the chef cooks me 下村亮介が「初めて立ったステージ」は?

スペシャル | 2023.09.14 17:00

──the chef cooks meとして初めて立ったステージの思い出を教えてください。

the chef cooks meとして初めてのライブは2003年9月7日、当時働いていたライブハウス下北沢ERAのステージでした。2003年5月に採用してもらってホールスタッフとして働いていたんですけど、2ヶ月くらいで当時の店長でブッキングマネージャーだった宮崎洋平さんにサブブッキングマネージャーに任命されて、四苦八苦しながらやっていたんです。
その9月7日というのが土曜日だったんですけど、たまたまスケジュールが空いてしまったんです。ライブハウスで土日が空いてしまうのって致命的で。宮崎さんに「じゃあ、お前なんかやれよ」ということで、即席で作ったのがthe chef cooks meだったんです。前身バンドのドラムとギター、ベース、あと佐藤(ニーチェ)に声をかけて、とりあえずスタジオに入ってパッと作った曲を主催バンドとして4曲だけ演奏して。avngers in sci-fiとwooderd chiarie、onsaに出演してもらって。その時は自分のバンドのことはどうでもよくて、結構集客もあったしみんなにいいステージにしてもらってライブハウスの人間としてはいい仕事ができたなと思っていたんですけど、最後に清算をするとき店長の宮崎さんに「お前、このバンドやったほうがいいよ」って言われたんです。
何の欲望もなく、見栄も張らず、歌詞もあるのかないのかの状態で、その時どんな曲をやったか1曲しか覚えてないんですけど。それがthe chef cooks meとして下北沢のライブハウスで初めて演奏した、僕の感触で。だから何の衝動性もないし、興奮したとか、あの瞬間の一音が!みたいなのは一切なくて夢がないですけど(笑)。それでも、自分が信頼していた宮崎さんの目にとまって、いろんな人が見てくれて、バンドやった方がいいよって言ってくれたからここまで続けてこれて。20年でこうしてインタビューをしてもらえるくらいになったわけですから、どこでどんなチャンスがあるかもわからない。音楽の価値って、セールス枚数や再生回数では実感できないくらい誰かの心に残っていたり刺さっていたりすることがあるから。ライブハウスってそういうマジックがある素敵な場所だなって、いまでも思いますね。

──偶然から生まれたthe chef cooks meの初ライブの思い出。下村亮介さん、ありがとうございました!

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