有安杏果、「サクライブ 弾き語りツアー2021」無事完走!ツアーを終えた今の思いを訊いた [インタビュー]

インタビュー | 2021.10.01 17:00

2021年9月11日の東京公演をもって、今年4月から計9公演行なわれた「サクライブ 弾き語りツアー2021」を無事に完走した有安杏果。DI:GA ONLINEではツアーを終えたばかりの彼女にインビューを実施。ツアーファイナルとなったライヴレポートと2本だてで掲載する。
──弾き語りツアーを終えた感想から聞かせてください。

とにかく無事に終えられてホッとしてます。これまではバンドと一緒のライブをやってきて。その中で、1曲だけを弾き語るっていうことはあったんですけど、2時間半近く、ステージ上に完全に一人しかいないライブをやるのは初めての経験だったんですね。春の時はもちろん不安もあったし、ちょっと怖いなという思いも抱えていたんですけど、春と夏、全てトータルで終えて、1つ階段を登れたというか。これから自分がパフォーマンスしていく上で、ちょこっとだけ自信にはなったのかなと思います。

──春から夏にかけて、この5ヶ月間でギターの技術も上がってましたね。

ほんとですか!? もともとギターは1曲弾き語るだけでいっぱいいっぱいというところからスタートしたので、やっぱり去年1年間が大きかったですね。コロナ禍で本当に家から一歩も出られなくなって、この時間をどうやって使おうかと思いました。もう一度ギターやピアノの基本から練習しようと決意しました。
11月の渋谷公会堂公演が決まったタイミングで来年はバンドでのライブは難しいかもしれないけど、弾き語りで一人だったらライブができるかもしれないという状況になって。じゃあ、やってみるしかないと思って、練習をたくさんして。ほんと、ここ1年くらいはずーっと弾き語りのことで頭がいっぱいでしたね。

──ご自身でも手応えや変化は感じましたか。

どのライブも毎回、すごく緊張するのは変わらなかったです(苦笑)。でも、春のときは座ってギターを弾いてたんですけど、夏ではギターは全部立って弾いて。それが自分的には大きな変化でした。

──どうして立って歌おうと思ったんですか。

もともとは座っていた方が弾きやすくて、立って弾くのは難しかったんですよ。春の時はいろんなことが初めてだったので、まずは座ってちゃんと弾こうと思っていたんですけど、夏に向けて、いろいろと反省も踏まえて、さらにパワーアップしたいなと思って。パフォーマンスとしても、立って弾いた方が後ろのお客さんも見やすいし、自分も身体全体を使って思い切り表現できるので立って弾けるように準備しました。

──「LAST SCENCE」あたりは今にも踊り出しそうなくらい、身体全体でグルーブしてました。

あははははは(笑)。唯一、小さい頃から習っていたのがダンスだったので、身体全部で鳴らして表現するのが好きだなって思いますね。

──ツアーで印象に残っていることは何かありますか?

どこの会場でも、「来てくれてありがとう」「やっと会えたね」というあったかい雰囲気をすごく感じましたね。特に夏の大阪は、中止や延期を繰り返して、2年ぶりになってしまって。久しぶりだからアウェイかなと思いきや、すごくあったかく迎え入れてくれたので、久しぶりという感じがあまりしませんでしたね。

──大阪では当初は2021年1月からを予定していて、その後、同年11月に延期していた全国Live tour「雫ノ音(しずくのね)」の延期公演の中止を発表しました。

お客さんに延期を一回発表していたので、約束を破るというか……一回発表したものを中止にするのは、基本的にダメだと思ってて。だから、すごく考えて考えて、スタッフさんとも相談して。日々、変わっていく状況をみながらの判断だったんですけど、やっぱりバンドのライブは関わる人数が全然違うんですよね。自分でもやってみてびっくりしたんですけど、弾き語りだと私の他にスタッフさん三人で回れるんです。本当に最小人数でできるんですけど、バンドとなるとステージ上だけで五人になるし、スタッフさんもめちゃくちゃ増える。大人数での移動や宿泊をすると、感染のリスクが高くなるなと思って。もしも、自分の現場で大事なスタッフさんやバンドメンバーが、コロナウイルス感染症にかかってしまったらって考えると、すごく嫌だし、感染リスクがないとは言えないなと思って。

