018年1月のバースデイライブ以来2年ぶり。この日は、オーロラバンドのバンマスである高桑圭(Curly Giraffe)が影アナも担当。歓声が出せないことを心配したCharaがインスタなどで「タンバリン持ってきて」と呼びかけていたタンバリンの音を出す練習も行い、「声は出せないですけど、今までとは違う形で楽しんでいってください」と声をかけた。

会場では、予定時刻から10分ほど遅れて開演を知らせるベルが鳴ると、紗幕にサーカス小屋のようなテントと白い鳥の羽根を身にまとったダンサーが映し出された。その後、サーカス団員の衣装を着たメンバーが風船を次々と手渡し、シルクハットをかぶり、真っ赤なジャケットを羽織った団長の高桑に続き、猛獣につける鎖のようなブレスレットを腕にぶら下げたCharaがメイクルームから登場。観客からのクラップが沸き起こる中で紗幕が上がり、14年前にFantastic Plastic Machineの田中知之をプロデューサーに迎えた「Crazy for you」、12年前に野田洋一郎がプロデュースした「ラブラドール」と、近年のライブではあまりやっていないレア曲で猛獣たちが集うサーカス・ショウの幕をオープンさせた。椅子に座り、「静かにやっていきましょう。会えて嬉しいです」とあいさつしたCharaは「29周年が終わって、30周年の1日目。いろんな曲を歌いたい」と語り、この日のライブがこれまでにリリースされてきた数多くの作品から幅広く選曲されていることを明かした。

ゴンドウトモヒコによるミュートトランペットが奏でるフレーズと若森さちこのコンガ、神秘的な多重コーラスが優しく切ないムードを引き連れてくる94年の名曲「Happy Toy」、最新アルバム『Baby Bump』のリード曲にして、Charaが22歳頃に作ったデモをLUCKY TAPESのKai Takahashiがサウンドプロデュースをして現代に甦らせたフューチャーディスコ「愛のヘブン」、いつもはCharaのウィスパーヴォイスと観客の大合唱が重なる楽曲で、YEN TOWN BANDでも一緒だったギターの名越由貴夫と故・吉村秀樹(bloodthirsty butchers)の三人で作った97年発売の大名盤『Junior Sweet』に収録されていた「タイムマシーン」と、新旧を織り交ぜた構成で、時代が変わっても決して色あせることのないタイムレスな魅力を存分に発揮。

亀田誠治プロデュースで、2007年発売の10thアルバム『UNION』収録曲の「o-ri-o-n」では空から降ってきた満天の青い星空の中でストロングなハイトーンを響かせ、30年間でライブでやるのはこの日が2回目という「糸し糸しと言う心」(14thアルバム『Cocoon』収録)では、「自分で自分へのリクエスト。この頃、恋をしていたんでしょうね」と遠い目をして、会場を沸かせた。イントロでタンバリンによる歓声が湧き上がったYEN TOWN BAND「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」から、鳥のさえずりを経て、1stアルバム『Sweet』の9曲目「Break These Chain」、暗転後の映像を挟み、同作の10曲目にしてインストナンバーである「女の子」、さらに、2ndアルバム『Soul Kiss』のオープニングナンバー「SOUL KISS(Prologue)」を続けて披露。黒鳥のようなワンピースから真っ赤なドレスに着替えたCharaは「懐かしいね」とポツリとこぼし、2ndアルバム『SOUL KISS』の2曲目であるファンクナンバー「あの時計の下で」を歌うとオーディエンスを手を左右に振って盛り上がり、同作収録の「あれはね」は2004年リリースのセルフカバーバージョンで演奏した。

デビュー1年目、2年目のアーリーイヤーズから2013年へ。「hug」ではタイトル通り、オーディエンスを大きなメロディで包み込み、分断ではなく分かち合うことをテーマにした「世界」はおそらくデモに近いアコースティックギター2本を中心としたセルフカバーバージョンで、曲中には「人間は一人じゃ生きにくいよね」と笑顔で語りかけた。長女のSumireがカバーを飾った2008年発売の11thアルバム『honey』収録の「甘い辛い」ではChara自身がアコギを弾きながら歌い、デビューのきっかけとなったスロウバラードで、19歳当時の初の大失恋を描いた「Violet Blue」の歌唱前には、「息子がいい曲だねって言ってくれたから歌います。リハでは泣いたりしてちゃんと歌ってないから、リラックスして歌おう」とコメントしたが、楽曲の終盤には後ろを向いて絶叫。照明も激しく点滅し、表情が窺えないパフォーマンスとなっていた。

ライブの後半には、「Happy Toy」と同じく4thアルバム収録曲で、普段のライブではお馴染みのコール&レスポンスが繰り広げられる「罪深く愛してよ」をアコースティックなセルフカバーバージョンで優しく穏やかにプレイ。Charaがお家から送る配信プログラム「Rainbow Staircase」のプレパーティーでも届けられた2000年発売の20thシングル「月と甘い涙」は、美しい照明のもとで絵本を読み聞かせるように、かつロマンチックに歌い、99年発売の6thアルバム『STRANGE FRUITS』収録のロックナンバー「Duca」で場内の熱気は上昇。最後に代表曲「やさしい気持ち」をダンサーとともに踊り、タンバリンを叩きながら熱唱。サーカスでクラウンが乗るような小さな台に乗ったCharaはうずくまって、ブーツを脱ぎ、裸足のままでステージ袖へと走り去っていった。

配信はここで幕を閉じたが、Charaは再び登壇。「今日、ここに来てくれた皆さんのためにだけ歌います」と語り、長女を妊娠していたときに書いた「歌詞で初めて『私たち』って書いた出発の歌」だという「Tiny Tiny Tiny」をピアノを弾きながら歌い、万雷の拍手の中で大団円を迎えたが、<なくしてもあたしのをわけてあげるよ>というフレーズ、そして、「Crazy for you」「o-ri-o-n」「世界」と3曲も選曲された10thアルバム『UNION』のタイトルが持つ意味と、様々な豪華プロデューサー陣との“調和”を基調に作られた作品だったことについて、今の時代だからこそ、改めて深く考えさせられるライブとなっていた。

なお、本公演の視聴チケットはが9月27日(日)18:00まで購入可能となっており、この日の模様は9月27日(日)23:59までアーカイブで視聴することができる。

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