兵庫慎司のとにかく観たやつ全部書く:第43回[11月の巻~後編~]

コラム | 2019.12.06 12:00

イラスト:河井克夫

音楽などのライター兵庫慎司が、自分が観たすべてのライブについてひとこと書く連載、2019年11月後半編、全8本です。というのとは全然関係ないですが、「ユニコーン『服部』ザ・インサイド・ストーリー」という本を、リットー・ミュージックから11月21日に出しました。ご興味ある方はぜひ! ない方が読んでも、おもしろい自信はありますので、ぜひ! リットー・ミュージックのサイトはこちらです。

11月16日(土) フラワーカンパニーズ @ HEAVEN’S ROCK KUMAGAYA VJ-1

対バンゲストとかイベントとかで、夏が終わっても切れ目なくライブが続いていたフラワーカンパニーズだが、9月4日に出たニュー・アルバム『50×4』のリリース・ツアーの初日がこの日。なので、前回までのライブと違い、初めてライブでやるというアルバム収録曲がいくつもあったりして、ステージの空気は緊張したりテンパったりしていたが、満員のフロアの方はやっと思う存分『50×4』 の曲を生で聴ける! という喜びに終始満ちていて、結果、とてもテンション高くて熱いステージになっていた。写真は終演直後。

11月18日(月) THE BACK HORN @ Shibuya WWW X

こちらもニュー・アルバム『カルペ・ディエム』のリリース・ツアーの初日。なので、こちらもライブでやるのはこの日が初めて、という曲、何曲もあり。『カルペ・ディエム』、これまでのTHE BACK HORNのアルバムと並べるとあきらかに異色なのに、とてもTHE BACK HORNな鳴りをしている。「自分たちらしさとは何か」とか、「ここまではセーフでここからはアウト」とか、そういうのを一切考えずに自由に作ったら、逆にとても自分たちらしい作品になった、というか。そんな『カルペ・ディエム』を存分に楽しめた初日だった。

11月19日(火) ナイツ @ 赤坂草月ホール

毎年この時期恒例、ナイツの全国ツアーのファイナルの「凱旋公演」(イコール追加公演だと思う)、赤坂草月ホールで、ゲストは清水ミチコ。って、こんなの普通チケット取れるわけないが、なんのコネもないのにしっかり取っていた友人がいて、「一緒に行く友達が都合悪くなったから、どう?」という夢のようなお誘いがあり、観ることができました。
ふたりの漫才ネタの数々も、その合間をつなぐ土屋伸之の消しゴムサッカー大会の映像(ナイツのラジオリスナーしか知らない案件ですが説明するのもあれなので知りたい方を各自調査を)、ゲストの清水ミチコも、もうとにかくおもしろかった。特に新鮮だったのは、土屋がビートルズの「Hello, Goodbye」などの歌を延々と歌い続け、横で塙がその歌詞に乱暴につっこんでいくスタイルの漫才。テレビで何度か観た時の僕の印象では、正直、「ナイツの中ではあんまおもしろくないやつ」だったのだが、この日のネタは死ぬほど笑った。選曲は、ジッタリン・ジンの「プレゼント」でした。

11月20日(水) 真心ブラザーズ @ マイナビBLITZ赤坂

デビュー30周年記念セルフカバー・アルバム『トランタン』のリリース・ツアーで、バック・バンドは4組、それぞれと数公演ずつ行う、という、かなり他に類を見ないことを行っている真心ブラザーズ。で、この東京公演は、ベース大木温之&ドラム佐藤シンイチロウのSHIELD BREAKERSとともに行うはずだったが、周知のとおり大木温之が食道がんで急遽療養→手術、ということで、代わりにグレートマエカワ&サンコンJr.のCRAZY BUFFALOESが務めることになった。リズム隊がこのふたりだから、ということをおそらく意識した、レア曲満載のすばらしいセットリストだった。で、このふたり、確かにすばらしかった。すごいグルーヴ。特に、普段使わない筋肉を駆使してベースを弾きまくるグレートマエカワのベース・プレイが印象的だった。
なお、写真は、最近の真心のツアーでは恒例になっている「この曲だけ撮影OK、ただし個人で楽しむだけはダメ、撮ったら拡散すること」という曲の時のものです。

