TOKYO ISLAND、今年はどう変わった?初開催から2年連続参加の兵庫慎司による体験記

ライブレポート | 2023.07.07 18:00

撮影=山川哲矢

TOKYO ISLAND 2023
2023年6月10日(土)11日(日) 海の森公園 森づくりエリア

おいおいおい。大丈夫か鹿野 淳。「もし今年、激しい悪天候になったら、自分はこのフェスから身を引く」とまで言ったけど、ほんとにそうなりそうじゃないか。どのようなタンカだったかは、開催前にDI:GA ONLINEで行った、こちらのインタビューをご覧ください。≫https://diskgarage.com/digaonline/interview/178414

と、心配になるくらい、「沖縄方面から来た台風、この時期、このエリアにかするのでは?」という懸念もある天気予報が、一時は出た。が、幸い、「雨ですみそう」、「豪雨にはならさそう」、とだんだん予報がやわらかくなってきた上で迎えた、二回目の『TOKYO ISLAND』の初日。それでも、初日の途中から雨が降り始める、という予報だったが、その降り始めの推定時刻がじわじわと遅くなり、結局、最初にポツリと降ってきたのは、オールナイトのステージのトリのアクト=BREIMENが、27時に始まってから、40分くらい経過したあたりだった。と、正確に把握しているのは、ライブを観ていたからです。テントを張って泊まりました。

撮影=堀 清香

そりゃあもちろん晴れるに越したことはないし、それは叶わなかったが、これも鹿野 淳の事前の宣言であるところの「梅雨時の雨は、降ってもシトシト」どおりの2日目・ほぼ降らなかった1日目、という天候になった。
初日の27:40にポツポツ降り始めて以降は、ドーッと雨がテントを叩く時間もあり、その影響で、2日目の朝9:30からの予定だったヨガが中止になって、代わりにラジオ体操が行われたりしたが、12:00にトップのFIVE NEW OLDの途中で、止んだ。その後、また降り始めてからは、雨が続いたが、雨足が強まることは、終演までなかった。
以上、なんせ去年が去年だったもんで、最初から天気のことばかり書いてしまった。が、そんなようなわけで、二度目の『TOKYO ISLAND』は、さしたる混乱もなく、無事に、2日間の開催が終わったのだった。
人が多くなかった、というのもあるが、それだけが理由ではなく、ハッピーでピースフルな空気のまま、フェスが進んで行った。
では以下、去年に続き、フェス全体の体験レポです。
あ、昨年の状況と比較すると、どこがどう変わったかが、わかりやすいか。
昨年のレポはこちらです。
≫https://diskgarage.com/digaonline/liverepo/169645

●会場までのアクセスについて

去年と同じく、クルマで向かった。去年は、目的地がカーナビに表示されなくて(開園前の公園だから、住所や名称を打ち込んでも出ないのです)、あわてた末に道を間違えたりしたのだが、今年は二度目なのでそんなことはなく、スムーズに到着した。
かかった時間は、自宅を出てから40分。たとえば、自宅からZepp Haneda(TOKYO)までだと、道路の混み具合にもよるが、いつもだいたい1時間はかかる。それより近いわけです。
東京圏の野外フェスの会場、つまり外で、大きな音を出して、人が集まっても大丈夫な場所、として考えると、これ以上アクセスのいいところ、ないと思う。無理矢理比較対象を挙げるなら、日比谷野外大音楽堂と代々木公園のステージぐらいだが、どちらも「ライブ」はできても「野外フェス」は無理だし。
なお、クルマと(原付を除く)バイク以外の来場方法は、りんかい線の東京テレポート駅[Zepp DiverCity(TOKYO)と今はなきZepp Tokyoの最寄り駅]と会場を往復しているシャトルバスのみ。混む時間帯は15分間隔、それ以外は30分間隔で運行。開園前の公園なので、路線バスなどの公共交通機関が、まだないのですね。そちらも、さしたる混乱はなく、スムーズに運行したという。
あ、その方面で唯一、今後に課題を残したのが、「クルマを駐めてからキャンプサイトまで行くのが遠くて荷物を運ぶのが大変」という声に応えて、一度、クルマで会場中央部まで入れて、そこで荷物を下ろしてから駐車場に向かうことができる、というオペレーションにしたことだ。
初日の朝、クルマが集まりすぎてなかなか入れず、渋滞が起きていたようで、開演の挨拶の時、鹿野 淳がそのことを謝っていた。

