ASKA、デイヴィッド・フォスターとの競演コンサート&全国ツアーについて語る

インタビュー | 2023.02.22 15:00

3月に開催されるASKAとデイヴィッド・フォスターの豪華な競演コンサート「ASKA&DAVID FOSTER PREMIUM CONCERT 2023」と、4月からスタートする全国ツアー「ASKA Premium Concert Tour -Wonderful World- 2023」についてのインタビュー。デイヴィッド・フォスターは、ASKAに多大な影響を与えた音楽家・作曲家・プロデューサーで、グラミー賞を15回受賞という実績を持っている人物だ。彼がプロデュースや楽曲提供で関わったミュージシャンは、シカゴ、アース・ウインド&ファイアー、マイケル・ジャクソン、ホイットニー・ヒューストン、マドンナ、ナタリー・コール、フランク・シナトラなどなど。2018年の来日公演後に、楽屋に招かれたASKAがデイヴィッドの目の前でアドリブで歌を披露したことが、今回の公演開催のきっかけとなった。夢を現実に変えていくASKAの行動力と思いの強さは突出している。この競演コンサートには、ASKAの長女である、シンガーソングライターの宮崎薫の参加も決定している。この2種類の公演と音楽にかける思いについて、ASKAに話を聞いた。
──デイヴィッド・フォスターとの競演が実現しました。多大な影響を受けた人と同じステージに立つのは、特別な体験なのではないですか?

長年影響を受けてきた人、ルーツミュージシャンって、現役から退いてるケースも少なくないですからね。デイヴィッドは今も第一線で活躍している音楽家ですし、今後もグラミー賞を重ねるような方と競演できるのはとても光栄です。

──デイヴィッド・フォスターの存在を知ったのは、いつ頃なのですか?

最初は、デイヴィッド・フォスターの名前を知らずに、彼の作った音楽を聴いていました。エアプレイ(デイヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンが結成したユニット)を聴いて、なんて洗練された音楽なんだろうって驚いたのを覚えています。僕は映画音楽が好きなんですが、『セント・エルモス・ファイアー』の音楽も好きで、よくぞ、サントラ盤を出してくれましたって、のめり込んで聴いていました。

──デイヴィッド・フォスターの名前を意識したのは?

シカゴの『Chicago16』を聴いてからですね。打ち込みの使い方も当時としては画期的で、とても素晴らしい作品でした。『Chicago16』は音楽シーンを変えた1枚ですよね。調べてみると、プロデュースをしたのがデイヴィッドで。遡って『Chicago15』『Chicago14』を聴くと、『Chicago16』が際立ってるんです。それ以前の作品にはデイヴィッドが関わっていませんでした。つまり僕が好きなのは、Chicagoを甦らせたデイヴィッド・フォスターなんだと気づいたんですよ。それ以降、自分の好きになる曲は、デイヴィッドがプロデュースしている楽曲が多いことを自覚しました。コアーズというバンドで、いいなと思った曲もデイヴィッドが関わっていましたし、ここまで自分の肌に合う音楽家はいないんじゃないかと思っています。

──“肌に合う”のはASKAさんとデイヴィッド・フォスターの音楽の感性で、通ずる部分が多いからではないですか?メロディの美しさ、ロマンチックさ、広がり方、展開の仕方など、共通点がたくさんあると感じました。

そう感じてもらえるのは、僕が彼に影響を受けたからですね。

──楽曲制作において、デイヴィッド・フォスターのどんなところに影響を受けたのですか?

計算されているところと、でありながらなめらかで自然なところです。デイヴィッドは転調を駆使しているんですが、「どうだ、オレの転調はすごいだろう」というところがないんですよ。もちろん計算してのことでしょうけれど、メロディを最大限活かす転調になっていて、どんなに複雑なことをやっていたとしても、サビはわかりやすいメロディになっている。音楽を熟知していないと、ああいう作り方はできませんね。

──以前、CHAGE and ASKAのシングル「LOVE SONG」とアルバム『PRIDE』(1989年発表)の制作でも、デイヴィッド・フォスターの影響が大きかったとおっしゃっていましたよね。

デイヴィッドによって、楽曲の作り方が根底からひっくり返されました。彼の音楽を知ってから、過去の楽曲を振り返ると、自分の稚拙さが目に付くようになりました。メロディというよりも、おもに楽曲の構築の仕方です。自分の作る曲の計算のなさ、仕掛けのなさに打ちのめされて、そこから作る曲がガラッと変わりました。『PRIDE』は変わりつつある中で制作した作品です。デイヴィッドの名前を認識する前にも影響を受けていて、「Chicagoってすごい」と思っていた時期に、影響されて作ったのが「MY Mr.LONELY HEART」(ソロでの1stシングル。1987年リリース)でした。デイヴィッドの作り方を本格的に意識するようになって作るようになったのが「はじまりはいつも雨」などの一連の流れです。まあ、でもLOVE SONG辺りはすでにそうでしたね。

「LOVE SONG」(ASKA CONCERT TOUR 2019 Made in ASKA -40年のありったけ- in 日本武道館)

ASKA - はじまりはいつも雨 '97 (Official Music Video)

  • 長谷川 誠

    取材・文

    長谷川 誠

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