【長岡米百俵フェス ~花火と食と音楽と~ 2023】 3DAYSレポート(10/7)

ライブレポート | 2023.10.13 16:00

スキマスイッチ

 7月に結成20年目を迎えたスキマスイッチは、ハウスバンドメンバーと一緒に立ったステージでヒット曲「ガラナ」を演奏。坂井"Lambsy"秀彰のパーカッションが先導した「雫」では、ゲレンデに哀愁が広がっていった。ボーカル・ギターの大橋卓弥は「長岡!ギリギリ晴れてきましたね」と雲の合間に青空が見え始めた上空を見つめて笑顔に。続けて「お米おいしいね。食べたよ。たらこ、すじこ、たらこ、すじこ」とケータリングで提供された新潟の新米を使ったおにぎりを堪能したことを報告。常田も「食べ過ぎちゃうもんね」と苦笑いしていた。ロックナンバー「Ah Yeah!!」では、ファンがサビで手にしたタオルを頭上に投げて応戦。大橋はファンのパフォーマンスに「ありがとう!」と右手をあげて感謝していた。「知っている人がいたら一緒に歌って」と声をかけた「全力少年」のサビでは、マイクを会場に向けた大橋。「みんなの声が届いたから、晴れたね」と“澄み切った視界”が広がったことを喜んでいた。「こうやって20年経っても、歌える場所をいただけることがうれしい。これからもみんなの前で歌っていきたい」とファンに頭を下げたライブの最後は結婚式など節目で歌われる機会も多い「奏(かなで)」を選曲。聴き手それぞれが思い出を重ね、聴き入っていた。

石井竜也

 「やってるかい、じゃ、始めっかーい」と声をあげた石井竜也は、「浪漫飛行」を軽やかに歌い始めた。いきなりの大ヒット曲に急いでエリアに戻る人の姿もあった。美しい歌声とは一変、MCでは終始陽気な石井。最初のMCでは「みんな元気かー。長岡…。ブヨに気を付けてください。ブヨが飛んでいるらしいですから。長岡と言えば米どころ。米がいいとブヨがいるっていう。刺されると痛いですから、ブヨに気を付けて」とブヨを連発し、会場の笑いを誘っていた。「次はアニメの曲をやります。でもみんなあんまり知らないかもしれない」と投下されたのは、ジブリ映画「天空の城ラピュタ」のDVD化記念のキャンペーン曲としてリリースした「君をつれて」。雨が上がり澄んだ空気の中で、豊かな石井の歌声が会場を包み込んで行った。社会現象になったドラマの主題歌に起用された「君がいるだけで」では、サビの前におなじみのクラップが会場から起こっていた。終盤にはディスコナンバーの「夢 DE 愛魔性」をセクシャルに歌い上げた。「DJ OZMAっていうやつが歌って、ヒットした曲をやります。決してオレが歌って、ヒットしたわけじゃない。ちょっとくやしい」と肩をすくめた「HI TENSION LOVE」を歌う前には、羽織っていたロングジャケットの左右のポケットから、「もらってきたんですけど、ちょっと重いから置かせて」とフェスの公式LINEアカウントを友達登録した人全員に来場者プレゼントされた「新潟県長岡市産新米コシヒカリ」の小袋を取り出すと、イントロ中に前方の客に投げ入れるパフォーマンスも。受け取った人は、予期せぬ贈り物に目を丸くして喜んでいた。歌と毒舌を織り交ぜたMCで沸かせたステージ。最後の曲を終える間際、「まだ、終わらない」と言うように、ベース音を口ずさんだ石井。気付いたベースの根岸孝旨、ドラムの江口信夫がすぐにアドリブでリズムをつなぐと、ハウスバンド全員での即興セッションを披露。贅沢な時間に、歓声が起きていた。

德永英明

 真っ白なロングコートを羽織った德永英明は、ハウスバンドの演奏でヒットソング「レイニー ブルー」を静かに歌い始めた。青い光の中で、広がっていく透き通った歌声は、全てを洗い流して行くよう。真摯に音楽に向き合う德永に、拍手と歓声が降り注いでいた。MCでは「長岡は米どころ、海鮮もおいしいし最高だね。昨日はのどぐろに、サザエのつぼ焼き、ふぐの天ぷら、アンコウ鍋と、アンコウ鍋のおじやと、お寿司と…。お腹いっぱいになりました。満喫しましたよ。長岡花火も上がるし楽しみにしています。」とフェスを楽しんでいるよう。「この後登場する甲斐バンドの甲斐(よしひろ)さんは、小学校の先輩です」など意外な接点も明かした。「僕のそばに」、しっとりとした「最後の言い訳」と歌い上げていく德永に向けて、会場のあちこちで光るペンライトが星の瞬きのように揺れていた。代表曲「壊れかけのRadio」では、ファンとの時間を愛おしむようにステージの前方に立って、声を届けていた。曲の終盤には「オレが下をやる」と会場とハモる時間も。「みんな声出てるね。ありがとうございました。ミュージシャン(ハウスバンド)にも大きな拍手を!アディオス!」と左手を振りステージを後にした。

甲斐バンド

 初日のトリを務めたのは伝説のロックバンド、甲斐バンド。来年結成50年を迎えるバンドは、「ダイナマイトが150屯」で会場を着火。ダブルドラムが地鳴りのような音を轟かせた。マイクスタンドをキックした甲斐の鋭い動きにも、歓声が上がる。甲斐は「このフェスのヴァイブを掴みたくて、昨日から現地に入って。とにかく今夜は最高の夜にするんで、みんな楽しんで行って」と語ると、「安奈 2012.」を熱唱。艶があるハスキーな歌声で、会場を酔わせていた。「ちょっとロマンティックなナンバーをやりましょう」と始めた「裏切りの街角」からは、「漂泊者(アウトロー)」まで5曲を休みなしで演奏。「漂泊者(アウトロー)」では、赤、青、黄、白など点滅する照明の中で、「♪誰か俺に愛をくれよ」と甲斐の切ない歌声に応え、会場からも「愛をくれよ!」と声援が送られていた。全10組が7時間半以上をかけてつないだフェスの大トリを飾ったのは、180万枚以上を売り上げた1979年の大ヒット曲「HERO(ヒーローになる時、それは今)」 。生涯ロッカーを体現する甲斐らは、1音で会場を再燃させた。甲斐の歌声に合わせ「HERO!!」と拳を上げ、熱い思いをみなぎらせていく観客たち。エネルギーに満ちた楽曲に、会場から惜しみない拍手が送られていた。

 フィナーレは、復興と鎮魂の思いを込めた約20分間の長岡花火。上空一杯に広がった大輪の花が夜空を彩っていた。

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