インタビュー/武市尚子
2011年に福岡で結成されたBRIDEAR(ブライディア)は、KIMI(Vo)、美弦(Gt)、Misa(Gt)、晴琉(Ba)、Kai(Dr)の5人からなる、ヘヴィ・ロックをぶちかますガールズバンドである。ヘヴィなサウンドとメロウな歌メロを個性とする彼女たちは、国内だけでなく海外からも注目を集めるラウドバンドなのだ。今回は、大盛況だった昨年に引き続き、2月にヨーロッパツアーと4月から始まる全国ツアーを行うという。KIMIに話を訊いた。
──3月15日にリリースするEP「RISE」を聴かせてもらったけど、相変わらずBRIDEARは硬派なヘヴィロックを追求してるね。ガールズバンドっていうと、体力的にもスキル的にも男性にはかなわないところがあるんじゃないか?って思われがちだと思うけど、いやいや。どこにそんなパワーがあるの!?っていう驚きに加え、女性ならではの繊細さも感じられるところが、BRIDEARのすごいところだよね。
ありがとうございます!そう言ってもらえるとすごく嬉しいです!演奏はみんな真正面からぶつかってる感じですね。
──素晴しい。今回のシングルの3曲目「Remedy」のKaiちゃんのバスドラのヤバイこと。圧巻。
本当にすごいと思いますね、メンバーながら(笑)
──あははは。でも、そういう意味では、BRIDEARってギャップも魅力だよね。晴琉ちゃんや美弦ちゃんは可愛い感じだから、メタルバンドをやってるのが意外な感じだし、Misaちゃんはビューティー系だから、これまたメタルバンドのギタリストっていうイメージじゃないし。KIMIちゃんも普段はほんわかしてるもんね。
あははは。そうですね(笑)。Misaはギターの先生もしてたりするんですけど、そっちのイメージの方が強い感じですよね。晴琉もメタルのルーツが80年代メタルだったりするので、ちょっとそこも見た目とギャップがあって面白いんですよね(笑)。うん、そういう意味でも、たしかに、BRIDEARはいろいろとギャップはすごいかもですね(笑)
──ファンの人は、やはりメタルファンが多い?
──素敵なことだね。やっぱりまだまだ“ロックは男子のもの”的なところがあったりするけど、BRIDEARは本当に硬派というか、ガールズバンドでありながら、ガールズバンドらしくない魅せ方をしてるバンドというかね。
そうですね、なんか、自分たち自身、あんまりガールズバンドってことを意識していないかもですね。ガールズバンドということで偏見を持たれたりもするので。
──そうだろうね。どうしてもマイナスから入るイメージはあるだろうからね。“女だてらに”的なところは、やっぱりまだ否めないところがあると思うというか。“ガールズバンド”という、見た目や固定概念で判断されてしまうところがハンディになってしまうところは、悔しいかなあるよね。それはバンドに限らず、私も女として生きていく上で感じることではあるし。
そうですね。まずは、聴いてみてもらえたらなと思いますね。聴いて判断してもらえたら、って。偏見なく聴いてもらえたらって思いますね。
──そうだね、BRIDEARは実力があるからね。聴いてくれたら分かるって感じだよね。まさに、【百聞は一見に如かず】だなと。個人的に、今回のシングル曲4曲の中では、「Remedy」がすごく好きだったんだけど、かなり難解な曲だよね。ちょっとプログレっぽいというか。
そうなんです。いままでにない感じの曲を作りたいって、Misaが持ってきた曲なんです。すごくカッコイイ曲なんですけど、私たちも表現するのが本当に難しくて、かなり苦戦しましたね。楽器隊もフレーズの繰り返しがほとんどなくて、かなり苦戦してました。みんな“大変だった……”って言ってました(笑)
──だろうね。イントロから既にイントロらしくないというか。え?この曲、何処に向かうんだろう?って思ったというか。
あはははは。たしかに(笑)。ミックスとかも他の曲とは違うんです。どうせやるなら、とことんやっちゃおう!って、ハモリとかもオートチューンみたいな感じにしてみたりして、挑戦的な1曲に仕上げてみたんです。
──歌詞も全英詞だけど。
はい。歌詞もMisaが書いてきたんですけど、曲調的に日本語より英語の方が乗りやすいからって、同時に歌詞も付けてきてくれたんです。
──なるほどね。でも、Misaちゃんが“いままでにない感じの曲を作りたい”と思ったきっかけって?それは、今回のシングルのコンセプトでもあったの?
