兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第39回[9月の巻~後編~]

コラム | 2019.10.07 12:00

イラスト:河井克夫

主に音楽、時々映画などのライター兵庫慎司が、自分が観たすべてのライブに関してひとことレポを書いて、月2回のペースでアップしていく連載の、2019年9月後半編です。
今回は全部で8本、そのうち野外は2日。前者はうまいこと雨に当たらなくてすみましたが、後者は直撃でした。

9月16日(月・祝) キセル @ 日比谷野外大音楽堂

前日のBase Ball Bearに続き、2日続けて日比谷野音、キセルにとってここでのワンマンは三回目。まったく余談ですが、前日のBase Ball Bearが終わって2時間くらい経ってから大雨になったが、翌日の午前中には止んでこのキセルの公演にもまったく支障なし、という、いい降り方でした。
基本はバンド編成、まんなかへんでエマーソン北村を迎えてメンバー(辻村兄弟)と3人編成のコーナーもあり。20周年記念ベストアルバムをリリースしてのライブだったこともあり、歴代の名曲たちをたっぷりやってくれた。何ひとつ奇をてらったところなどなく、素朴と言っていいくらいシンプルなのに、「フォーク」じゃないし、「ダブ」とも違うし、というふうに何かのジャンルに収まる形にならないのっておもしろいし、そこが魅力だよなあ、などと、観ながら改めて思った。
あと中盤のMCで、兄弟が「20年続けてきてよかったです」という話をした時。兄が「やめようかと思った時も何度もあったけどな」と言うと、弟、「うん。2年くらい前にもあったしな」。最近じゃないか。こんなふうに、ドキッとするようなことをサラッと言うのも、キセルっぽいといえばキセルっぽい。

9月21日(土) BUMP OF CHICKEN @ ナゴヤドーム

音楽雑誌B-PASSにライブレポの依頼をいただいて行きました。雑誌が出るのはまだ先だし、それより早くここに詳しく書いてしまうのは道義的になしなので、ひとことだけ。僕がこのツアーを観たの、1本目のメットライフドーム以来だったんだけど、びっくりするくらいよくなっていた。ファイナルの東京ドームも観たい。

9月22日(日) 京都音楽博覧会 2019 in 梅小路公園 @ 京都・梅小路公園芝生広場

前日、名古屋でバンプを観終わってすぐ京都に移動して一泊、翌日正午の開演から19時10分くらいだった終演まで『京都音博』を楽しんで、関西の友人2名と21時まで飲んで、最終ちょい前の新幹線で東京に帰る、という濃密な日でした。
特にNUMBER GIRLを観れて感無量だったけど、前のアクトのnever young beachが終わると同時に雨が降り始め、NUMBER GIRLが始まる頃には大雨になり、終わると同時に止んだのには笑いました。
全アクトのレポをリアルサウンドに書いたので、アップされたらリンク貼ります。

9月23日(月) ネクライトーキー @ マイナビBLITZ赤坂

前からライブちゃんと観たいと気になっていたバンド。こりゃ人気出るわ、と痛感する、圧倒的なライブだった。とか言ってるのも全然遅い。この日のステージでメジャーデビューを発表していたし、そもそもこの日はツアーの東京公演が即完したのを受けての追加公演で、それで平日にBLITZが完売してるんだから、もう人気出ているってことだし。ただ、今後、この規模では全然収まらなくなると思う。
メンバー全員キャラ立ってて、メロディもリズムも曲展開もコードワークもおいしさの塊で、ただしキャッチーでとっつきやすいだけじゃなくて、深みや歪みや謎などが随所に感じられるところが特にすばらしい。
時折、歌メロと鍵盤とギターの絡みがオリエンタルな響きを放つところに、ソウル・フラワー・ユニオン/ニューエスト・モデルに通じるものを感じたりした。でもそんなこと感じるのは俺くらいかも、とツイートしたら、2人、賛同してくれた人がいました。

9月26日(木) 908 FESTIVAL 2019 @ 横浜アリーナ

ほんとに3時間があっという間だった。出演者がいい、それぞれのパフォーマンスがいい、というのはもちろんあるけど、いちばんはKREVAの構成力、トータル・プロデュース力だろうなあ、とつくづく思う。
DI:GA ONLINEにレポを書きました。こちらです。

9月27日(金) 真心ブラザーズ @ 日本青年館

ファンの人気投票で選曲し、ゲストを招いて再レコーディングした結成&デビュー30周年ベストアルバム『トランタン』のリリース・ツアーの1本目、この日は6人編成でのライブ。
レーベルが各ウェブメディアに発信する、オフィシャルのニュースレポを、翌日と2日まとめて書きました。BARKSにアップされたものはこちら

9月28日(土) 真心ブラザーズ @ 日本青年館

そのツアーの2日目、この日は10人編成でのライブ。なお、2日とも、本番中に1曲と、アンコールが終わって去り際に全員でポーズを決めたところ、その二回だけ「ステージを撮ってアップしてもOK」の時間が設けられました。せっかくなので私も撮りました。1日目は最後の写真、2日目は曲の途中の写真。

9月29日(日) LOST IN TIME×the shes gone @ 下北沢CLUB Que

LOST IN TIMEが同じレーベルのニューカマー、the shes goneに声をかけて実現した対バン企画。LOST IN TIMEはさんざん観てるけど、the shes goneは二回目、半年ぶりくらい。前回は正直「曲いいけどバンドの音は線細いなあ」と思ったが、今回、見違えるようによくなっていた。で、それによって「曲いいけど」くらいじゃなくて「うわ、曲、いい!」くらいになってもいた。
あとアンコールでLOST IN TIMEの海北大輔とthe shes goneの兼丸、ふたりでthe shes goneの「甘い記憶」をやって、続いてメンバー全員でLOST IN TIMEの「グレープフルーツ」をやったんだけど、海北の歌う「甘い記憶」にも兼丸の歌う「グレープフルーツ」にも、「あ、こういう歌だったのか!」という発見があった。いい対バンでした。
なお。この対バンが決まった時、SPICEで海北と兼丸の対談をやりました。こちらです。

  • 兵庫慎司

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    兵庫慎司

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