Angeloの最新アルバム『FAUST』の世界観をキリト&Karyuがたっぷり語る!

2019.11.08 18:00

──Angeloにとって11枚目のアルバムとなる今作には、『FAUST』の名が冠せられました。これはもしや、1800年代にドイツのゲーテが生み出した戯曲「ファウスト」をモチーフにしたものになるのでしょうか。
キリト(Vo) はい、そうですよ。もともと本でゲーテの作品はひと通り読んできているし、なんとなく直感的に今回はそれをモチーフにしたらイケるかなと思って(笑)。だから、このアルバムは曲作りを始めるよりも先にこの『FAUST』というタイトルを決めてから作りだしました。
──戯曲「ファウスト」自体は16世紀に錬金術や占星術に長けた人物として実在していたという、ヨハン・ファウスト博士を主人公とした物語となりますけれど、キリトさんが今作『FAUST』を通して表現されているのは、そのもっと奥底に蠢いているものになりそうですね。
キリト(Vo) Angeloはもちろんその前にやっていたバンドも含めて、僕がこの約20年くらいずっとやってきたのは、その時々でのモチーフ自体はいろいろあったとしても、そこから自分なりの解釈でまた新しい別のストーリーを描きながら作品を世に出して行く、ということですからね。今回も『FAUST』の中で突き詰めていっているのは、ある意味でこれまで作ってきたものたちとも根底でつながっている“人間って何?”とか、“人間の果てしない欲深さとは?”みたいなところなんですよ。そこをより明確に表現するために、ここでは特定のキャラクターを使っているということですね。
──そうした一方、無から有を生み出すという意味において、錬金術師であった“彼”という存在の中にキリトさんがご自身のことを投映されていたところも、どこかであったりはしませんでしたか。
キリト(Vo) あぁ、それもありましたよ。ファウストの場合はお金とかモノに対する欲とかそんなものをゆうに超えた、時間そのものを自分の手で操りたいっていう欲だとか、物事の真理や宇宙の真理に近付きたい、そしてそれにともなう知識欲に対しても際限ない欲を持っていたわけでね。結果として、ファウストの場合は自分よりさらに高次元な存在…つまりここではメフィストという悪魔と「望むものを与える代わりに別なものを頂くよ」という契約をするわけなんですけど、それだけのリスクをおかしてもなお欲しいものがあるという彼の欲深さに対しては、自分と相通ずるものを感じるところがそれなりにはあります。
──そして、今作中にはファウストが契約したとされる悪魔・メフィストからの視線を思わせる歌詞が印象的な「STOP THE TIME , YOU ARE BEAUTIFUL」という楽曲も、しっかりと収録されておりますものね。このあたりの構築が、アルバム『FAUST』は実に秀逸です。
キリト(Vo) メフィストにはメフィストで、得体のよくわからない人間というものをファウストの存在を通じて知りたい、という欲がありますからね。その両者の思惑とか、在り方をそれぞれに表現しつつ、僕としては最終的に聴く側を闇に引きずり込みたいんですよ(笑)。