撮影=片山祐輔
会場中央部のCAMP AREA(CAMP DESK)近くまで車を乗り入れることが可能

撮影=片山祐輔
シャトルバスから入場ゲートまでは緑が生い茂る道を進む

●ステージについて

昨年は、メインの敷地に大きい方のステージ=ISLAND STAGEがあって、そこから5分とかからない場所に小さい方のステージ=TOKYO STAGEが作られていたが、今年は2つのステージが横並び。で、片方が演奏している間に片方が転換をして、終わったら15分間音を出してサウンドチェックをして、次のアクトが始まる。というふうに、サクサク進んで行くし、スムーズに全アクトを観れる。
これ、去年よりもいいじゃん。便利じゃん。と思ったが、スタッフにきいたところによると、もちろん「改善した」というのもあるが、「去年と同じにはできなかった」というのもあったようだ。
先に貼ったインタビューの中で、鹿野 淳も言っているが、この海の森公園は開園前であり、公園を作る造成作業がまだ進行中なので、どんどん状態が変わっていくそうなのだ。
たとえば、去年はクルマが入れた場所だけど、今年は入れないから資材を搬入できない、とか。それで、今年はこの形になったという。
でも、実際、快適だった。というか、ラクだった、観るのが。で、ステージ2つが横並び、ということは、片方で本番をやっている時に、もうひとつのステージの前方には次のアクトを待っている人たちがいるわけだが、その人たちも、どのアクトの時も、「なので、今やってるバンドには興味ありません」という感じではなく、その位置から今の演奏を楽しんでいたのも、とても良かった。
特にそれを感じたのが、2日目のトップで12:00からISLAND STAGEに出演した、FIVE NEW OLDの時。隣のTOKYO STAGEの前で、次のAile The Shotaを待っているお客さんたちも、大いに踊ったり腕を振り上げたりしていて、ボーカルのHIROSHIをはじめメンバーたち、とてもうれしそうだった。そりゃあうれしいだろうなあ、と、素直に思った。
なお、これも鹿野 淳がインタビューで話しているが、去年の悪天候の影響をモロに食らった要因だった「額縁型吹き抜けステージ」は、今年は廃止され、通常の形のステージになった。

撮影=山川哲矢
ISLAND STAGEとTOKYO STAGEが横並びでスムーズに全アクトを観られる

●場内のレイアウト等について

キャンプサイトは、去年は入場ゲートをくぐって左側であるISLAND STAGEの後方と、右側のエリアとの二ヵ所に設けられていたが、今年は入場ゲートをくぐって右がふたつのステージと飲食店関係と休憩スペース、左がキャンプサイトとワークショップ等のアトラクションのコーナー、というふうに、ばっきり分かれていた。
これも正解だったと思う。遠くにあるふたつのステージは、そのキャンプサイトの方向を向いているので、テントの中にいても、音がよくきこえるし。キャンプサイトを独立させたことによって、そのエリアで、家族で泊まっている子供たちが遊び回ったりしていて、眺めているだけで気持ちが和むような、いい空気感になっていたし。
ただ、これも、公園自体のオペレーションが変わったからこうした、という側面もあったようだ。で、造成の工事は今後も進むので、来年も、全部今年と同じ、というわけにはいかないそうだ。
そうか、成功例を踏襲できないのか。難しいんですね、完成前の公園でフェスやるのって。カーナビにも出ないし。しつこい。でもほんとにびっくりしたのだ、去年。「カーナビに出ない場所に行く」なんて経験、普段なかったもんで。

撮影=堀 清香

撮影=山川哲矢
飲食エリア

撮影=山川哲矢
飲食エリアからもステージが楽しめる

撮影=山川哲矢
キッズエリア

撮影=堀 清香
ワークショップ

撮影=山川哲矢
今年も大人気だった恐竜ツアー

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