──なるほど。常にチャレンジということだね。
そうですね。“こんなことやってみようか!?”みたいな。それで、「Remedy」みたいな難解なことになったと思いますね(笑)
──でも、エゴになっていないというか、マスターベーションになっていないというか。
そうですね。やっぱり、BRIDEARらしさというか、軸にしている部分というか、どんなに激しくてもメロディアスであることは心がけているので、そういうところなのかなって思いますね。作曲者であるMisaと美弦は、すごく歌心を持っているので、耳に残るいいメロディを作ってくれるんです。そこをこの先も活かしていけたらと思ってます。
──なるほど。新鮮だったといえば、2曲目の「raider」も、いままでのBRIDEARにはなかった曲調だよね。ちょっとドロンとした陰で妖艶な感じが魅力的な1曲で。
そうなんです!実は、 “V系”だったんです(笑)。イメージ的にそんな感じがしたというか。
──あははは。分かる(笑)。混沌とした感じがそういうイメージを醸し出してるんだろうね。
たぶんそうだと思います!私は個人的にこの曲が大好きなんです。
──お好みですか?
はい。お好みです(笑)。新しいBRIDEARの個性になればいいなと思っていて。
──そうだね。混沌とした感じにインダストリアル感が同居しているところがスタイリッシュな印象に転ばせている感じも受けるしね。
そうですね。この曲でも、サビではメロディが一気に開けていく感じなので、そこがBRIDEARらしいのかなと。あと、7弦ギターを使っているので、重い印象だったりするんですよね。
──間奏明けのバスドラとKIMIちゃんの歌だけのアプローチ部分も、すごくいいフックになってるよね。
間奏明け、サビ前部分ですね。
──スキルあってこその見せ場だよね。
非常に恐れ多いですね(笑)、ありがとうございます。そこは美弦が持ってきたデモの段階からあったので、サビを際立たせるために、敢えてサビ前を落としたかった美弦の狙いだったと思います。
──1曲目の「IGNITE」は、1曲目に相応しいキャッチーさを宿したBRIDEARならではのハードダンスチューンだと感じたけど。
そうですね、わりとノリやすい曲かなと思いますね。ライヴ向けな1曲になったなと。拳を振り上げながら、躍ってもらえるの1曲に仕上がったと思います。
──4曲目の「Get Over」のイントロのツインギターの繊細なハモリは、メタル特有の大仰な始まりが実に気持ち良いもんね。
あははは。いかにも!な始まりですよね。“これでもか!”な感じですからね(笑)。王道のメロスピ系というか。ツーバス、ドコドコですからね(笑)
──そうだね。ストリングスが結構優雅な印象で流れているのに対し、またこれもドラムが大変なことになってるし、弦楽器隊も弾きまくりだしね。“キタッ!”ってゾクゾクしたよ(笑)。ところで、最近のシングルは、収録曲の中のリード曲をシングルのタイトルにすることが多いけど、今回タイトルは別に「RISE」という言葉で表現されているよね。そこに込めた意味は?
今回の4曲は見事にバラバラだったので、曲順を決めるのをすごく悩んだんですよ。そのことと、BRIDEARらしさを存分に入れたということもあったので、“新しい一歩”という意味を込めて、日の出的な意味を持つ“RISE”をタイトルに持ってきたんです。
──なるほどね。今回のシングルは、BRIDEARにとってどんな位置にある1枚になったと思う?
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