SURFACE 椎名慶治・永谷喬夫が「秋に聴きたいSURFACEの曲」

スペシャル | 2020.10.20 12:00

椎名慶治僕は、「airy」。2006年のアルバム『resurface』の曲で、シングル「Re:START」のカップリングにも入っています。
実は、22年間で秋をテーマにした曲がひとつもないんですね。ない中で、「airy」だけは、「季節外れの打ち上げ花火」とか、「海沿いを走るあの電車も」とか、そういう言葉が歌詞の中にあって。「そう今思えばコンビニへ 出かけるだけの二人も悪くないな」っていう歌い出しも、冬だったら二人でコンビニまで歩いたりしないな、寒くてイヤだな、と思うんだけど、そう歌っているっていうことは、秋口ぐらいの雰囲気がするので。だから、今聴くと、いちばん情景が浮かびやすいんじゃないかなと思って、「airy」を選びました。あと、失恋の歌だから、よけい秋の感じがあるかなと思って。
永谷喬夫僕も、ほんとはその曲だったんですけど──。
椎名(笑)嘘でしょ! すげえな!
永谷だったんだけど、椎名くんがそれを言うと思ったので、別の曲にして。僕は、前作のアルバム、『ON』の「spilt milk」という曲を。単純に、春は出会いの季節で、秋は別れの季節のような──。
椎名ああ、そうか。あれも大失恋の曲だね。
永谷そう。で、秋の代表といえば、僕の中ではオフコースというか、小田和正さんの作る曲なので。昨日も「明日こういう取材があるよ」ってスタッフにきいたので、それからずっとオフコースのアルバムを聴き直してたんですけど。自分たちが生まれてちょっと経った頃のアルバム、1980年頃の……「Yes-No」の「君を抱いていいの 好きになってもいいの」とか──。
椎名ああ、でもちょっと通ずるわ、「spilt milk」はね。
永谷そうそう。で、ほかの曲も……僕は、姉が10歳離れていたので、すごいオフコース・ファンだったりして。そういうせつない歌詞、せつないメロディ、すごく好きなんですよね。幸せな曲も、それはそれでいいんですけど、どっちかというと、いけない恋だったりとか、そういう曲に惹かれるというか。小説もそうだし、映画もそういうものが好きなんですよね。邦画、けっこう好きなんですけど、この間、岩井俊二さんが作った、松たか子さんと福山雅治さんの──。
──ああ、『ラストレター』。
永谷もともと原作の小説も読んでたんですけど、「あ、画になるとこういうことになるのか!」っていう。まるで音楽のような映画で……甘酸っぱいわけでもなく、なんか不思議な感じで……学生の時に好きだった人と、歳をとってからまた出会うっていう話なんだけど、出会った相手は……(椎名に)まあ、観たらいいよ。
椎名はははは!
永谷という恋愛映画も好きなので。そういうのもあって、「秋といえば」で、すぐ「spilt milk」かな思って。春に出会って、夏で相手のことを、いいところもいやなところもたくさん知って、秋に──。
椎名なんで半年で別れるのがマストなんだよ(笑)。
永谷でもあの歌はほんと、歌詞があがってきた時に、すごいグッときました。カラオケには入ってませんけど、もし入ってたらひとりで歌います、俺は。
椎名熱く語るなあ(笑)。入ったらどうぞ歌ってください!
  • 兵庫慎司

    取材・文

    兵庫慎司

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