空想委員会『デフォルメの青写真』リリース記念ワンマン、ライブレポート!自信みなぎるライブの熱量から、6月1日スタートのツアーへの期待は高まるばかり!

2017.05.2312:00

『デフォルメの青写真』リリース記念ワンマン
2017年4月20日(木)渋谷CLUB QUATTRO
Text:沖 さやこ
Photo:祖父江孝人

4月5日にリリースされた空想委員会のメジャー3rdフルアルバム『デフォルメの青写真』。フロントマンの三浦隆一(Vo&Gt)が「出来上がったCDを過去最高に聴いている。それくらいの“やったったぞ!”という感じがある」と力強く語るほどの自信作である。普段そういったコメントを取材やキャンペーンでしてこなかった彼が、なぜ今回そこまで言い切るのか。それは「なりたかった自分/バンドマン像」に近付けているという確信があるからではないだろうか。恋愛がうまくいかないもやもやを楽曲にぶつけていたインディーズ時代、聴き手に音楽を届ける喜びを覚えたメジャーデビューをしてからの3年間を経て、彼はまた新しいステップへと進んでいるのだ。そして前進しているのは、佐々木直也(Gt)と岡田典之(Ba)も同様である。いまの空想委員会はメンバー全員の個性が発揮されており、互いが互いのそれをリスペクトしているという、バンドとして非常に美しい状態なのだ。    

この日の本編のセットリストは、「三浦が考える『デフォルメの青写真』の曲順」。新曲のみで構成されるセットリストは演奏面でかなりハードルが高いだろうが、3人はそれすらも楽しみ、そこに喜びを見出しているようにも見えた。アルバムのラストを飾る「罪と罰」で、ライブはじっくりと幕を開ける。三浦の胸のうちの深いところを抽出したような楽曲。彼は歌に集中し、佐々木と岡田は彼の想いに気持ちを重ねるように曲に力を注いでいく。自分たちのやるべき演奏や歌に没頭する姿と集中力の通った演奏が、たちまち会場の空気を掌握していった。続いてストリングスの美しい「何者」、フレッシュなギターロック「ビジョン」とつなぎ、徐々にライブの空気を盛り上げていく。岡田はメロディアスなベースラインと同様に、とても滑らかな動きを見せてプレイ。それによって音に躍動感がついて心地のいいグルーヴが生まれているところも、空想委員会が進化している大きな要因のひとつだ。「ようやく『デフォルメの青写真』の楽曲を生演奏で届けられる」と喜びを語った佐々木が「来てくれたひとたち全員に“愛してるよ”……と言いたいところなんですけど、僕らはそういうことができないバンドなので、この曲を聴いてください」と言い、「アイシテイルの破壊力」へ。3人はリスナーへの感謝の気持ちや愛はなによりも音楽で伝えるという硬派な姿勢を貫き、「キラーチューンキラー」では佐々木と岡田が粘り強い音像で魅了した。  

その後もバンドは楽曲がより引き立つようにMCや口上、導入等を挟み、『デフォルメの青写真』の新しい解釈を届ける。『通行人「R」』で曲の終わり際に三浦がタイトルを告げたシーンはかなりクール。「恋とは贅沢品」の前に「去年1年、わたくし三浦は仕事人間で。仕事のせいにして色恋沙汰がまったくなかった。……何年くらいなかったかな?」と真剣な表情で考え込んだあとに自らの恋愛事情を赤裸々に語り出すというフロントマンの予期せぬ行動に、佐々木と岡田は慌てることなくテンポよく会話を広げる。曲の間奏でいきなり三浦が花を持ち出して「好き、嫌い、好き、嫌い……」と花占いをし始めたのはかなり衝撃的だったが(笑)、非常に自然体で生き生きした3人の表情と演奏は痛快で、観ていてどんどん胸がすいていった。    

ラスト2曲の「解の恋式」、「スタートシグナル」でさらに3人の熱は上がり、三浦は歌い切ったあとのアウトロでメガネを落としてしまうもまったく動じずギターをかき鳴らす。3人が自分たちの音楽に没頭すればするほどフロアの熱量も上がっていく、そのひりついた高揚感はまさしくロックバンドのライヴだった。アンコールもとい“居残り”では三浦が「お前らもっと来れんじゃねーのか!もっと来いや!!……こういうの言ってみたかった(笑)」と観客を煽り、「完全犯罪彼女」など3曲を演奏。さらに観客は居残りダブルを求め、バンドは最後に「純愛、故に性悪説」を力を振り絞るようにフロアへ届けた。  

アルバム完全再現ライブとはひと味違う見せ方も見事だったが、シンガロングやコール&レスポンスを盛り込んだライブの定番曲「空想ディスコ」をセットリストに組み込まずに、観客を満足させるステージを展開したことも快挙だと思う。空想委員会の音楽家としての底力や気合いが十二分に伝わってくる、非常に頼もしいライブだった。三浦の「いいCDを作ったので、いいツアーをしてきます」という言葉の通り、6月1日の千葉LOOKを皮切りに7月23日の中野サンプラザまで走り抜ける全国ワンマンツアー「青写真の現像室」、かなり期待していて良さそうだ。いまの空想委員会、観ておいて損はない。
 

セットリスト

01.罪と罰
02.何者
03.ビジョン
04.アイシテイルの破壊力
05.キラーチューンキラー
06.通行人「R」
07.私が雪を待つ理由
08.恋とは贅沢品
09.色恋狂詩曲
10.解の恋式
11.スタートシグナル
居残り
01.完全犯罪彼女
02.ロマンス・トランス
03.劇的夏革命
居残りダブル
01.純愛、故に性悪説

 

■空想委員会 Album『デフォルメの青写真』Lyric Video

空想委員会 NEW ALBUM『デフォルメの青写真』リリースワンマンツアー 『青写真の現像室』

6/1(木)千葉LOOK
6/10(土)熊本 B.9 V2
6/11(日)福岡 DRUM Be-1
6/17(土)名古屋 ダイアモンドホール
6/24(土)札幌 Sound lab mole
7/1(土)金沢AZ
7/2(日)新潟 CLUB RIVERST
7/8(土)広島 SECOND CRUTCH
7/9(日)高松 MONSTER
7/15(土)梅田 クラブクアトロ
7/17(月祝)仙台 darwin
7/23(日)中野サンプラザホール
>>>詳細はオフィシャルサイトにてご確認ください

空想委員会 三浦隆一(Vo.&Gt.)がDI:GA4月号表紙のために描きおろしたイラストをチケフーに!
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関連リンク

RELEASE

NEW ALBUM「デフォルメの青写真」
(King Records)
※初回限定盤(CD+DVD)、通常盤(CD)の2TYPE

※初回限定盤
※通常盤