The Songbards、メジャーデビュー!1stフルアルバム『CHOOSE LIFE』制作秘話、ツアーへの意気込みを語る。

インタビュー | 2019.11.20 18:00

──結成から2年超でメジャーデビューをするわけですけど、The Songbardsの初ライブって覚えてます?
松原有志(Gt&Vo)僕らメンバーチェンジを何度もしているので、バンドの初ライブとこの4人での初ライブは違ってくるんですよ。
──ああ、そうですね。現メンバーでの初ライブはどうでしたか。
松原「eo Music Try」という関西の大会があって、その決勝戦が大阪・BIGCATで開かれたんですけど、直前でドラムがいなくなっちゃって。困っていたところをライブハウスの人が、今のドラムの(岩田)栄秀を紹介してくれたんです。決勝まで2週間しかなかったから急いで準備をして。そのときに立ったステージがこの4人では初ライブです。
──スゴい!BIGCATということは、いきなり900人を前にライブをして。
松原ハハハハ、ワケわからないですよね(笑)。
柴田淳史(Ba&Cho)しかも全く演奏したことのない曲をやったよな。
松原そうそう。3人でも披露したことのなかった新曲をなぜか決勝でやるっていう。まあ、何の賞も取れずに負けましたけど。
──実際、この4人で音を鳴らしたときの手応えってどうでした?
上野皓平(Vo&Gt)今の体制になるまでドラムは何人も入れ替わっているんです。逆に、いろんなドラマーと一緒にやれたのは良い経験にもなってて。栄秀と演奏をしたら、今までにない気持ち良さがあったんですよね。初めてスタジオに入ったときから「ああ、これはキタな」と思いました。
松原もっと話を遡ると、僕と皓平は同い年ですけどベースは1個上の子がやってて、ドラムは1個下のメンバーだったんです。年齢を気にせず平等でいたい気持ちはあったんですけど、どうしても気を遣っちゃうことがあって。こうして4人とも同い年のメンバーが揃ったことで、波長の合う感じはありますね。
──岩田さんからみて、3人の雰囲気はどうでした?
岩田栄秀(Dr&Cho)3人の素直な雰囲気はしっくりきましたね。ライブに不慣れな感じがあったとしても、そこをカッコつけてごまかすわけでもなく素直に挑む。その感じが僕的には新鮮だったので、すごく良いなと思いました。
──この体制になったのが2017年の3月で、そこから僅か2ヶ月後に「COMING KOBE17」で優勝。さらに3ヶ月後には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「SUMMER SONIC」のオーディションを勝ち抜いて。「TOKYO CALLING」や「MINAMI WHEEL」では、多くのお客さんが集まって入場規制になるほどの盛況っぷり。急速にその名を轟かせている感じがするんですけど、バンドのターニングポイントはどこだと思いますか。
松原僕と皓平は前身バンドのときから活動を共にしているんです。だから申し訳ないんですけど、全然急速じゃないなっていう。これまでにお客さんが0人だったライブも沢山あるし、高いノルマ代を払ってライブに出ることもしてきた。The Songbardsになる前から神戸のVARIT.というライブハウスで、4時間のワンマンイベントをやっていたんですけど、お客さんが全然来ないから「もうちょっと待とうか」って。そういう下積みから始まっているんですよね。
──日に当たらない苦労の歴史があって。
松原バンドマンは全員が全員そういうわけじゃないと思うんですよ。加入するバンドがあって、そこは既にファンがついてるケースもある。だけど僕らの場合は、お客さんが0人のときからやっているんだぞっていう。外側からどう見えていたとしても、誰にも見向きもされなかった時代を味わっているから本人は急速に進んでいるイメージはなくて。
──最初からプロになることを目指していたんですか。
松原最初は趣味でしたね。本気でバンドに向き合おうと思ったのは大学3年生の頃。「みんなで1年間休学をして、就職をするのか本気でバンドをするか考えよう」という期間を設けたんです。そしたら休学する直前にドラマーが脱退しちゃって、ヤバイなと思って。これで正規のドラマーが見つからなかったら、普通に就職するしかないぞっていう。それで休学期間の最後に栄秀が見つかったので、それ自体が僕にとってはターニングポイントかなと。そのあと4人揃ったタイミングで、改名をしようとThe Songbardsというバンド名になって。そのときに新しい1歩を踏み出せた気がしてて、バンドにとっては大きな出来事だったと思います。
──これまでに3枚の作品をリリースしつつ、今回がメジャーデビュー作となりますけど。インディー時代と気持ちの変化はありますか? 逆に、変わらない部分もあれば教えてください。
松原僕と皓平がメインで曲作りをしているんですけど「どんな曲を作りたいのか」というテーマではなくて、「何を伝えたいのか」というバンドの根幹は始めた頃から変わってないです。僕らとしては、自分たちを売り込んでいるよりも活動に共感してくれている人が集まっているから、メジャーに行っても環境は変わらないで済んでいるんです。とはいえメジャーというのはポジティブな意味で、今までと広がり方が変わるのは分かるから、名刺代わりになるような1枚にすることは考えました。
柴田1stアルバムって、今までやってきたことの集大成的な側面が強いと思うんですけど、意外と僕たちはそう思ってなくて。今までを昇華しつつ、新しいアプローチを提示しようと。個性豊かな曲が揃いつつ、アルバムとしてパッケージしたときにまとまった作品にはなっていると思ってて。
──確かに新しいアプローチは感じてて。僕のイメージだと「春の香りに包まれて」とか「Inner Lights」の優しい歌詞と温かいメロディの音楽を鳴らす印象だったんですけど、「Othello」で新しい一面を知れました。
上野今までの「The Songbardsらしい」と言われてた曲は色んなアーティストの影響を顕著に受けて、それが初期衝動的に音として現れていた部分はあると思うんです。
──andymori、ビートルズ、Oasisとかですよね。
上野だけど先ほど仰っていただいた「Othello」は、今までとアプローチが違うんですよね。シェイクスピアの『オセロー』という作品があるんですけど、それをヒントに自分以外を主人公において曲を作ろうと思いました。それによって、今までの自分になかった側面を出す試みが出来ましたね。
──あの曲はドラムも今までと違うアグレッシブさがありますよね。
岩田それこそ「Othello」「グッドラック・ドリー」「マジック」は、どう叩くか悩みました。2人(上野・松原)が作る曲は、デモの段階で簡易的なリズムパターンが入れてあるんですよ。デモを聴いた上でいかに自分らしいサウンドを入れるかは、意識しながら取り組みましたね。
──柴田さんはどうですか。
柴田「マジック」は元々ビートズルっぽい音にしたくて、ポール・マッカートニーのような動きがありつつリズムを支えるベースラインにしようと思っていたんです。例を挙げると『サージェント・ペパーズ』のベースの音みたいな。なので僕のイメージでは、バイオリンベースが合うかなと思っていたんですけど、やってみたら全然イメージと違ったんです。今回は試すことで分かることも多かった。実際、今までいろんな音楽を聴いて「この音って、こう出しているんやろうな」と思ってもやってみないと分からないというか。そういう発見があったのは「マジック」でしたね。
──すごいリズム隊が際立ってましたよ。
岩田去年、イギリスで12本のライブをしたんですけど、おかげでドラマーとしての理想像が変わってきた。人の身体を動かしたいんですよ。歌のサポートをするというよりは、元からドラムがある上に歌を乗せたという逆算的な作り方を考えるようになりました。