──インスタでもファンの方にメッセージを伝えてましたね。

11月のライブの中止を発表してなかったら、みんなきっと、楽しみに待っててくれると思うんですけど、どこかでコロナへの感染の心配や不安を抱えさせたまま11月まで過ごさせてしまうことになるなと思ったんですよね。それも嫌だったので、すごく残念ですが、今回は中止という決断をしました。ただ、私にとって、ライブは一番大事にしている場所なので、できる限りはライブをやっていきたいと思ってて。今回、弾き語りにしたように、これからもできる範囲で、臨機応変に対応しながらライブはやっていきたいなと思ってます。

──ライブに話を戻すと、春と夏でセトリの順番を変えてましたよね。

春を経て、いろいろ改善して、1曲目を思い切って変えてみたんですよ。

──春の弾き語りライブは、「愛されたくて」から始めたのでびっくりしました。

そうなんですよ! クラップのリズムも難しい曲で。やってみて、「1曲目じゃないな」って思ったんです(笑)。それに、改めて、バンドではできないことをやりたいなと思って。バンドのライブで1曲目が「虹む涙」というのは想像ができないし、今後もないだろうなって思ったんですね。でも、弾き語りなら「虹む涙」ではじまるのもありだなっていうイメージが自分の中で湧いて。まずはみんなを温かく包み込む感じの雰囲気が作れたなと思って、思い切って変えみたんですけど、実際に変えて良かったなって思いました。

──アルペジオから始めて、ゆっくりと空気を作っていく感じになってましたね。

お客さんも段々とテンションを上げていく感じになったし、1曲目を「虹む涙」にして良かったなと思いましたね。ただ、個人的には、1年前はアルペジオができなかったんですよ。それまでのバンドでのライブではストロークしかやってなくて。人前でアルペジオで弾いたことがほとんどなかったんですね。でも、コロナ禍になって、弾き語りだったら、いろんなバリエーションで曲の世界観を伝えたいなと思い、去年の冬くらいにアルペジオの練習を始めて。まだ全然歴が浅いので、緊張で指が震えてましたし、個人的には自分を苦しめるというか、自分でハードルを上げてしまったと感じて(笑)。でも、自分が今、伝えたいメッセージや今回のテーマは一番表現できたかなと思います。

──有安さんが弾き語りライブを始めたこととも重なります。

そうですね。それに、今のこの状況下ということも考えてました。私も実際にライブがたくさん中止や延期になってしまったけど、みんなも運動会や修学旅行とか、いろんな行事が中止になってしまったと思うんですね。そこに向かって頑張っていても、夢を発揮する場所がなかった人たちもたくさんいると思う。それでも諦めずに届けたいっていう思いをこめましたね。

──一生をかけて思いを届ける決意も感じました。

そうですね。「心の旋律」もそうなんですけど、声が出なくなったこともあったし、喉を壊したこともあった。だけど、私はやっぱり、自分の思いを歌で伝えたい、自分の歌を聴いて、誰か一人でも元気になってくれたらいいなって思う。だから、これからも自分のペースで届けて行けたらいいなと思います。

──MCでは初心や原点を思い返すようなお話をされてましたね。

うんうん、なんか、毎回ライブをやる度に、まだまだだなって思うし、まだスタートラインだなって思うんですよね。特に弾き語りツアーは毎回の公演で感じてて。今まではステージ上にバンドメンバーがいたり、武道館や横浜アリーナのソロライブの時は、大きいLEDがあったし、照明や装飾、派手な演出にも助けられてきた。でも、今回のステージは本当に何もなくて。マイクとギターだけしかないし、誰も助けてくれないですし(笑)。誤魔化しも効かないし、大変は大変だったけど、自分にとって修行の1年だったなとも感じてるし、2時間半を一人でやり切れたのは自信になりましたし、ようやくスタートラインから一歩進めた気がします。

──弾き語り三昧だった1年を経て、今後はどう考えてますか。

まだ状況は不透明なままですけど、いろんな形のライブをやりたいなって思いますね。弾き語りも機会があったらまたやりたいし、バンドはもちろん、弦を入れたり、管を入れたり、ビックバンドの前で歌ったりもしたい。いろんな編成で、いろんなアレンジを楽しみながらライブができる日が来ることを心から待ってます。

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