クラシック音楽とヘヴィ・メタルとを融合させたネオ・クラシカル・メタルと呼ばれるスタイルの、日本における正当な後継者として2002年にデビュー。絶対王者・イングヴェイ・マルムスティーンを彷彿させる超絶速弾きギタリスト・太田カツを中心に、決して恵まれているとは言えない21世紀のメタル・シーンで孤軍奮闘するARK STORMが、昨年末のライヴDVDに続いて初のベストCD『THE ULTIMATE~THE BEST OF ARK STORM』をリリースした。3月にはツアー、そしてファイナルには代官山UNITでのライヴも決定し、新たなモチベーションの高まりに意気上がる4人<*YUHKI(Key)は所用で欠席>が熱く語る!
── 今年はデビューから11年、このメンバーになってからも10年目ですか。
太田カツ(G)「デビュー当時は音楽スタイルとして、クラシカルなものにすごく執着していたんですよ。でも今はだいぶ変わってきて、クラシカルというよりもメロディアスということに執着するようになっています。クラシカルな要素を残しつつ、比率で言うと7割ぐらいはメロディアスな方向で、いいバランスでARK STORMの音楽性が確立されてきていると思います。ARK STORMって、個人のプレイ・スタイルに関して自由なんですよ。お互い、何にも言わないじゃないですか?」
長井“VAL”一郎(Dr)「うん(笑)」
太田「そこがいいところだと思うんですよ。みんなが空気を読んでプレイできるから」
長井「自由というのは自分勝手という意味ではなく、ARK STORMの音楽性に対して自分なりの色付けをしていくという意味合いですね。みんなでARK STORMを作っていく感じです。」
太田「前よりもみんなのカラーがもっと出るようになったんですよ。特に新曲『High Voltage』はそれが良く出た曲だと思います」
── ベスト盤にはその「High Voltage」を始め4曲の新曲と、ファースト・アルバムの再録音2曲も入っていて。単なるベスト盤にはなっていないですね。
瀧田イサム(B)「ARK STORMを聴いたことのない人にとって、このベスト盤はいい入口になるんじゃないかな。基本はメタルですけど、色々なタイプの曲があって、きっと気に入ってくれる曲があると思う」
佐々井康雄(Vo)「僕ら3人はファースト・アルバムには参加してなかったけど、今のメンバーでファーストの曲を録り直しているので、それが非常にお薦めですね。新曲が4曲入っていることもお薦めで、集大成でもあり、ニュー・アルバムでもあるという意味があるんじゃないかと思います」
長井「佐々井くんと同じで、今までの歴史でもあり、新曲4曲とファーストの録り直し2曲というところが非常に意味深いのではないか?と個人的には思っています。10年前にすでにオレはオジサンでしたけど、40歳や50歳を超えても外国のアーティストはみんな元気にやっているし、なんとかそこを目指したいですね。まだまだツーバスを踏み続けますよ(笑)」
瀧田「80歳ぐらいが一番速いとかね(笑)」
長井「頑張りますよ。体のケアを第一にして(笑)」
── そして3月30日のツアー・ファイナルは代官山UNIT。そろそろセット・リストを考え始めたりしています?
太田「いや、全然(笑)。セット・リストは直前まで変わっていくんですよ。ARK STORMのライヴって、たぶん同じ曲順だったことはないです。毎回色があるというか…言葉で説明しにくいんですけど、モノトーンじゃないんですよ。それぞれのカラーが注入されることで方向が変わって、常にもっといいものになるので、今回のUNITもいいカラーでやれると思います。たとえば僕の好きなレインボーというバンドがあって、78年とか79年頃のライヴは、だいたい1時間半で6曲ぐらいなんですよ。アドリブをやったりとかで、どんどん伸ばしていくんですね。ARK STROMはそこまでは行かないですけど、曲順が決まっていてもプレイが変わるし、色が変わる。そこを見てほしいですね。それがUNITの見どころというか、ARK STORM自体の見どころですね」
瀧田「ARK STORMをまだ聴いたことのない人がベスト・アルバムを聴いて、“カッコいいかも”と思ってライヴに足を運んでくれたら最高ですね。好きな人は本当に好きだと思うし、今まではそういう感じでやってきましたけど、いろんな音楽があるんだなということを、これを聴いて知ってもらえればと」
太田「色々な人に聴いてほしいです。まだまだ知られてないと思うんですよ。現代の音楽はシステマチックに進んでいるところがあるけど、ARK STORMはそういうバンドじゃないんです。すごく柔軟性があるし、演奏もその場で変わっちゃう。歌の節回しも変わる」
長井「同じ曲でも、毎回テンポが違うんですよ。昔ながらのバンドですね。昔のバンドのライヴ盤って、ライヴごとに全然違ったじゃないですか?あれを未だにオレらはやっているという…(笑)」
太田「それがいいんですよ。そこをすごく主張したい。システマチックにやるのが悪いということではなくて、ナマの良さというものを時代が求めている気がするんですよ、ここに来て。だって人間がやっていることじゃないですか?」
長井「そうそうそう」
太田「機械じゃないから。毎回色が変わるのが、バンドの自由だと思うんですよね」
── メタル系の音って、実はアニソンやニコ動の曲にもすごく入り込んでいるじゃないですか?受け入れられる土壌はすごくあると思うんですよ。
長井「ですよね!」
瀧田「ARK STORMの曲って、ポップなんですよ。ポップという言葉が合うかどうかわからないけど、メロディがしっかりしていて、歌として聴きやすい。ヘヴィ・メタルというと“ウワー!ギャー!”みたいなものをイメージしている人もいると思うんですよね。あと『地獄のナントカ』みたいなタイトルとか(笑)」
── 確かにそういうのもありますけどね(笑)。
瀧田「ARK STORMはそうじゃなくて、歌ものとして聴きやすいと思う。だから怖がらずに聴いてほしいです(笑)」
長井「それは本当に言われる。“ARK STORMのライヴを見てみたいけど、怖くて行けないんです”とか。お客さんがみんな鋲付きの革ジャンを着て暴れているんじゃないか?とか。そういうことはないですから、安心して来てください(笑)」
佐々井「意外とビジュアル面も凝っていると思うんですよ。ここで言うのも何ですけど。若い世代のファンにもっと来てもらえると、これからもいい状況でライヴができると思うので。怖がらずに来てください(笑)。是非カッコいいところを観て頂ければと思っています。なので、3月30日の代官山UNITは、このメンバーでの最高のライヴにしたいと思います。演出もパフォーマンスも、すべてにおいて、凝縮した濃密な時間にしたいと思うので、ファンの方と一緒に楽しみたいです」
2013年3月30日(土) | DAIKANYAMA UNIT | 17:30 開場 / 18:00 開演 | スタンディング :4,000円 (税込) |
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BEST ALBUM「THE ULTIMATE 〜THE BEST OF ARK STORM」
(キングレコード)●NOW ON SALE
ARK STORMオフィシャルサイト
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