公演情報

DISK GARAGE公演

CHOOSE LIFE Release Tour

2020年1月23日(木)神戸VARIT.
w/KOTORI、おいしくるメロンパン
2020年1月25日(土)広島BACK BEAT
w/2、空きっ腹に酒
2020年1月26日(日)熊本B9.V2
w/2、空きっ腹に酒
2020年1月28日(火)高松TOONICE
w/Brian the Sun、Slimcat
2020年2月1日(土)仙台LIVE HOUSE enn 2nd
w/The Cheserasera、No Buses
2020年2月2日(日)HEAVEN’S ROCK宇都宮2019年2月3(VJ-4)
w/Helsinki Lambda Club、ズーカラデル
2020年2月9日(日)京都GROWLY
w/DENIMS、Easycome
2020年2月11日(火)金沢 vanvan V4
w/DENIMS、MONO NO AWARE

チケット一般発売日:2019年11月16日(土)

CHOOSE LIFE ワンマンツアー

2020年3月6日(金) 岡山MO:GLA
2020年3月7日(土) 福岡 DRUM SON
2020年3月14日(土) 渋谷CLUB QUATTRO
2020年3月20日(金・祝) 名古屋APOLLO BASE
2020年3月28日(土) 大阪 Shangri-La

チケット一般発売日:2020年1月18日(土)

※先行情報はオフィシャルサイトにてご確認ください。

RELEASE

『CHOOSE LIFE』

1st Full ALBUM

『CHOOSE LIFE』

(Getting Better)
2019年11月20日(水)SALE
※初回限定盤(CD+DVD)、通常盤(CD)の2形態あり
※ジャケ写は共通
  • 真貝聡

    取材・文

    真貝聡

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