▼Angelo 11th Album「FAUST」全曲ダイジェスト

──では、それだけの深い物語性を持った『FAUST』の世界を音で表現していくのにあたり、コンポーザーとしてのKaryuさんは今回まずどのような取り組み方されていったのでしょうか。
Karyu(Gt)全体を通して基本的に意識していたのは、“キャッチー”というキーワードです。自分にとってのキャッチーさ、Angeloにとってのキャッチーさに対する実験を今回のアルバムではメロディにしてもリフにしても、サウンドメイクにしてもいろいろな面からそれぞれの曲の中に積み重ねたり、ちりばめていきました。
──とはいえ、ひとくちにキャッチーとは言っても、そこに関する捉え方は人によってもさまざまです。ましてやAngeloとしての流儀を活かしながら具現化していくとなると、なかなか一筋縄ではいかないところもあったのではないですか?
Karyu(Gt)いやもう、そこはメチャクチャ悩みました(苦笑)。個人的にはマイナーコードが好きですし、こうして出来上ったものが人の思うキャッチーという定義とは違っている可能性もありますけど、少なくとも僕の感じるキャッチーさは今回のアルバムの中でかたちに出来たんじゃないかな、と思ってます。
──それこそ、2曲目の「ファウスト」などはメロディラインにキャッチーさを色濃く反映した楽曲に仕上がっている印象です。
Karyu(Gt)そうですね。いきなりサビから始まったりする点も含めて、これはかなりシンプルで分かりやすい曲になってるはずです。
──アルバムの最後を飾っている「STOP THE TIME, YOU ARE BEAUTIFUL」からも、この曲ならではの独特なキャチーさを感じました。これはそもそも、いかなるプロセスを経て生まれたものだったのでしょうか。
Karyu(Gt)これ、最初は不協和音を入れた曲として作ってたんですよ。でも、キャッチーさを追求するならそれは違うかなとなって、また別の作り方をしたんです。そのことによって、自分としてはこのアルバムの中でも特に突出して気に入った仕上がりになりました。最後のサビ前あたりの展開なんかも、けっこう思い切りましたしね。ほんと、この曲は凄く強いこだわりを持ちながら作りました。
──となると、当初からこの曲はアルバムを締めくくる存在になるであろうな、という想定も出来ていたりして?
Karyu(Gt)それは考えてなかったです。結果的に最後になったので。
──この曲を位置に据える案は、キリトさんから出されたのでしょうか。
キリト(Vo) これはね。テーマが決まって歌詞を乗っけた段階で、今回の最後はこれかな?って感じたんですよ。
──どうやら、こちらの歌詞はファウストではなくメフィストからの視点になっているようですが、〈シナリオは捨てた 見せてもらおうか 愚かで美しい果てを〉との1節が文末にあることで、物語がよりいっそうの醍醐味をはらむことになっていると感じます。
キリト(Vo) 全ての答えを出して「これはこういう話でしたよ」としてしまうのではなく、なにかしらを投げ掛けて終わっていく、というのも自分にとっては昔からやってきた手法のひとつですからね。この曲もまた、そういう役割を持ったものになっているんです。
──表現者としてのキリトさんの軸は、これだけのキャリアを積んできても良い意味で変わりがありませんね。
キリト(Vo) スタンス自体はあんまり変わってきてないつもりです。当然、今言われたように時間の経過とともにバンドが成長してきて変わっていくという部分はあるにせよ、20何年前から1ミリも変わっていない自分もやっぱり確実にいますね。実際、周りから「変わらないね」って言われることもよくありますし。だけど、変わらないままこれだけの長い間やり続けてくるって、実はなかなかの摩擦の中でバランスを取っていくことでもあるんですよ。しかも、時が経てば経つほどそれは激しさを増してくっていう(苦笑)。だって、時代の変わり方はどんどんえげつなくなっていくし、その中で自分は歳をとっていくわけですからね。スタンスを変えないでいるって、決してラクなことではないですよ。
──水の流れがあったして。その中で同じ位置に留まろうとすれば、その時々の流れの状況に合わせて相当な力を保持し続けていかねばなりませんものね。
キリト(Vo) そうそう、そういうこと。スタンスを変えない以上、ストイックでシビアな状況が年々激化していくんですよ(笑)。
──つまり、「変わってないね」という言葉の裏側にあるものは、むしろ全く別の意味を持っててくると言えそうです。ただ漫然と変わっていない、というのとは真逆のところでAngeloは動き続けていることになります。
キリト(Vo) 言葉だけでとらえると、人から良く言われる「変わりませんよね」っていうのは、ずっと同じままところに居続けてる動かないお地蔵さんとか仏像みたいなイメージがあるけど(苦笑)、全然そんな台に固定されてるとかじゃないんですよ。時の流れっていう激流の中を、自分の足で立ち続けてるわけですからね。もっとも、僕が常にそういうスタンスでいるということは、ウチのメンバーも皆そういう力が求められるっていう厳しいことにはなって来るんでしょうけど(笑)。
Karyu(Gt)そこはまぁ(笑)。とにかく、今回の『FAUST』も精一杯作りましたよ。

公演情報

DISK GARAGE公演

Angelo Tour 2019-2020「THE CONTRACT DEADLINE」

2019年11月9日(土) CLUB CITTA’
2019年11月16日(土) TSUTAYA O-EAST
2019年11月21日(木) 新宿BLAZE
2019年11月22日(金) 新宿BLAZE
2019年11月30日(土) umeda TRAD
2019年12月7日(土) 横浜BAY HALL
2019年12月8日(日) 横浜BAY HALL
2019年12月14日(土) 札幌 PENNY LANE 24
2019年12月19日(木) 名古屋ボトムライン
2019年12月20日(金) 広島CLUB QUATTRO
2019年12月25日(水)TSUTAYA O-EAST【FC公演】
2019年12月22日(日) 福岡DRUM LOGOS
2019年12月28日(土) 仙台 Rensa
2020年1月4日(土) マイナビBLITZ赤坂
2020年1月5日(日) マイナビBLITZ赤坂

チケット一般発売日:2019年9月21日(土)

Angelo LIVE at LINE CUBE SHIBUYA「A CONNECTED FIELD」

2020年2月24日(月・振休) LINE CUBE SHIBUYA[渋谷公会堂]

チケット一般発売日:2019年11月2日(土)

RELEASE

FAUST

11th ALBUM

FAUST

2019年11月6日(水) Release!

※初回限定盤[CD+DVD]、通常盤[CD]
  • 取材・文

    杉江由紀

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