11月24日(日) LOST IN TIME @ 下北沢 CLUB Que

LOST IN TIME、今年最後のワンマン(イベント出演等はまだあります、大晦日のCLUB Queとか)。MCを全部なしににして、その代わりに、数曲おきに、海北大輔が用意してきた詩を読んでから次の曲に入る、という、新たな試みを行っていた。で、アンコールでのMCだけ、普通にしゃべるという。
それが大正解だった。ライブの頭から最後まででひとつの作品、という感じがとても強くなっていて、はりつめた空気が続いて。今後も当分このスタイルでやるのがいいと思う。やればやるほどさらによくなっていく予感もするので。

11月26日(火) THE BACK HORN、BRAHMAN、銀杏BOYZ @ 豊洲PIT

音楽雑誌、音楽と人プレゼンツの『豊洲ナイトカーニバル』というイベント。トップのTHE BACK HORN、1週間前にツアー初日を観たばかりだったが、その時と全然違うセットリストで(ニューアルバム『カルペ・ディエム』の曲を減らして人気のライブ鉄板曲を入れていた)、どっちも観れて得した気分になった。2番手BRAHMAN、歌&演奏もさすがのひとことだが、特にTOSHI-LOWのMC、すごい。「この人マジでロック・ボーカリストのMCで日本一だなあ」と、この日も思った。
で、トリの銀杏BOYZ。そこそこライブ観ているつもりなので、自分の中のハードルが上がっている自覚はあるが、そんなハードルぶち破るくらい、ちょっとびっくりするくらい、よかった。何があったんだ峯田、と問いたくなるくらい。別に何もないと思うが。今の5人になって以降でベストだったかもしれない、ほんとに。
なお、THE BACK HORN、この翌日はツアーで熊谷だったのだが、それが終わったあとの4公演が、ボーカル山田将司の喉の不調(急性声帯炎及び声帯結節)で、中止になってしまったのにはびっくりした。そんな気配、まったく感じない歌いっぷりだったので。スムーズな回復を祈ります、でも無理なさらず。

11月29日(金) 9mm Parabellum Bullet @ Zepp Tokyo

ニュー・アルバム『DEEP BLUE』のリリース・ツアーのシメ、Zepp Tokyo2デイズのファイナル。で、4月からいろいろ行ってきた、結成15周年プロジェクトのファイナルでもある。
曲調といい歌詞といい、こんなにストレートでシンプルで、簡単に言ってしまうと明るくて前向きな……ってほんとに簡単に言ったな俺。まあいいや、そんなふうに言い表したくなるところがこれまでの9mmと違うのが『DEEP BLUE』というアルバムだと僕は思っているのだが、その『DEEP BLUE』の曲たち、ライブになるとすごい威力を発揮することがよくわかる、そんなステージだった。大満足。というか、楽しかった、とにかく。
『DEEP BLUE』のリリース・タイミングで、ここDI:GA ONLINEで、菅原卓郎にインタビューをしました。こちらです。まだの方、ぜひ。

11月30日(土) コロナナモレモモ(マキシマム ザ ホルモン2号店) @ 岩下の新生姜ミュージアム

これ、リアルサウンドにレポを書きました。こちらです。宇都宮は何度かライブで行ったことあるけど、栃木駅は初めて降りました。

BOOK

「ユニコーン『服部』ザ・インサイド・ストーリー」

兵庫慎司著
(リットーミュージック)
2019年11月21日(木)SALE

※初回限定特典:「服部巾着」を復刻!

≫詳細・ご購入はこちら

  • 兵庫慎司

    TEXT

    兵庫慎司

    • ツイッター

SHARE

関連記事

イベントページへ